あぁるぴぃJRPSちば会報105号
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★石垣さん弔問のご報告
船橋市 中込 孝一
11月6日(日)、武蔵野線南流山駅に8人の役員プラスガイド1名が12時14分に集合し、昼食後、3台のタクシーに分乗し、閑静な住宅街の一画にある石垣宅を訪ね、弔問してきました。
1階和室の一隅に仮設の祭壇があり、その中央に、石垣さんの遺影が飾られていました。
遺影は、寅さんのような茶系のブレザーに同系色の中折れ帽をちょい上に上げて被り、はにかんだような笑顔で、ダンデイそのもの。今にも「イョ、先にあばよ」と言っているよう。
奥さんからさまざまな話を伺う。好きなことをやってきた人だからと戒名を教えてくれた。
「素風勝道信士」だそうだ。素のまま風のままに気楽にやりたいことをやって生きてきたからだそうだ。胃がんと食道がんをやったころから、癌が全身に転移していたらしい。死の数ヶ月前から余命宣告を医者から受け、覚悟していたらしく、本人も延命治療を断り、痰がつまり苦しんでいたときも、「死ぬのも楽じゃないな」と、奥さんにもらしていたという。
弔問者がそれぞれ線香を手向けて、生前世話になったお礼を述べて、帰路に着いた。私はもう一度一緒にお酒を飲みたかったと、無念の気持ちを伝えた。
納骨は12月中旬で、八柱霊園に遺骨を納めるとのこと。
★弔問参加者から
○細川 嘉之
昨日、ご一緒に弔問された皆さまお世話になりました。
中込さま、江澤さま、中野さま、事前の準備やお買い物など、お世話になりまことにありがとうございました。お線香をあげることができ、少しは落ち着いた感じがあります。
参加者の中では、会員になったのは一番若いはずです。石垣さんとは入会以来、支部旅行、個人的な伊豆への観光旅行、会合の後の一杯、カラオケ交流会での思い出などたくさんあり、本当にお世話になりました。
ここにご冥福をお祈りし、筆を置きます。
○江澤 正広
私も、ご焼香できたことで気持ちが楽になりました。
もう一度、石垣さんと飲みたい思いから、仏壇に日本酒をお供えしました。
ただただ、ご冥福をお祈りするばかりです。
○石川 隆
先日はご一緒に弔問された皆さまお世話になりました。
お線香をあげた後だったか、前だったか、忘れましたが、参加者の中で会員になったのは、一番古いのは石川さんじゃないの? という話が出ました。私は「広瀬さんが一番古いのでは」と言いましたが、帰りの電車の中で、私が一番(実は2番)古いということが判明しました。
石垣さんには、会員になった当初から、私を見つけては声をかけていただいたり、優しくしていただいたりと、たいへんお世話になりました。ありがとうございました。
心からご冥福をお祈りいたします。
○山崎 秀明
石垣さんに最後にお会いしたのは、今年の6月12日の日曜日でした。ずっとお借りしていたプレストークを早くお返ししなければと思いつつ、元気なときにお持ちしたいと思っていましたので、今回、ちょうどパソコンの設定で、2年ぶりに石垣さん宅に伺いました。少し声に元気がなかったのですが、入院明けだからかなあ? と、また元気になって一緒に行事へ参加できると、そのときは思っていました。
パソコンがXPだったので、「Windows 7かWindows 10 に替えてからまた呼んでください」と。
石垣さんが美味しいお蕎麦屋さんがあるので、行こうということになり、いつものように徒歩で行くのかなと思っていましたが、いきなりタクシーを呼び、すぐにお蕎麦屋さんに到着し、ビールと天婦羅やおつまみを食べて、自分だけお蕎麦を食べて、石垣さんが「会計をこれで払っておいて」と。支払後、割り勘にしておつりを渡して帰路に着きましたが、今までの調子と全然違う・・・今思うと、あのとき、本人はもうわかっていたかもと感じました。その後、たった4カ月で・・・信じられないです。
有志の弔問で、4カ月前に返却したプレストークを形見分けで頂きました。今、自宅には二台の形見分けプレストーク(伊藤さんと石垣さん)があります。
★石垣さん、ありがとうございました! でも、寂しい!!
