あぁるぴぃJRPSちば会報138号


■ 投稿
★ロービジョン川柳
担当 中野 早苗
 次号12月発行の139号より、この川柳コーナーに俳句コーナーを加えたいと思います。今まで、たくさんの方々に作品を送付していただき、たいへん感謝いたしております。
 ともに笑い、ともに泣き、川柳を通して皆さまと手をつなぐことができればこんなにうれしいことはありません。さらに俳句コーナーがあれば、今まで句会などに参加されたかたにも作品をいただけると思いました。俳句は川柳と違い、季語があるため、そこが難しいと感じますが、これを機会に「歳時記」を広げてみるのも楽しいかもしれません。
 今号はまず平素より俳句に親しみ、句会にも出かけられるという「友酒」(ともき)さんに秋・冬の句を送っていただきました。また同じ作者の川柳(以前に投稿された作品)を並べ、趣の違いを味わっていただければと思いました。
 川柳と俳句。作者が同じでも味わいが違う。いかがですか?
次号掲載予定の作品は、11月10日までに投稿をお願いいたします。心よりお待ちしております。

【川柳】
・失明の おかげか妻は 若いまま
・白杖が コロナウイルスと 距離をとり
・販売機 ほしい物を 探せない
・眼科でも 眼帯よりも マスク増え
・困るのは デートするにも ガイド付き

【俳句】
・白杖に 絡み歩を停む 草紅葉(くさもみじ)
(草紅葉が秋の季語です。白杖を突きながら土手の散歩道を歩いていると、杖が絡まり足が停まりました。色づいた草紅葉が杖にからんでいました)
・爽やかや 風が背を押し 一万歩
(爽やかが秋の季語です。心地よい秋の風が背中を押し、つい歩数も伸びます)

・コスモスや 棚田に描く 抽象画
(コスモスが秋の季語です。休耕の棚田にさまざまな色のコスモスが咲き、抽象画を見るように配色の妙を詠みました)

・冬木立(ふゆこだち) 光と影が 綾なせり
(冬木立が冬の季語です。木々が葉を落とし、地面に木漏れ日が射した情景を詠いました。綾取りの模様に見えたものですから)

・冬夕焼け(ふゆゆやけ) 鐘楼のぼる 僧そまる
(冬夕焼けが冬の季語です。冬の夕日を浴びながら、若い僧が鐘を突こうと鐘楼に登る姿を詠みました。墨染めの衣もあかく染まっています)

・落ち葉掃く 主婦らの笑ひ 声響き
(落ち葉は冬の季語です。散歩していたら、団地の一斉清掃の日らしく、主婦らが笑いあって落ち葉掃きを楽しそうにしていたのを詠みました)

・雨上がり 緑零れる 花八手
(花八手が冬の季語です。雨上がりに見たやつでの葉が、青々と輝いているように見えたのに感動し詠みました)

※投稿先 中野 早苗 Eメール:sanae403@y3.dion.ne.jp



★お役立ち情報(bQ8)
【文字を読み上げてくれるiPhoneのOCRアプリ「サリバン+」】
千葉市 渡辺 友資枝
 目で文字を読むことが困難になってから、私が毎日使っているのが、iPhoneのOCRアプリです。iPhoneのOCRアプリとは、カメラが捉えた文字を音声で読み上げてくれるアプリです。OCRアプリにはいくつかありますが、今回はそのうちの一つ「サリバン+」をご紹介します。
 「サリバン+」は基本的に「メニュー」「キャプチャー」「機能」の3つのボタンからなるシンプルな構成となっていますので、視覚障害者にも使いやすいアプリです。

 使い方はとても簡単!
1 アプリを起動させる。
2 iPhoneの背面カメラを読ませたいものから40cmほど離してかざす。
3 画面下部中央(ホームボタンのすぐ上)にある「キャプチャー」ボタンをダブルタップ。
4 短い効果音が流れ、文字が読み上げられる。
 文字が逆さまになっていてもちゃんと読み上げます。ビンや缶などの球面に印刷された文字もOK。ただし、手書きの文字は苦手です。
 私は、郵便物、書類、診察券やポイントカード、食品や調味料、薬、詰め替え用の洗剤やシャンプーのパッケージなどを読み上げさせ、毎日の生活に欠かせないツールとなっています。あとで必要になる情報は「ノートを保存」という機能を使って、iPhoneに保存しておきます。
 そのほか、印刷された文字以外も読み上げます。体温計の体温表示を読ませ、お出かけ前の体温チェックにも必需品です。テレビ画面に流れるニュース速報や気象情報のテロップを読み上げさせれば、気になる情報をすぐに知ることができます。
 このアプリは文字認識のほかに、人の顔から性別や年齢を判断して教えてくれる「顔認識」、周りの状況を説明してくれる「イメージ描写」、色や明るさを教えてくれる「色認識」、「光の明るさ」といったメニューもあります。また「拡大鏡」としても使用できます。これは、「キャプチャー」ボタンの左にある「メニュー」ボタンで切り替えます。
 このアプリは、AppleStoreから無料で入手することができます。アプリの入手方法や詳しい使い方は下記の動画でわかりやすく説明されていますので、ご興味のある方は一度覗いてみてください。
 ニポラチャンネル 日本ライトハウス情報文化センター
 「第24回 iPhoneアプリ サリバン+(視覚補助アプリ)」 YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=gsjz6UnC4PY


