■第1回代議員会・全国大会報告
代議員会には釜本会長はじめ本部理事、全国の代議員38名が集まり、2003年度
事業報告・決算報告、理事の選任、2004年度事業計画・予算案が承認されまし
た。本年度事業の特筆点の一つがロービジョン奨励金制度です。ロービジョン事業、
研究などに対して、総額100万円の予算で奨励制度を試験的に開始しようというも
のです。RP誌上で公募することになり、千葉県支部においても、応募に向けて具体
的な検討を進める必要があると思います。また、国際化にむけて、オランダで開催さ
れる世界会議への参加とアジア諸国との連携の模索というのも本部の課題の一つで
す。
全国大会では「歩行ガイドロボットの実用化プラン:山梨大名誉教授 森英雄氏」お
よび「超高感度カメラの開発と応用:NHK技研 撮影デバイス部長 谷岡健吉氏」
の2件の講演と「JRPS10周年への道:千葉大名誉教授 安達惠美子氏」という
演題で医療講演が行われました。安達先生の10周年の歩みを聞き、JRPSの立上
げ、国際組織への仲間入り、障害等級判定基準へ視野狭窄の織込み等々、先人のご苦
労に敬意を表する限りです。
同時に、福祉機器展示、車椅子ロボット展示、超高感度カメラ体験会等も開催されま
した。NHK技研が開発した超高感度カメラについては、幸運にも体験する機会を得
ることができました。これは本来、医療用のものではありませんが、夜間でも昼間と
同等の画像が得られることから、福祉機器への活用を検討しているものです。今回の
デモンストレーションでは、カメラとモニター両方を他人に持ってもらい、暗室内を
歩くものでした。何も見えない室内ですが、モニターには鮮明な明るい画像が映って
いました。実用化するには小型化が必須であり、超軽量の眼鏡型モニターのようなも
のが開発されれば、我々の夢の一つは叶えられる筈です。
JRPSは、患者・医学・支援三位一体となった、他に類例を見ない組織ですが、こ
れからの10年は、特に医学グループの成果に期待するところが非常に大きくなると
思われます。そのためにも、我々は従来型の研究費助成のみに留まらず、医学グルー
プへの働きかけ、新たな連携を、もっともっと考える必要があると思います。