市原市 広瀬 富美子
石垣さんに最初にお会いしたのは、今から14年前、小出 佳子さんに、「JRPSの集まりがあるから」と誘っていただいた場は、なんと「JRPSちばの役員会」でした。緊張していた私に、優しく声をかけてくださった方が石垣さんでした。故岩宮さんから本部会報誌をいただき、太田さんの司会で会議が始まりました。ただただ「すごい会!」というのが第一印象でした。
それから2年が過ぎた頃、石垣さんとお話する機会があり「私は、JRPSに入会する前は、主人と子供を送り出してから、いつまで見えているのだろう? と不安に襲われ、また、だれにも相談できずに、毎日、一人泣いていました。そして、見えなくなったら自殺したほうがいいのかなと考える日々でした」と話したら、「俺は、網膜色素変性症と告げられた日、車にガソリンの入ったポリタンクを積んで走っていたよ。気がついたら河川敷でね。一晩過ごして夜が白々明けて・・・」と衝撃の告白が返ってきました。JRPSの役員さんは、皆さん前向きで明るく、精神的に強い方ばかりと思っていましたが、石垣さんとお話してとても近親感を抱きました。
「石垣さん、自殺しないで良かったね!」
あれから、自慢の息子さんは、とても美人のお嫁さんをもらい、かわいいお孫さんもできて。また、娘さんは、立派な男性に嫁ぎ、こちらもかわいいお孫さんができて。何より、お嫁さん、お婿さん、お孫さんをご自分の目で見られたんだもの・・・ 良かったね!
いつも「見て! 見て!」と、お孫さん、お嫁さんの写った携帯を差し出して・・・幸せのおすそわけをしていただきましたね。
網膜色素変性症という病にかかり、つらい思いを味わったからこそ、他人に優しい気配りができ「JRPSちばの大番頭」と呼ばれていたのですね。毎年、一泊旅行を計画してくださり、目が悪くても楽しい旅行をさせていただき、ほんとうに感謝しています。
また、私が役員になりたてで頑張りすぎたことから「僕の障害者手帳で交通費を半額にしようと行事に誘う」とか「ガイドしてもらうこと自体がストレスなのよ」とバッシングされたときも、温かく包んでいただきありがとうございました。おかげで少し大人になれ、何とか頑張ってやっています。
本部会報誌発送作業の最後のお手伝いに来られたとき、大森駅から本部まで、途中5回ほど「ちょっと休ませて!」と休憩しながらご一緒しましたね。あのとき、石垣さんはご自分の病気をわかっていたの? ほんとうはすごく苦しかったのでは? 最後は、だれにも病気を告げず天国に旅立って行って・・・最初(腎臓病)のお見舞いに行ったときと同じように、JRPSちばの美女軍団でお見舞いに行ったのに! 塩分には気をつけていたのに、たばこは止められなかったのね。
11月6日(日)、石垣さんの遺影の写真と面会し、奥さまから戒名をお聞きしました。
どちらも石垣さんらしいと思いました。でも、とっても寂しいです。そして、「JRPSちばの一時代が過ぎ去った!」と感慨にふけっています。
石垣さん、ほんとうにお世話になりました。ありがとうございました。
★こころの豆知識
船橋市 垣田 悦子
皆さま、お元気ですか? 1年経つのは早いもので、もう風邪の季節がやってきました。風邪を引き難くするためにも、普段から免疫を高める食事を摂り、ウイルスに負けない身体を作りましょう。ということで、今回は目にも良くウイルス対策にもなる1品を紹介します。
《サケの塩こうじ和え》(4人分)
<材料>
サケ・・・・・・・・・・・1さく
きゅうり・・・・・・・・・2本
こねぎ・・・・・・・・・・5〜6本
塩こうじ・・・・・・・・・大さじ1
しょうゆ・・・・・・・・・小さじ1/3
乾燥わかめ・・・・・・・・適量
<作り方>
@ サケは食べやすいように、5mm幅で斜めにそぎ切りにする。刺身用に切ってある場合は縦半分に切る。
A きゅうりは、へたを落とし縦4等分にし、さらにそれを十字切りにする。
B 小ねぎは、2〜3mm幅の輪切りにする。
C 乾燥わかめは、水で戻し水切りし、軽く絞る。
D 器に@〜Cを入れ、塩こうじとしょうゆを入れ混ぜ合わせる。
とても簡単で美味しいですよ。塩こうじはどんな料理にも使え便利です。好みに合わせ具材を変えたり、こうじの量を変えたりしてチャレンジしてみて下さい。
<効能>
