あぁるぴぃ千葉県支部だより36号


■盲導犬特集■

★千葉県支部会員の皆様へ

支部長 小出 佳子
 この度、JRPS発足からご支援をいただいている千葉幕張メッセライオンズクラ ブ様より、下記のとおりたいへんありがたい盲導犬寄贈のお話をいただきました。
 視覚障害が進むと単独歩行が難しくなり、外出が億劫になりがちです。それでも外 出をあきらめないでください。家族と共に歩くことも一案ですが、白い杖で歩行する 方法、ガイドヘルパーさんの支援を受ける方法、また盲導犬と共に歩くことの3種類 で自分にあった方法で外出もまだまだ可能です。
 どれを選択するのも勇気のいることとは思いますが、この機会に思い切って申し込 んでみませんか? 様々なご心配や疑問も湧いてくると思います。なんなりとお尋ね ください。それでは、ご応募お待ちします。


★盲導犬の寄贈

千葉幕張メッセライオンズクラブ会長 田畑 稔
 千葉幕張メッセライオンズクラブは、平成19年に15周年を迎えます。
 記念事業のメインとして、千葉県内のユーザー(初めての方でも大丈夫です)の方 に、盲導犬の寄贈を平成18年秋から予定しております。ご希望の方は、平成17年 12月までにJRPS千葉県支部長、小出さんまでご連絡下さい。
 詳しくは千葉幕張メッセライオンズクラブ会長・田畑、盲導犬ACT実行委員長・ 飯島まで。
住所 〒263−0041 千葉市稲毛区黒砂台1−2−10 タバタハイツ101
電話 043−248−8856
協力 財団法人 日本盲導犬協会 担当 若月さん
電話 045−590−1595


★日本盲導犬協会の訪問

千葉市 太田 浩二
 千葉幕張メッセライオンズクラブは平成19年度の事業として、JRPSちば会員 の希望者1名に盲導犬を寄贈してくださいます。その準備活動の一環として、5月2 5日(水)に日本盲導犬協会神奈川訓練センターを訪問しました。以下はその報告で す。
 すでに盲導犬を持っておられる方からご意見やご感想、アドバイスなどをいただけ るとありがたいです。

 JR千葉駅に千葉幕張メッセライオンズクラブの田畑会長と飯島盲導犬ACT実行 委員長、JRPSの小出佳子支部長、佐々木貞子、佐藤久美、広瀬富美子、太田浩二 の7人が集合、午後1時に出発して、約2時間で横浜市港北区の日本盲導犬協会神奈 川訓練センターに到着。
 訓練センターの若月功一主任、須貝守男、ますの訓練員、たいら訓練員の4人から 説明を受ける。須貝さんはRP患者で元JRPS会員、盲導犬使用者で日本盲導犬協 会の職員。

1.盲導犬についての説明  盲導犬の仕事は、道路の左端を歩く、曲り角を知らせる、段差を教える、障害物を 避ける、の四つで、行き先を告げると連れて行ってくれる超能力犬では決してありま せん。白杖では触覚を利用して歩行するが、盲導犬は犬の視覚を利用して歩く。

