あぁるぴぃJRPSちば会報137号
■ 投稿
★リレーエッセイ(6)
JRPSちば役員 N・S
今回は、いつもJRPSちばの下支えをしてくださっている支援会員のお二人に、活動する中でRPという病気に対して、またRP患者についての思いをお話ししていただこうと思いました。
お一人はSさん(女性)、もうお一人はMさん(男性)です。質問は4つ。「書式はおまかせします。気楽にお答えくださいね。」とお願いしました。
■質問@ 最初にRP患者に出会ったときに感じたことは何ですか?
Mさん
最初にRPの方をお見受けしたのは、7年ほど前にZさんに誘われて音楽会(ダブルレインボー)を観に行ったときでした。そのときはZさんが出演するからとのお誘いでしたが、その後、視野に不自由がある方の音楽会だと説明を受けました。そのときの印象は、一般の方と変わらないという感想でした。
飲め飲め交流サロンに参加するようになり、不自由があることは理解しましたが、普通に接していただいていたので、私の方も気兼ねなく接することができました。そのため、それ以降の印象も変わっていません。
Sさん
・とても皆さま明るく前向きで、生き生きしていて晴眼者のように思いました。
・皆さまの笑顔が素敵でした。
・和気あいあいとした雰囲気の中にも、めりはりがあり私もいろいろ学べて嬉しいです。
・すんなり抵抗なく皆さまの仲間に入れました。2ヶ月に1回一緒にふれ合う中で、皆さまから力強いエネルギーをいただき、会うのが楽しみになりました。
・「私にできることは何だろうか? できることは手になり、足になりともに歩んでいきたい!」と、思ってスタートしました。
・皆さまのメモは紙でなく、頭の中でされるので素晴らしいと、いつも感心しています。
・皆さまの、パソコンを利用しての意見交換の技にも強く感動しています。たくさん教えていただき学んでいます。
■質問A JRPSちばを支援してくださる中で困ったことはありますか?
Mさん
肩や腕をお貸しするときに、軽く手を置かれるのが少々困ります。特にカバンに手を置かれると困ります。なぜなら、カバンとかに軽く手を置かれると誘導になれていない私は、離れて迷惑かけないか気にしてしまうからです。
Sさん
・初めてお会いして誘導するときに、手を引いてしまったら表情が変わりびっくりしました。何回か関わったり、講座を受けて誘導の仕方を学べました。
・皆さま一人ひとりしっかり思いを伝え、意見交換をして、連携を深めて活動に取り組んでいるので困ったことはないですが、意見がまとまらないとき不安になります。でも最後はまとまり素晴らしいと思います。
■質問B もし自分がRPだったらなんて想像したことはありますか?
あるとすれば、どんなことを思い描きましたか?
Mさん
私は、生まれつき白内障のため、もともと目については不自由がありましたから、特に考えたことはありません。
Sさん
・思ってもいなく診断されたら「なんで!、なんで私が!」と気が滅入って沈んでしまうかもしれません。でも皆さまのことを思いだし、「くじけてはだめ!!JRPSの仲間は明るく元気にがんばっている! ともにがんばろう!」と、勇気がわいてくると思います。
■質問C 患者とともに活動する中で、思わず笑ってしまったこと、明るい気持ちになったことなどありましたら教えてください。
Mさん
飲め飲め交流サロンやBBQにお誘いいただき、いつも楽しんでいます。また、役員会などで本音でぶつかるときはありますが、JRPSちばのことを真剣に考えていればこそであり、そういう場に参加できることがうれしく、私もがんばらねばと元気をいただいています。
Sさん
・楽しく食事会をしているときに、間違えて隣の人の飲み物を飲んでしまった。過去に私もありました。
・楽しい打ち上げ会でのおしゃべりが、いつもと違い一緒に楽しむことができました。
・失敗したことに対し、くよくよせずに素直に受け止めてくださり、励みにつなげられました。
・日々の中で言葉を添えて発信し、ものを確認して行動することの大切さを学びました。
― 御礼 ―
