JRPSトップ > アイヤ会トップ > バックナンバー > 目次

千葉盲ろう者友の会設立

千葉県  石川 隆


 アイヤ会のみなさん、こんにちは。千葉の石川隆です。私が会長をしている千葉盲ろう者友の会は、盲ろう者の社会参加と自立を目指すことを目的として、2004年11月7日(日)に正式設立しました。

 盲ろう者とは、私と同じ視覚と聴覚の両方に障害を併せ持つ人です。盲ろう者は、弱視や難聴など比較的障害の軽い人から、全盲でまったく聞こえない人まで、障害の程度は異なりますが、大きく分けると4つのタイプがあります。

(1)全盲ろう・・・まったく見えなくて、まったく聞こえない人。

(2)全盲難聴・・・まったく見えないが、少しは聞こえる人。

(3)弱視ろう・・・少しは見えるが、まったく聞こえない人。

(4)弱視難聴・・・少しは見えて、少しは聞こえる人。

 みなさんは、盲ろう者のコミュニケーションってどんな方法があるか知っていますか?盲ろう者は一人一人障害の状況が違うので、コミュニケーション方法が違います。コミュニケーション手段は主なものに、手書き文字、指文字、手話、触手話、接近手話、点字、指点字、音声、筆談などがあります。

 点字は、ブリスタという点字タイプライタを用いた方法があります。細長い紙がブリスタの点字タイプから出てきます。機械の左側から紙が出てくるので、盲ろう者はその紙に打たれた点字を読みます。

 打ち手(通訳者)は聞いたものを全て打つのが基本ですが、受け取る方に合わせることも必要になります。また、聞こえていなくても伝えなくてはいけない情報もあります。例えば、遅れて誰かが来た、とか、誰が手を挙げているとか、です。これは他のコミュニケーションでも伝えなくてはいけない情報でもあります。

 盲ろう者とはどんな人たちなのか、どんな障害を持つ人たちなのかなど、一銀的にはあまりよく知らない人が多いと思います。盲ろう者は、通訳者やガイドヘルパーなどの介助者なしで一人で外出することができません。またコミュニケーションをとるのが難しく、社会参加が難しいのが現状です。盲ろう者は外出の機会が少なく、家に閉じこもりがちな生活を余儀なくされている方も少なくありません。

 同じ障害がある人の自立生活を支援するために、友の会を作ろうとした盲ろう者がいました。しかし、2年前に交通事故に遭い、帰らぬ人となってしまいました。会をまとめる人がいなくなってしまったので、私に会長をやってほしいと云われ、今年の4月に会長を引き受けることになりました。準備会のままでは県からの支援を受けることができないので、また、盲ろう者向け通訳介助者養成講座が今年度から始まるということで、早急に友の会を設立する必要がありました。

 設立総会の当日、朝一番に理容室に行き、頭の髪を整えてもらいました。

気合を入れていざ出発。電車を乗り継いで、約1時間で会場となる点字図書館に到着しました。午前10時から設立総会の準備をして、そして、しっかりとお昼を食べて、午後1時からの設立総会に臨みました。

 来賓の方々、会員の方々をはじめ、一般の参加者も多く来ていただきました。参加者は総勢40名以上と聞いています。また朝日新聞の取材もありました。朝からあわただしくバタバタしている中を、皆さんの協力を得て議事進行がスムーズに行われ、千葉盲ろう者友の会を設立することが出来ました。

 千葉盲ろう者友の会を設立したと言っても、盲ろう者は情報が入らないため、友の会が出来たことを知らない盲ろう者が多くいます。健常者の人にもこういった友の会が出来たということを知ってもらい、盲ろう者が社会に出て自由に活動できるように、これから通訳介助者を少しでも増やしていきたいと思います。


[前ページ]-[目次]-[次ページ]