2.盲導犬についての質疑応答
Q:盲導犬は間違った誘導をしないか。
A:盲導犬も間違うことはある。また、犬が間違っていなくても、人が勘違いや思い 込みで犬の判断に反する行動をしてしまう場合がある。
Q:盲導犬がいれば白杖を持たないでよいのか。
A:白杖は持っていたほうがよいと思う。常時使うのではなく、初めての場所などで は白杖を使って状況を判断する。例えば、電車のドアとホームの間隔は犬には教えら れない。
Q:視機能が残っていると、盲導犬との信頼関係を築くうえで邪魔になると聞いてい るが?
A:信頼関係は見える、見えないに関係ない。残っている視機能と犬の能力の組み合 わせでより安全になればそれでよい。「犬に命を預ける」のではなく、人と犬の共同 作業である。犬が人の安全を守るだけでなく、人が犬の生活や安全を守る必要があ る。以上の考え方で、日本盲導犬協会では弱視の人にも盲導犬を渡すことにしてい る。身体障害者手帳を持っていない人でも、犬を持ちたいという人に持ってもらいた いと思っている。
Q:盲導犬を持つメリットに比べて、犬の世話や周りへの気遣いなどのデメリットの 方が大きいのでは?
A:(RPの須貝さん:視機能は少し残っているが、夜はまったく見えない)白杖歩 行に比べて、はるかに速く歩ける。特に夜は安全に速く歩ける。犬の食事、トイレの 世話、ブラッシング、周りへの気遣いなどたいへんなことも確かに多い。しかし、道 に迷ったりしてほんとうに困ったときに、犬がいてくれると心丈夫です。先ほども 言ったように、人と犬の持ちつ持たれつの関係を実感できるようになれば、犬を持っ てよかったと思うようになる。私自身も犬を持って3ヶ月くらいのときに犬を返そう かと真剣に悩んだ時期があった。そこであきらめていたら、今の盲導犬を使ったハッ ピーな生活はなかったのです。
Q:なぜ左側通行なのか?
A:諸説あるが、昔からそうしているから続けている、というのが正直な答えでしょ う。ただ、右利きの人にとっては左側にハーネスを持って、右手を空けておくあるい は白杖を持つ方が自然でしょう。
Q:海外に行く上での問題点は?
A:狂犬病の予防注射や個体識別用のマイクロチップを体内に入れるなど、通常の犬 について必要なことをすれば、通常の犬よりも簡単に連れて行けます。 注:27日の全国大会の前夜祭で米国在住の盲導犬使用者は、最近規則が変わって日 本国内に盲導犬を連れてくるには、犬にとってとてもつらい処置をしなければならな くなった、と言っていました。どのようなことかまでは聞けませんでした。何かご存 知の方はお知らせください。
Q:外出さらには宿泊するときにすることを教えてください。
A:まず、前日にブラッシング、タオルを絞って拭いてやる、敷物や服を持ってい く、遅くなるときは食事・食器・水を持っていく、帰ってきたら足を拭いてやる、 ハーネスをはずす、などです。宿泊の場合は、抜け毛を掃除する粘着性のシート、タ オル、排便用のビニル袋、などが加わります。
Q:盲導犬になれる割合は?
A:日本盲導犬協会では3割くらい。アイメイト協会は8割くらい。この大きな違い は、端的に言えば訓練法の違いからくるものです。日本盲導犬協会では誉めて教える 方針。アイメイト協会では叱って教える方針。従って、前者では使用者に「誉めて やってください」と言い、後者では「叱ってください」と言って犬を渡すことになり ます。
Q:実際に盲導犬の使用者になるときの共同訓練について教えてください。
A:4週間の共同訓練をします。前半の2週間は訓練センターに宿泊して一緒に生活し、 後半の2週間は自宅に訓練員が出張して、普段の生活環境に合わせた訓練をします。 追加の訓練は必要に応じて実施します。
Q:私は盲導犬の不適格犬を飼っているのですが、可愛いけれどやんちゃ坊主です。 盲導犬はおとなしいのですか?
A:ハーネスをつけているときは仕事中ですから、誘導をしっかりしてくれますが、 ハーネスをはずすと普通の犬に戻ります。家族が散歩に連れて行くと、いちばん最初 にお話した誘導の四つの基本なんかまったくしないと言っています。

3.盲導犬との歩行体験
 JRPSの5人全員がまだ訓練中の盲導犬にハーネスを付けて訓練員とセンターの 周囲を歩く体験をした。私の印象は「結構浮気をしおるわい」です。食事の時間が近 づいていたので、訓練員の指示と違う食事場所の方に行こうとする、歩行速度にムラ がある、散歩している犬に出会うと近づいていくなど。私はかえって親しみを感じま した。

4.宿泊室などの施設見学
 施設は全体としてまだ新しく、明るく清潔な印象。宿泊室は普通のビジネスホテル の部屋より少し広いくらい。大きな犬用のケージがある以外は、引き出し付きのベッ ド、ユニットバス、冷蔵庫、洋服タンスなど普通の部屋と同じ。犬のトイレは人工芝 を敷いたベランダを使う。食事もついて共同訓練中の宿泊費は無料とのこと。


目次へ戻る次のページへ

All Rights Reserved Copyright (C) JRPS-Chiba-2003