今回はお忙しい中、アンケートにお答えいただき、本当にありがとうございました。お二人は会にとても協力的で、しかもさりげなく配慮してくださるので、つい甘えてしまうことが多いのです。でも、そんなときも嫌な顔一つせず(顔は見えませんが)、手を貸してくださいます。もし自分がガイドする立場だったら、こんなに上手にはできないだろうと思います。そんな私が言うのも何なのですが…。
どうか、これからもよろしくお願いたします(礼)
★ロービジョン川柳
担当 中野 早苗
川柳には季語がないのですが、皆さまの作品を通してときの流れを感じるようになりました。そのとき話題になったもの、事件や流行など、やはり社会と深くつながっていると感じます。たとえば50年後のロービジョン川柳はどうなっているのでしょう。
福祉機器の進歩はめざましく、あまり不自由を感じないで暮らせるようになっているのでしょうか。発想を飛ばして、未来を想像してみるのもおもしろいかもしれません。
ペンネーム (ざわざわ)
・カバン持ち 傘と白杖 三刀流
【解説】
通勤の際いつも思うことですが、視覚障害者にとって、雨の日の通勤はたいへんです。カバンと傘に白杖を持ち、雨風の中を歩くのは本当に苦労しますよね。(汗)
・IT化 増えるパスワード 減る記憶
【解説】
先日、あるパスワードを忘れてしまいたいへん困ったことがありました。視覚障害者にとっても、スマホ、PCなどは必須アイテムの時代になりました。進化するITにともない、複数のパスワードを記憶しなければならない一方、年齢とともに記憶力の方は失っていくのです。
・心まで いつも私を エスコート
【解説】
私が出勤するときのことです。毎日、職場の入り口でドアを開けて待ってくれている職員がいるのです。「はい、ドアは開いています。はい、エレベーターが来ました。はい、6階に着きました。気をつけて。」というように、私が職場の入り口に来るまで待っていて、私の行先のフロアーまで案内してくれるのです。毎朝すがすがしく、私の心は6階より上の、気持ち良い空間へとエスコートされているような気分です。
・自分との 折り合いつける 日々続く
【解説】
病状が進行してきた今、多くの悩みを抱え自分との折り合いをつけ、気持ちを整理しながらの日々を送っている。
ペンネーム (牡牛座の怪人)
・缶ビール 孫に教わる ここ点字
【解説】
幼稚園に通う孫が「おじいちゃん、目が悪いんだよね。ここに点字があるんだよ。」と教えてくれました。確かに缶ビールのフタに点字があります。最近は幼稚園でも点字のことを教えるらしいです。驚きました。
・公園で 孫抱き違い 苦笑い
【解説】
公園で4歳の孫娘をちょっと驚かそうと思って、後ろから抱き上げました。すると、背格好は同じくらいなのですが、他人のお孫さんでした。ちょっと苦笑いです。
ペンネーム (千葉のピーナッツ)
・コロナ禍で 仲間の絆 オンライン
【解説】
コロナの影響で、仲間との交流会ができなくなりました。やむなく私も思い切って、オンラインの交流会に切り替えて仲間との絆を維持できています。ただパソコンやスマホを扱わない人との交流を、どうするかが課題となっています。
・マスクでも 顔の認識 変異なし
【解説】
コロナの影響でみんなマスクをしているので、顔の認識ができなくなったと言う人が多くなりましたが、私は顔が見えないので声だけで相手の識別をしているので、コロナの前と変わることはありません。
・白杖を 忘れて慌てる 夢の中
【解説】
私はマスクをしないで外出してしまい、途中で気づくことがありますが、最近は白杖を忘れて外出し、慌てる夢をよく見るようになりました。
※投稿先 中野 早苗 Eメール:sanae403@y3.dion.ne.jp
★お役立ち情報(bQ7)
【中途視覚障害者の継続雇用支援機関のご案内】
JRPSちば役員 江澤 正広
現在、視覚に障害がありながらも就労中で今後に不安のある方、継続が困難となってきた方、休職中の方やこれから就職を考えている方、そのような方々はパソコンのスキルアップをすることでハンディを克服し、中途退職することなく定年まで勤めることができます。実際にJRPSちばの中で、支援機関で訓練を受けて仕事を継続している会員が数名います。
中途視覚障害者の継続雇用の支援を目的に活動している「認定NPO法人 タートル」が発行しているガイドブック『〜視覚障害者の「働く」を支える人々のために〜』から、許可をいただき一部抜粋しましたので、今後の参考にしていただければ幸いです。
