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Von Graefeって、どんな人?

匿名希望


 アッシャー・シンドロームはAlbrecht Von Graefeが1858年に初めて記載したのがもっとも古い記録とされています。もちろん、当時はアッシャー・シンドロームの名前など付いていませんでした。最終的に英国の眼科医、Charles Usherの名前に由来し、Usher syndromeの名前が使われるようになったのが真相です。

 Von Graefeは1828年にドイツのベルリンで生まれました。当然ながら学生時代のVon Graefeは賢く、勤勉で優等の成績で卒業したそうです。1847年(数え年で19歳)に医学の学位を授かったという記録があります。また、英語で書かれており、把握しにくいものの、1847年から1848年の冬にかけて国の試験に合格したという記録もありました。

 1850年の22歳の時にベルリンで彼自身のクリニックを開業すると大変な評判を呼び、世界中から多くの患者と同僚が彼のクリニックを訪れるようになりました。開業医の身でありながら、緑内障の手術をして周囲を驚かせました。また、白内障手術用のメスを発明したとも言われています。

 成功したのは彼自身の才能と努力も大きかったのでしょうが、父親がベルリン大学の外科教授であり(現代の美容整形の創立者とも言われています。)、裕福な家庭に生まれたこと。プラハ(チェコ共和国)においては、眼科学の教授、Carl Ferdinand von Arlt (1812-1887)に影響されたこと。パリ、ウィーンやロンドンなどで多くの友人や同僚と知り合えたことも成功するきっかけだったのかも知れません。

 1857年には(ベルリンの)眼科学の準教授に任命され、1866年には正式な教授に昇進しました。ドイツにおける目の病気の最初の教授とも言われています。

 Von Graefeは科学としての眼科学の創立者と認められます。賛辞も多く、19世紀の最も重要な眼科医とも言われています。1870年にわずか42歳の若さで病にてこの世を去りました。彼の死後、彼の名前に由来した病名が残りましたが、日本では症候群辞典などに同義語としてですが、Von Graefe症候群として今でも使われています。

参考文献(サイト)

Whonamedit.comのWho Named it?ほか


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