あぁるぴぃ千葉県支部だより32号


■投稿■

☆風の音 花の香 陽の光(かぜのおと はなのか ひのひかり)J
 千葉在住の会員KHさんの俳句集『谺』(こだま:H14.3月上梓)の中から、 毎回季節に合わせて3句位づつご紹介しています。
 今号もKHさんの十七文字の世界を皆様とご一緒に旅して行くのは、SI(千葉市 在住、夫MIがRP)です。どうぞよろしく!

*露座仏の掌におく烏瓜(ろざぶつの てのひらにおく からすうり)
 注;露座仏(ロザブツ);屋根の無い所に座っている仏像
*大見出し拾ひ讀みする雁の夜(おおみだし ひろいよみする かりのよる)
 注;雁(カリ);がん/カモ目(モク)の大形の水鳥の総称
*雲一朶山の秋思の吐息かも(くもいちだ やまのしゅうしの といきかも)
 注:一朶(イチダ):花のひと枝・雲などのひとかたまり
   秋思(シュウシ):秋のもの思い

 第1句:露座仏の頭上に広がる澄んだ青空。掌(タナゴコロ)には、真っ赤な烏瓜。豊かな 実りの秋の光景が目に浮かぶようです。
 第2句:この句は夫が選びました。『まるで自分のことを詠まれているようだ』との由。か くいう私もキチンと読むのは、小説と家庭欄、テレビ欄くらいのもので、後はナナメ 読みですが・・・。
 第3句:大空高くすっくりと聳え立つ山。その山がふうっとついた秋のため息。そんな形の 雲のひと切れ。何とも素敵な詩情溢れる一句ですね。私の大好きな八木重吉のこんな 詩を思い出しました。
  『くものある日  くもは かなしい
      くもの ない日  そらは さびしい』

 それでは皆様次回までごきげんよう。この欄へのお便りをKHさん共々お待ちして います。(SI)


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