なお、記載の情報は、冊子の作成当時のものであり、名称が変更になっている施設があります。
職業訓練(在職者訓練・求職者訓練)、自立訓練(機能訓練)と対をなすものとして、職業訓練があります。これは、新しく職に就いたり、今の職場で継続して働くためのスキルの獲得を目的としたもので、視覚に頼らないパソコンの操作が主な内容です。
例えば、マウスを使わずキーボードのショートカットキーのみでエクセルを扱ったり、スクリーンリーダーでモニターの情報を読み上げさせるといったもので、「目」の代わりにパソコンを活用するための訓練といえます。こうした訓練を積むことによって、視覚障害者は、業務の遂行に必要な「読み」や「書き」が普通にできるようになるのです。
では、そのための訓練をもう少し具体的に見てみましょう。ここでは就労継続のための在職者訓練と、これから就労をめざす求職者の訓練にわけて紹介します。
在職者訓練
在職者訓練とは、今働いている職場で、継続して仕事をするための訓練です。これまで働いてきた人は、その職場で積み重ねてきた経験があります。これは何物にも代えがたい財産です。そこで、その経験を最大限に生かせるように、その人のニーズに合ったオーダーメイドのプログラムを組めるのが特徴です。
例えばスクリーンリーダーをマスターしたいという希望者には、そのソフトの操作を集中的に訓練します。また、異動で職場環境が変わるなど、新たなスキルが必要となったときにも、こうした訓練は有効です。訓練時間は12時間〜160時間と幅がありますので、内容や本人の事情によって選択することができます。企業側は、希望者を研修扱いとして訓練施設に派遣するだけで、特に金銭的な負担はありません。
求職者訓練(就労移行支援)
こちらは、これから仕事に就こうとする人のための訓練です。まとまった時間をかけて、パソコン操作の全体的なスキルを磨いていきます。
例えば、あるプログラムでは、マウスを使わないパソコンの基本的な操作(10時間)から始めて、メールの送受信(20時間)、インターネット検索(20時間)、ワード(45時間)、エクセル(60時間)、パワーポイント(30時間)、アクセス(30時間)、と計215時間をかけて、様々な職場に対応できるよう訓練を行っています。
こうした訓練を見学された企業の人事関係の方は、視覚障害者のスキルの高さに一様に驚かれます。事実、訓練によって培ったスキルで日商のPC検定に合格する視覚障害者も少なくありません。このほかにも、海外の企業との取引に従事できるよう、日常英会話のレッスンなどもあります。
なお、こうした訓練は、日本盲人職能開発センター、日本ライトハウス、国立職業リハビリテーションセンター、視覚障害者就労生涯学習支援センター、東京都視覚障害者生活支援センターなどの支援機関で受けることができます。
以下、支援機関の参考資料です。
〈職業訓練〉
・国立職業リハビリテーションセンター
http://www.nvrcd.ac.jp/
・日本視覚障害者職能開発センター
https://www.jvdcb.jp/
〈委託訓練〉
・視覚障害者就労生涯学習支援センター
http://workstudy.sakura.ne.jp/
・NPO法人トライアングル西千葉
http://www9.plala.or.jp/triangle_nishi/
・SPAN(視覚障碍者パソコン・アシスト・ネットワーク)
http://www.span.jp/
情報提供
NPO法人タートル
http://www.turtle.gr.jp
★こころの豆知識
船橋市 垣田 悦子
皆さまお元気ですか? 毎日、暑い日が続いていますね。そうかと思えば台風の影響で涼しい日があったりと、自律神経が乱れ身体がついていきません。ということで、今回は目にもよく、熱中症対策にもなる一品を紹介します。
<塩肉じゃが> 2人分
(材料)
豚バラ肉・・・・・・・・・100g
じゃがいも・・・・・・・・2個
人参・・・・・・・・・・・1/4本
玉ねぎ・・・・・・・・・・1/2個
塩・・・・・・・・・・・・少々
鶏ガラスープの素・・・・・小さじ1
酒・・・・・・・・・・・・大さじ1