今回は、きゅうりにスポットをあててみました。きゅうりの約95%は水分ですが、カリウム、ビタミンC、Eを多く含みます。特にカリウムが多く、利尿作用により、むくみを解消してくれ、風邪や高血圧予防、美肌効果も期待できます。また、わかめのような海藻を一緒に摂ることにより、海藻に含まれるアルギン酸という食物繊維が、きゅうりのカリウムと一体になり、カリウムとナトリウムのバランスを調整してくれます。ちなみに、きゅうりをぬか漬けにすることにより、ビタミンB1が約9倍、カリウムとビタミンKが約3倍、ビタミンCが約1.5倍にアップします。ぬか漬けは好きだけど塩分が気になる人は一緒に海藻を摂るようにしましょう。海藻の中のアルギン酸が余分なナトリウムを体外に排出してくれます。また、サケのアスタキサンチンは抗酸化作用が高いため
・網膜内に入り込み、眼精疲労を回復する作用がある。
・紫外線で発生した活性酸素から、目の神経細胞を保護する。
・筋肉細胞を保護、修復し回復を早める。
・老化やがん、動脈硬化を防ぐ効果がある。
・コレステロールを排出し、血圧を安定させる効果がある。
など、さまざまな効果があります。
また、麹やみそ、キムチ、ヨーグルトなどの発酵食品は免疫力を高めますので、どんどん食事に摂りいれましょう。
(まとめ)
風邪の原因の9割がウイルスです。ウイルスは低温、乾燥を好むのが多いので、部屋の温度は20〜25℃、湿度は40〜50%を保ちましょう。また換気のために時々窓を開け空気を入れ替えてください。ちなみにインフルエンザもウイルスが原因です。風邪に比べて症状が重く、流行性が高いため、風邪とは別格に扱われています。風邪かなと思い病院へ行った際は、自分からインフルエンザの検査を申し出て下さい。インフルエンザは発症して2〜3日ならタミフルなどの薬が効きますが、それを過ぎると効き目が無くなり、症状が重くなりやすく長引くことになります。
風邪は万病のもとと言われます。身体を動かすと、それだけ体内のウイルスが増殖するので、風邪かなと思ったらビタミンCをたくさん摂り、温かくして安静にし、できるだけ体力を消耗しないように心掛けましょう。また、予防のために、外出時にはマスクをして喉と鼻を守り、帰宅後は手洗い、うがい(口と鼻)を必ず行いましょう。ウイルスは喉の奥まで侵入するので、しっかり上を向きガラガラと15秒程うがいをしてください。きちんとうがいをすることにより、風邪の発症率が40%も抑えられるそうです。これは、やるしかないですね!!
では、次回もお楽しみに!
★市原市福祉会館主催の歩行訓練で鉄道施設を体験
市原市 広瀬 富美子
市原市の福祉会館では、「視覚障害者総合支援センターちば」の歩行訓練士N先生を講師でお招きして、歩行訓練とガイドの方法について、毎年、訓練事業を行ってくれています。
担当職員さんから「今年はどこがいいかしら?」と尋ねられたとき、JRPSちばMLに流れた中野さまのメールにあった、「千葉盲学校の生徒さんが、駅のホームを体験された」という記事を思いだし、その記事を印刷して提案しました。
企画が決まった後、東京メトロの事故があり、また、10月17日には、近鉄大阪線の転落事故もあり、10月19日(水)の歩行訓練当日は、報道関係7社が取材に来るという訓練事業になりました。
まず、体験して感じたことは、「百聞は一見にしかず」でした。
最初にホームの上で、点字ブロックのお話(新しい点字ブロックは、内側に棒状のものが付いている)。点字ブロックからホームの端までの幅は約60センチ。ただし、地下鉄などの駅は、構造上60センチの幅がないところが多いそうです。ホームの端に行き、線路までの深さを確認。私の白杖(長さは1,2メートル)では届きませんでした。全員で、柱に設置された非常停止ボタンを押して、音の違い、ボタンの感触、赤信号の点滅などを体験し、ホーム下に移動。
センターの職員さんは、事前に、市原市のJR3駅(八幡宿、五井、姉崎)、私鉄1駅のホームの構造や、踏切についても調べてくれていました。ちなみに、私が利用している五井駅ホーム下は、全く避難スペースがないそうで、避難時間がない場合は、「隣の線路との真ん中(枕木から1メートルくらい)に、動かずにじっと寝ていると助かる可能性があるかな?」とのことでした。ホーム下に逃げた実験をしましたが、電車の形をしたフレームとの隙間は狭く、アウトでした。全く見えない人たちも、実際に手で隙間を確認、「こりゃ、だめだ!」と納得。五井駅ホーム下は、避難スペースはないが、半分の高さの位置に5センチ幅の安全ステップがあるそうで、ホーム上に引き上げてもらう場合は、ステップを利用すると楽に引き上げてもらえそうでした。でも、1人では、ステップを利用しても上がれませんでした。試しに上ろうとした視覚障害者は、逆に、線路側にひっくり返ってしまい、センターの方から「ここで怪我をされると困りますので、無理をしないでください」と。