★こころの豆知識
船橋市 垣田 悦子
 皆さま、お元気ですか? 暑さが凌ぎやすくなってきたのに、食欲がない、だるい、眠れないなど“秋バテ”していませんか? ということで今回は目にもよく秋バテ対策にもなる一品を紹介します。

     <ニラとじゃこのピザ風>   2人前
(材料)
ニラ・・・・・・・・・・1束
ちりめんじゃこ・・・・・1パック
餃子の皮・・・・・・・・10枚
マヨネーズ・・・・・・・大さじ1
しょうゆ・・・・・・・・小さじ1/2
オリーブオイル
    ぬる用・・・・・適量
    かける用・・・・小さじ1/2
ピザ用チーズ・・・・・・100g
(作り方)
@ニラを1cm巾に切る。
A直径20cm位のフライパンにオリーブオイルをぬり、餃子の皮を周りから少しずつ重なるように1周8枚を敷き、残り2枚を真ん中に敷く。
Bマヨネーズとしょうゆを混ぜ合わせ、餃子の皮に均等にぬる。
Cピザ用チーズ、ニラ、ちりめんじゃこの順番に敷きつめる。
Dその上に、オリーブオイルを回しかける。
Eフライパンに蓋をし、弱火で7分焼く。
F蓋を取り、大皿にスライドさせるように移動させる。

 餃子の皮の底にフライ返しを数か所さしこんでおくと、割と簡単にスライドしてくれます。大皿を押さえておく手にフライパンがふれると熱いので、火傷にご注意してください。チーズを餃子の皮からはみ出るように敷くと、パリパリした触感になり美味しいですよ。量や具材は、お好みでどうぞ!
<効能>
 今回は、ニラに注目してみました。ニラは目にもよいβーカロテンと、ビタミンC,Eが豊富で、美肌や老化防止、血行促進効果もあります。また、香りのもととなるアリシンには、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあり、糖の代謝を促進させ疲労回復に効果的です。ビタミンB1が豊富な豚肉と一緒に食べるといいでしょう。βーカロテンは生では吸収されにくいので、油で調理することをおすすめします。


<まとめ>
 秋バテは夏の疲れが残っていることに加え、朝夕の寒暖差などで自律神経が乱れることも要因のひとつです。秋バテ対策として
@質のよい睡眠をとる。
A栄養バランスのとれた食事を基本に、たんぱく質をしっかりとり、幸せホルモンとよばれるセロトニンの育成にかかせないトリプトファンを多く含む食品(バナナ、卵、納豆、チーズなど)をとる。
Bストレスをかかえていると、交感神経が優位になり緊張状態が続いてしまうので、深呼吸したり好きなことをしてリラックスタイムを作る。また、笑うことや涙を流すことでストレス発散になる「笑活」や「涙活」でストレス解消をする。

 以上のような生活習慣を心掛け、秋バテを乗り切りましょう。では、次回もお楽しみに!

★みんなの広場
「脱IT難民」 ペンネーム 高安 樹恵(きえ)千葉県在住 JRPS会員
 アラカン、アナログ人間の私には、昨今のスマートフォンの扱いは、まったくと言っていいほどわからない。意味不明の世界だ。「IT難民にはなりたくない」と、悲壮な覚悟でガラケーからiPhoneに変えたものの、何をするのも人頼み。誰彼となく聞いて回ったり、iPhone教室にかよったり、日々苦戦している。
 このところのIT技術の進歩は目覚ましいものがある。私が視覚障害を認識し始めた30年前には、こんな時代が来ようとは想像もできなかった。調べたいことがあっても、一般文字も点字も使えない中途視覚障害者の私には、手立てがなかった。それがいまはどうだろう。パソコンやスマートフォンに打ち込むだけで、あふれるほどの情報が手に入る。さらにiPhone一つで、電話やメール、ウェブの閲覧はもとより、ラジオ、テレビ、買い物、読書、レストランや宿泊施設の予約までできる(はず)。なんて素敵な世の中になったんだろう。
 ところが、これらの機器を使いこなすためには、それなりの努力が必要だ。ジェスチャーを覚え、素早いダブルタップができるように指を痙攣させながら練習し、あちこち触っている間にボイスオーバーが切れてしまい、手に負えなくなる。カッとしてiPhoneをぶち切る。その後涙目になりながら、詳しそうな知り合いに電話をかけまくる。これを何度繰り返しただろう。さらに腹の立つのはアップデートとやら。せっかく覚えた使い方が、ある日突然変わってしまう。「こんな不条理、納得いかない」と、叫んでみてもどうしようもない。
 そんなとき、徳川家康の言葉が思い出された。「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず」 あの家康にして、この言葉である。まして凡人の自分は・・・。たかがiPhoneの操作ごときで、大げさでした。急がず焦らず、少しずつ前進していきます。IT難民にならないように。



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