あぁるぴぃJRPSちば会報145号


■ 投稿
★ロービジョン川柳&俳句
担当 中野 早苗
 今号は最近開催された行事や国際情勢など、時事ネタを扱った句が多く集まりました。俳句の季語の風情の中にも、緊迫した空気が伝わってきました。
 どうぞご覧ください。

☆ロービジョン川柳
ペンネーム:友酒(ともき)
・暗がりで 猫の目 欲しと アールピー
【解説】
 夜盲のわれら、少しでも暗いところは苦手。猫の目でも移植したい気持ちです。

ペンネーム:千葉のピーナッツ
・橋渡し 昔眼科で 今ネット
【解説】
 最近、ミニミニ交流サロンに初めて参加された方は、ネット検索でJRPSのちばのホームページにたどりついたとのことでした。以前は、大学病院などの眼科の先生の紹介で、この会を知った方が多かったと聞いていました。ホームページを見やすく工夫されている担当の方に感謝です。

・仲間から スマホに変えて 初メール
【解説】
 今年うれしかったことは、1月から熱心に毎月交流サロンに参加されている方が、ガラケーの携帯からスマホ(iPhone)に変えて音声入力で、メールが作れることを知り、初メールを私のところに送ってきてくれたことです。今後の彼のがんばりに期待します。

ペンネーム:ざわざわ
・見えないと 不平言うより できること
【解説】
 見えない事実は受容し、まずは自分のできることを見つけ行動しましょう。

・マエケンの スーパーライブ 未来へと
【解説】
 スーパーライブ2023が、大成功に終わりました。これからもマエケンの熱い思いは、限りなく燃えつづけることでしょう。


☆俳句
ペンネーム:友酒(ともき)
・小鳥たち ピースピースと 鳴いてます
【秋の季語】 小鳥
 小鳥はガザ地区やウクライナの子供たちをさします。

・母娘 祖母も着飾り 七 五 三
【秋の季語】 七 五 三
 母も娘も祖母までも、着飾って七 五 三のお宮参り。

・草の花 川辺にそよぎ 魚跳ねり
【秋の季語】 草の花
 河川敷を散歩していると、名も知らぬ小さな野の花が咲き、川では魚が跳ねる音がした。

・戒めか 灼熱地獄 原爆忌
【秋の季語】 原爆忌
 原爆が投下された8月6日は、暑い日だったと聞いています。今年の夏も灼熱地獄の日々でした。この暑さは、原爆投下を許してはいけないという人類に対する戒めかと思う。

・ガザ地区に 地上侵攻 神無月
【秋の季語】 神無月
 ガザ地区で戦争が始まり、多くの人が犠牲となっている。ユダヤにもイスラムにも神が不在なのか。

・友訃報 彼岸花揺れ 雨滴落つ
【秋の季語】 彼岸花
 友の死を聞いた日、雨上がりの散歩道で、紅いマンジュシャゲから雨粒がひとつ落ちるのを見ました。

・鳥のため 柿の実ひとつ ぶら下げり
【秋の季語】 柿
 田舎の風習か、庭の柿の木の実は全部は収穫しないで、鳥のために残すという。来年に多くの実をつけるようにだろうか。青空に紅い実ひとつが印象的。

ペンネーム:卯ノ花(うのはな)
・小春日や 吾の書斎は 台所
【冬の季語】 小春日
 小春日は、冬のよく晴れた暖かく穏やかな日のことです。自分の書斎を持つことに憧れますが、小さい家ではなかなかそうもいきません。気持ちのいい小春日、書斎(台所)の仕事がはかどります。

・電話して 父と思しき 咳がする
【冬の季語】 咳
 電話をするのは主に母。父と話すことはあまりないけれど、電話の先で父の咳が聞こえる。なんとなくそれが「元気か?俺も元気だぞ」と言っているよう。

・レジを打つ 店員は皆 サンタ帽
【冬の季語】 サンタ帽
 クリスマスはスーパーの店員さんも、サンタ帽を被ってお店を盛り上げています。被りたくて被っているわけではなさそうだけれど、なんとなく浮き足立って見えます。

・後毛の ゆるいカーブや 冬菫
【冬の季語】 菫
 冬菫は、春を待たずに咲く冬の菫のことです。ふと気付いてしまった彼女の後毛。冬菫のような控えめで可憐な様子を詠みました。

・譲られて 素直に座る 初電車
【新年の季語】 初電車
 初電車は、その年初めて乗る電車のことです。新年の季語は「初」が付くものがたくさんあります。初夢、初詣、初笑いなど馴染みのあるものから、初写真、初電話、初湯、初鏡、初喧嘩、とにかくなんでも初を付けているのではと思うものもあります。電車などの乗り物で席を譲っていただいたら、なるべく有り難くご好意をいただくことにしています。それが「すなおに」と思い詠みました。