今度は、線路の真ん中に寝てじっとしていたら助かるのではと、会員の小柄で細いAさんが体験。かろうじて電車は通過しましたが、センターの職員さんは、まずヘルメットが当たりアウト。ならばと、ヘルメットをはずして再度挑戦するも、胸やお腹が引っ掛かりアウトでした。
線路上の感知マット上に、全員がガイドさんと一緒に登って体験。残念ながら、市原市3駅には感知マット、新しい点字ブロックもなし。ホームを歩くときは、ホーム内側か、線路側なのか、あわてないでよく確認することが大切だと思いました。また、周りの人に尋ねる勇気も。少し見えている人は、思い込みで行動してしまうことが多いので、特に注意が必要だと感じました。
五井駅には、私鉄の小湊鉄道が乗り入れていますが、ここのホームについても、センターの方が事前に調査され、点字ブロックもないことがわかりました。10月23日(日)の「健常者と障害者の交流ハイキング」で小湊鉄道に乗車したときは、電車とホームの段差も30センチもあり、ガイドしてくれた主人もびっくり。多分、地方には、このような駅もたくさんあると思いますので、気をつけなければと思いました。
今度は、少し離れた場所にある踏切に移動。踏切も、線路に靴が挟まらないようにゴムがはまっていたり、踏切線から落ちないように、電車の通過の妨げにならない場所では、端が5センチほど高くなっていました。全盲の方には、踏切をまっすぐ歩けるように、エスコートラインをつけてもらう必要を感じました。この件については、「市から最寄りの駅に申し出てほしい」とのことでした。車を運転されるガイドさんやヘルパーさんも、車が踏切内に閉じ込められたときの脱出方法や、非常ボタンの位置の確認は、とてもためになったとおっしゃっていました。踏切の非常停止ボタンも全員が押して体験。ホームで体験した非常停止ボタンと同じ形でしたが、踏切のほうが固く、少し力を入れる必要がありました。
センターからの忠告は、ホーム下がどうなっているのかと顔を出しての確認はやめてほしい。また、物を線路内に落としたときは、絶対に降りて拾わず、駅員に連絡してほしいとおっしゃっていました。職員さんが、挟む仕掛けのついた5メートルほどの棒で、線路上に落とした白杖を難なく拾ってくれました。「ただし、一円玉はあきらめてください」との説明に、一同大笑いという一幕もあり、とても有意義な歩行訓練になりました。
ホームドアの設置や、声かけを要望する声がありますが、視覚障害者自身が訓練に参加し、ホームから転落しないための学習をする必要もあると思いました。
ホームドアの設置には、莫大なお金と時間がかかります。まずは、皆さまのお住まいの市町村、または、視覚障害者団体でこの施設を訪問され、ホームから落ちないことが一番大切だということを学んでいただけたらと投稿しました。ちなみに、センターでの講習は無料だそうです。
体験させていただいた施設は、成田市新泉にある鉄建建設株式会社(本社 千代田区)建設技術総合センターです。このセンターには、駅のホームや線路、踏切など、実物と同じ鉄道施設が整備され、実際に触って確認できます。センターの方には、事前の調査(市原市のJR3駅、私鉄1駅)までしていただき、2時間にわたってユーモアを交えた丁寧な説明に、本当に感謝です。帰りのバス内では「来年も来たいね」との声も。
歩行訓練士のN先生、ボランティアで応募してくださったガイドさん、福祉会館の職員さん、市原市役所の職員さんにも大変お世話になり、ありがとうございました。
中野さま、情報ありがとうございました。おかげで、良い体験になりました。
−編集後記に代えて−
10月18日、また一人RP戦士が逝った。天は、私たちから何人RP戦士を奪うつもりなのか。
JRPS千葉県支部草創期から今日まで、長期にわたり役員を努められ、活動されてきた石垣 勝儀氏が、治療法の確立を見ぬまま他界された。享年74歳。
生前、氏は、様々な支部行事の企画立案実行に携わり、支部の発展に大きく貢献されました。特に、恒例の一泊交流会では、視覚障害者の宿泊故に、必ず下見して、旅館に対しバリアフリーの細々とした注文をつけ、会員が安全に安心して参加できるよう心配りを欠かさなかった。一見こわもて風だが、思いやりのある神経細やかな人柄でした。今でも、口の端にはにかんだような笑顔を浮べ、「イヨッ」と呼びかけてくる姿が脳裏に焼きついて離れない。
石垣氏のご冥福をお祈りするとともに、先に逝った仲間と、酒でも酌み交わしながら、パンドラの箱に閉じ込められた「治療法の確立」という希望を、再び箱の蓋を開けて、この世に届けてほしいと願う。
「ガッキー、さようならそしてありがとう」
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