●なぜ千葉がJRPS発祥の地なの?
JRPS設立にあたって、千葉大学医学部眼科の網膜色素変性症の権威である安達惠美子教授(今年4月から名誉教授)と千葉ライオンズクラブ(LC)が大きな役割を果たしたからです。
千葉LCの椎名益男先生(内科医)が安達先生に「眼疾患の中で治療法研究から取り残されている病気はありますか」と質問された際に、安達先生は「それは網膜色素変性症ですよ」と答えられました。このことを受けて、千葉LCはその創立30周年記念アクティビティとして、300万円を安達先生に寄付され、この基金によってJRPSが設立されました(その時の千葉LCの会長が岡野正義さんです)。
設立以来今日まで、安達先生は学術理事として、千葉LCからは椎名先生と岡野さんが支援理事として、JRPSの運営に携わってくださっています。さらにその後、千葉LCから千葉次郎先生(眼科医)と北原宏先生(2002年レティナ・インターナショナル国際会議実行委員長)が理事に加わっておられます。本部事務局は、安達先生が定年退官された今年の3月末日まで、安達先生の研究室内に置かれていました。
●なぜライオンズクラブがJRPSをサポートするの?
三重苦を克服して活躍されたことで有名なヘレン・ケラー女史が「ライオンズよ、暗闇と戦う盲人の騎士たれ」と唱え、その後「アイ・ファースト」がライオンズクラブの活動の大きな柱の一つとなっています。ライオンズクラブによるJRPSのサポートは千葉LCにとどまらず拡大を続け、今では千葉県全体のLCからなるライオンズクラブ国際協会333−C地区がサポートしてくださっています。また、各地の支部設立にあたっては千葉LCから各地のLCにサポートを呼びかけていただいています。このライオンズクラブのサポート拡大の推進者が岡野さん、椎名先生、それと柏なのはなLCの植村力子さんです。実は、私たちの支部だよりの発送作業も岡野さんの事務所を使わせていただいています。
●世界的な組織があるの?
スイスのチューリッヒに本部を置くレティナ・インターナショナルという国際組織があり、クリスティーナ・ファッサー女史が会長です。四十数カ国が加盟しています。JRPSはレティナ・インターナショナルの日本支部です。
●世界ではどこにいちばん最初にできたの?
アメリカに1971年に設立されたのが最初です。次のようなエピソードがあります。
三十数年前アメリカの当時27才だったお父さんが、自分の子供が網膜色素変性症であることを知りました。彼はアメリカ中の名医を訪ね歩き、最後にボルチモアにいるその道の権威のところへ行きました。この先生も網膜色素変性症は治せないと言いました。お父さんは「ドクター、いくらあったら僕の子供の目を治せますか?」と尋ねました。先生は「そうだな、100万ドルくらいかな」と答えました。お父さんは仲間を集め、治療法研究の資金集めの募金キャンペーンをしました。半年後、お父さんは例の先生に100万ドルを持っていき、「これで子供の目を治してください」と言って手渡しました。この100万ドルが基金となり、アメリカ失明予防協会が設立されたのです。この協会は今では13ヶ所の研究所を持ち、着々と成果を上げています。