※投稿先 中野 Eメール:senryuu@crp.jp




★リレーエッセイ(12)
JRPSちば ペンネーム 高安 樹恵(たかやす きえ)
【総武線 各駅停車】
〈4 萩本先生〉
 萩本先生とは奥さんを通して知り合いになった。帰宅途中に何度か私を見かけていた奥さんは、下車駅で声をかけてくれた。
 「バス停までご一緒しましょう。私も同じ方角ですから。」
 通勤途中で声をかけられたとき、ほとんどの場合、私はその申し出をお断りしている。勇気を出して視覚障害者に声をかけてくれたことはじゅうじゅう承知している。だが、通いなれた道や駅ならば、介助の必要はない。それにこの時間は、仕事の段取りを考えたり、物思いにふけったりと、意外と貴重な時間なのだ。
 ところが、どういう風の吹き回しなのか、人恋しかったのか、それとも相手の方の声に魅かれたのか、自分でも説明がつかないのだが、ときとしてその申し出を受けることがある。奥さんの控えめで優しげな声に
 「お願いします。」私は迷うことなく答えてしまった。
 それから奥さんは、駅で私を見かけると声をかけてくれ、バス停まで介助してくれるようになった。奥さんの年頃は60歳前後だろうか。上品で落ち着いた感じの素敵な女性だ。いつも書類の入っていそうな大きさのバッグを持って、同じ時刻にお会いしたが、会社勤めをしているようには見えなかった。普段私は手引きをしてくれる人に質問はしない。人は言いたいことがあれば自分から話す。そこからその人がどういう人なのか、仕事は何をしているのか、家族構成などの情報はおのずと入ってくる。だが彼女の場合、何の手掛かりもつかめなかった。
 「お勤め帰りですか?」ある日の話のなりゆきから聞いてみた。
 「主人が千葉で歯医者をしていて、私は事務を手伝っているんです。」
 夕食の準備のために、ご主人より一足先に帰宅する途中だと言う。
 ある夕方、駅で奥さんから声をかけられた。
 「主人です。」と紹介されたのが、萩本先生だった。
 エレガントな奥さんと、「歯科医」という響きから、私が勝手に思い描いていたご主人は、長身でロマンスグレイの紳士なのだが、目の前の萩本先生は、小柄でちょっと失礼だが、昔の学校の小使いさんのような感じだった。
 「あなたですか。家内から話は伺っていたのですが、私も何度もお見かけしたことがあります。」先生はにこにこしながら言った。
 それから萩本先生は、朝通勤時に私を見かけると必ず声をかけ、千葉駅まで手引きしてくれた。先生は気さくな方で、いろいろな話をしてくれた。なぜ歯医者を志したか、歯学部での勉強のこと、歯医者の経営のこと、息子たちも歯医者になり、一人は一緒に働いていること、そろそろ引退して息子に歯科医院を任せなければならないのだが、その踏ん切りがなかなかつかないことなどを語った。先生との会話は、ときに唐突な質問から始まった。
 「あなた、結婚してますか?」ある朝、いきなり尋ねられた。
 「はい、してます。」
 「子どもはいますか?」
「いいえ、子どもはいません。」どういう方向に話が進むのか、いぶかしく思っていると
 「じつは息子が結婚したいというんだけれど、どうもねえ・・・。」
 先生には3人の息子がいる。みんな30歳を超えているのだが、誰も結婚していない。それが先生と奥さんの悩みだという話を聞いていた。やっと息子の一人に結婚話が持ち上がったのだが、どうも先生ご夫婦は結婚相手がお気に召さないようだ。理由の詳細はわからないが、どこの家でもありそうな話だ。同じ土俵では語れないが、障害をもった私の結婚が、双方の家族から祝福されてのものか興味を持ったのかもしれない。
 「でも、結婚するのは本人だから、本人が決めたら仕方ないね。」先生は少しあきらめ顔で笑った。息子さんはその後、大きな反対もなく結婚したようだ。
 先生が70歳を超えるころから、あまりお会いしなくなった。勤務が週3日となったのだそうだ。そこにも萩本家の葛藤が垣間見えるのだが、先生はまだ息子にすべてを任せて引退するのは気が進まないようだ。他方、息子さんは早く父親に引退してもらって、自分の思い通りに歯科医院を切り盛りしたい。先生の話からそんな様子がうかがい知れ、思わず苦笑してしまった。
 ある夏の夕方、久しぶりに先生と会った。
 「先生、お久しぶりです。お元気そうですね。奥様もお元気ですか?」
 「私は元気なんだけどね。家内が悪いんだよ。今も病院の帰りでね。」
 奥さんは大学病院でガンの手術を受けたという。話の様子から、病状が思わしくないことが察せられた。それでなくても小柄な先生は、気落ちしてますます小さくなったように感じられた。その後も奥さんの容体はあまりよくないようだった。それからしばらくたったある夜
 「家内は今ホスピスにいてね。私も一日おきに泊まっているんだよ。」
 ホスピスという響きに私は返す言葉がなかった。しかし、先生は穏やかな声で続けた。
 「ホスピスっていいところでねえ。私たちはクリスチャンだからホスピスも教会が経営しているところにしたんだよ。いつでもシスターがお見舞いに来てくれて、一緒にお祈りしてくれるんだよ。おかげで家内は穏やかな終末期を過ごせているよ。」最善の治療を尽くしても繋ぎ止められない命の限界を知り、先生は自分自身の気持ちの整理ができたのかもしれない。
 その夜以来萩本先生には会っていない。初めて奥さんにお会いしたころから10年近い歳月が経っただろうか。歯科医院は息子さんに任せて引退したのだろう。今は奥さんと天国で再会できる日を待ちながら、一人穏やかな日々を過ごしているのだろうか。