白だし・・・・・・・・・・大さじ1
水・・・・・・・・・・・・大さじ1
(作り方)
@じゃがいもは1個を6等分程度に切り水にさらした後、水気をとる。人参は5mm程度の巾でいちょう切りにし、玉ねぎは1cm巾に切る。
A豚バラは2cm幅に切る。
Bお皿に@、Aの順番に入れ塩、鶏がらスープの素、酒、白だし、水を加え軽くラップをし7分加熱する。
Cラップをはずし、ざっくりと混ぜお皿に盛る。
ラップをはずす際は熱いので、奥から手前に向けラップをはずし、くれぐれも火傷をしないように注意してください。加熱が足りないようでしたら、追加で数分加熱してください。具材が小さいほど早く仕上がりますが、じゃがいもをあまり小さくすると煮崩れしやすいです。
また玉ねぎのシャキシャキ感を残したい人は、少し大きめにカットをするなど、お好みの硬さや具材でお試しください。
(まとめ)
熱中症の予防法として
屋外では
@帽子、日傘などを活用する。
A日陰を利用して、こまめな水分補給や休息をとる。
B人とはほとんど会話をしない場合や、十分な距離が確保できる場合はマスクをはずすようにする。近距離(2m以内を目安)で会話をするときや電車、病院、高齢者に会うときなどはマスクを着用する。
室内では
@エアコンや扇風機などを利用する。
(節電といえども、自分ファーストでいきましょうね!)
A遮光カーテンやすだれ、打ち水を利用する。
めまいや頭痛など熱中症が疑われる場合には
@涼しい場所に移動する。
A首の周り、脇の下など体を冷やす。(自動販売機の冷たい飲み物などでも応用可能)
B水分、経口補水液、塩分などを補給する。(出かける時などに梅干しを1個含むだけでもいいですよ)
熱中症対策や、まだまだ続きそうなコロナ対策も併用しながら、暑い夏を乗り切っていきましょう。 次回もお楽しみに!
★みんなの広場
こんにちは、NAです。私が視覚障害者になってからよく思い出す出来事があります。まだRPの診断を受けていなく、RPだとは疑いもしていなかったころのことです。
白杖を持っている方を見かけると、必ずお声掛けしていました。きっかけは、学生のときに授業の一環で視覚障害者の誘導の仕方について学んだことです。それからは何のためらいもなくお声掛けしていましたが、今思うと本当にお役に立てていたかどうか、冷や冷やします。
社会人になってからも変わらずお声掛けしていました。あるとき帰宅ラッシュの駅のホームで、白杖を持った初老の男性にお声掛けしたときのことです。行き先をお聞きし、その方の乗り換えの改札までご一緒しました。そして別れ際に言われた言葉がとても衝撃的だったのです。「実は私は少し見えているのです」と。視覚障害者となった今では、その言葉の意味がとてもよく理解できます。白杖を持っているからといって全盲だとは限りません。ですが、そのときは知らなかったので、とても驚いて怖くなってしまったのを覚えています。お礼にといただいた名刺もとても印象的で、「日本一知り合いの多い視覚障害者」という肩書きで、お名前が書いてありました。裏には会社名と役職名があり、どこかの会社の役員をされているようでした。
今となってはもっとお話しておけばよかったと思うのですが、当時は戸惑うばかりで心の中が整理できませんでした。学生のときのあの授業で、視覚障害者の概念についてもっと詳しく教えてほしかったです。
「日本一知り合いが多い」ということでしたので、もしかするとこの会報をご覧の方でお知り合いの方がいらっしゃるかもしれません。別れ際、急ぐように立ち去ってしまい、あのときはごめんなさい。
発行人:特定非営利活動法人障害者団体定期刊行物協会
〒157−0072
東京都世田谷区祖師谷3−1−17ヴェルドゥーラ祖師谷102号室
編 集:JRPSちば編集委員
事務局
〒262−0021 千葉市花見川区花園町1536 新検見川グリーンハイツ403
副会長 中野 早苗
携帯:090−9672−7858
Eメール:sanae403@y3.dion.ne.jp
URL:http://www.jrps.org/chiba/local/index.html
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