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アイヤ会に顧問の先生!


 アイヤ会のみなさん、お元気ですか。さて、みなさんに朗報です。この度、アイヤ会に顧問の先生がついてくださることになりました。その先生方は浜松医科大眼科堀田喜裕先生、同・耳鼻科岩崎聡先生、さかい耳鼻咽喉医院院長酒井丈夫先生です。今後、アイヤ会のみなさんの良き相談相手となってくださることでしょう。

 また、浜松医科大では両先生によるアッシャー症候群の診療体制を組んでくださってます。遠方の方でも受診可能とのことです。その際には眼科、耳鼻科と両方を一日で受診していただく必要があるとのことです。

 今回は各先生から自己紹介文と顔写真(このページでは写真は掲載しておりません)をご紹介します。

●顧問の先生からの自己紹介文

「はじめまして」

浜松医科大学 眼科教授 堀田 喜裕

 この度平成12年5月1日付けで渡邉郁緒教授の後任として浜松医科大学眼科学講座を担当させていただくことになりました。私は昭和58年に順天堂大学医学部を卒業しました。昭和61年より3年間の米国NIHでの留学期間を除きずっと順天堂大学眼科に在籍して、数多くの臨床経験をさせていただきました。平成11年に故郷の名古屋にもどり、名古屋大学眼科学教室で分子遺伝学の研究室を立ち上げました。この度、ご縁があって浜松医科大学にお世話になることになりました。今後はこの地にしっかりと腰を落ち着けて、診療、研究、教育に取り組みたいと考えております。

 私の専門は、臨床では難治性の眼疾患です。緑内障、網脈絡膜疾患、視神経疾患などが対象です。この他、白内障、角膜疾患、斜視、網膜剥離などほとんどすべての眼疾患に対応してまいりました。研究の一貫したテーマは眼科領域の遺伝学で、特に網膜色素変性をなんとかしたいという夢を持っております。

 これからの抱負は、まず若い先生達を大きく育てたいと考えております。近年の手術治療の急速な進歩から、すべての領域で高水準の医療をするには、チームワークが重要と思うからです。また、地域医療に貢献していきたいとも考えております。地域の開業医や病院の先生方と連携して、レベルの高い医療をめざしたいと思います。研究面では数は少なくとも世界に発信できるような光る仕事をしたいと考えております。

 全く知らない土地に参りましたので、最初はとても不安でしたが、教室員の皆様方をはじめ多くの大学関係者に暖かく迎えていただき、ほっとしております。同時に教室を運営して皆を指導していく立場は、非常に責任の重い仕事であると実感しております。若輩者ですから、いろいろと御迷惑をおかけすることも多いと思いますが、よろしく御支援の程、お願い申し上げます。

●顧問の先生からの自己紹介文

「はじめまして」

浜松医科大学耳鼻咽喉科講師岩崎 聡

 はじめまして、浜松医科大学耳鼻咽喉科の岩崎と申します。これまで難聴を専門にしてきた関係上、難聴の患者さん主催の会に参加する機会が多く、その中で興津さんと知り合うことができました。興津さんは昨年JRPS静岡支部を立ち上げられ、大変精力的に頑張っておられ、JRPSの中に難聴を伴う患者の会、アイヤ会があることを教えてくださいました。また、平成12年9月に静岡にて網膜色素変性症と感音難聴を伴うUsher症候群を中心に、難聴に対する講演をする機会を与えて頂き、大変感謝しております。また小泉さんにもこのような機会を与えてくださり、紙面をもって御礼申し上げます。

 最近難聴を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。補聴器で言語音が聞き取れない高度難聴者や先天性高度難聴児に対し人工内耳による音の獲得、難聴の早期発見のため新生児期に難聴測定装置を使ってのスクリーニング検査、さらに難聴の遺伝子診断や補聴器の小型化、デジタル化と医療技術は目まぐるしく進歩しています。その一方で、我々の施設で人工内耳を受けた患者さん達の”よろこび”という会がありますが、患者さん同士の横のつながりの大切さも実感しています。年に3回勉強会を開いていますが、お互いの情報交換が症状改善への日々の頑張りや心の安らぎにつながるように思えます。完治が困難で、病気と共に生活を強いられる患者さん達にとって、医学の進歩は1つの光明であろうと思いますが、同じ疾患の患者同士の横のつながりを作って、お互いに励まし合い、常に前向きに取り組んでいける環境作りも重要と思います。ぜひアイヤ会も横のつながりを大切にして、さらに発展していくことを期待しています。

 最後に我々は眼科と協力して網膜色素変性症と感音難聴を伴う(Usher症候群)方の診断、治療にあたっていますので、簡単に紹介させて頂きます。

 Usher症候群は症状により3つのタイプに分けられます。難聴・眼症状の出現時期、聴力の型や変化、前庭(平衡)機能によってタイプが決められます。したがって、眼科と耳鼻科の検査結果、両方を検討することが重要であり、これらの検査が能率良くできるよう眼科と協力して行っています。Usher症候群はその病態解明が進んでいる疾患の1つであり、遺伝子診断にも力を注いでいます。

治療に関してはまだ画期的な方法はありませんが、難聴の程度により補聴器を含めた対応方法の指導をさせて頂いています。

また、Usher症候群で高度難聴の方は人工内耳の適応にもなります。今後医学的側面からのバックアップと、患者同士の協力体制の充実が図れるよう我々も微力ながらお手伝いができればと考えております。気軽に相談してください。今後ともよろしくお願い申し上げます。

●顧問の先生からの自己紹介文

「宜しくお願いします」

さかい耳鼻咽喉科医院院長酒井丈夫

 アイヤ会の会員の皆様、はじめまして。私は静岡県の片田舎で耳鼻科医院を開業しております耳鼻科医師です。10年ほど前から耳鼻咽喉科領域における身体にハンディを持っている方々の「障害受容」に興味を持ち、活動して参りました。病気のためにのどを失い、声を出して話せなくなった人々、中途失聴難聴者、癌で死が迫っている人々からお話を伺い研究活動をしてきました。

平成5年からは静岡県中途失聴難聴者協会(静難協)の賛助会員とさせていただき、難聴者の皆様とおつきあいをさせていただいています。静難協の会員でもあるアッシャー症候群の患者の方からお話があり、アイヤ会を知ることとなりました。私にはアッシャー症候群の詳しい知識はなく、皆様に最新のアッシャー症候群についての医学情報を提供することはできません。しかし、「障害受容」という面では少しはお役に立つことができるかもしれません。あまり役に立ちそうもない顧問ですがよろしくお願い申し上げます。


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