★お役立ち情報(bR4)
【iPhone8のサポート終了について】
千葉市 川野
 ご存じの方も多くいらっしゃると思いますが、情報を共有させていただきます。
 今年の秋にiPhone8のサポートが終了し、リリースされるiOS17へのアップグレードが提供されなくなりました。iOSとは、iPhoneを動かすための基本プログラムのことで、アップグレードとは、プログラムの不具合の修正や機能追加のための、プログラムの更新のことです。
 今後も継続して使うことはできますが、セキュリティに問題があっても修正されることがありませんので、インターネット接続すると危険な状態になる可能性があります。継続して使う場合は、各自の責任においてご利用ください。
 iPhone8は、iPhoneXと同じCPUを使用しているので、今後アップされる高機能のゲームなどを除けば十分利用する価値はあると思われます。
 私は昨年サポートが終了しているiPhone7を、自宅でラジオを聴くアプリのradiko(ラジコ)専用として、Wi-Fi接続で利用を続けているんですよ。iOSのアップグレードが終了しても、セキュリティーに関するものは1年間だけ継続してアップグレードされます。修理サポートは当面のあいだ継続されます。
 では、修理サポート終了はいつごろになるのでしょう? iPhone8の修理サポート終了は2025年までと予想されます。理由はiPhoneの修理サポートは、生産が終了してから5年くらいと言われています。生産の終了が2020年4月なので、予想される修理サポート終了時期は2025年4月ころとなります。まだまだ時間があるため修理サポートに関しては、当面の間心配する必要はなさそうですが、部品がなくなってしまうと修理ができなくなってしまう恐れもあります。継続して使用される人でバッテリーの持続時間が短くなっているような人は、お早目に交換をお勧めします。
 バッテリーの確認方法は、設定からバッテリーを選択して開く、バッテリーの状態で現在のバッテリーの最大容量を確認してください。Appleは交換時期については、新品の時の80%を下回った場合としているようです。
 もし、買い替えるときの参考として、iPhone8には視覚障害者が使いやすいホームボタンが付いています。最近はそのホームボタンが付いていない機種が多いなか、SE3はホームボタンが付いていて大きさもほとんど変わりありません。
 修理サポートなど詳細は、各携帯会社のショップなどにお問合せください。


★こころの豆知識
船橋市 垣田
 早いもので、もう12月です。今年は異常気象で、11月になっても夏日が続いたり、寒暖差が大きかったり、インフルエンザの流行が早まったりと、身体が付いていけないほどたいへんでしたね。ということで今回は目にもよく、免疫力を上げてくれる一品を紹介します。

  <ハッシュドポテチーズ>   4人分

(材料)
じゃがいも・・・・・・・・・中1個
ベーコン・・・・・・・・・・3枚
ミックスチーズ・・・・・・・60g
片栗粉・・・・・・・・・・・大さじ2
塩・・・・・・・・・・・・・小さじ1/2


(作り方)
@じゃがいもは皮をむき、7〜8mmの角切りにし、ベーコンは1cmの角切りにする。
Aボウルに@を入れ、塩、片栗粉、ミックスチーズの順番に入れ、よく混ぜる。
B油をぬった小さめのフライパンにAを入れ、高さを均等にし、蓋をして弱火で4分、裏返して同じように3分焼く。
Cお皿にAを、スライドするようにのせる。

 今回はじゃがいもを使いましたが、ナスやブロッコリーでも美味しいですよ。そのまま食べてもいいのですが、ポン酢やオーロラソースなどにつけて食べても美味しいです。いろんな具材でお試しあれ!

(効能)
 今回は、じゃがいもに注目してみました。主要成分はでんぷんで、ビタミンCやカリウムが多く含まれ、大地のりんごといわれるほどです。男爵はほくほくとした仕上がりになりますが、煮くずれしやすいのでコロッケやポテトサラダにむいています。メイクイーンは男爵に比べ粘質タイプで、ねっとりとした食感があり煮くずれしにくいので、肉じゃがやカレーなどの煮込み料理にむいています。免疫力を増強し、風邪や高血圧の予防、便秘改善、疲労回復などが期待できます。


(まとめ)
 食生活において免疫力をアップさせるには、2つのルールがあります。1つ目は1日3食のリズムを整え、栄養素をバランスよくとり、よく噛み、食べ過ぎないことです。2つ目は、以下のような免疫力をアップさせる食材をとることです。
*発酵食品(みそ、納豆、キムチ、ヨーグルトなど)
*抗酸化食品(緑黄色野菜、いも類、かんきつ類、サケやエビなどの赤い魚介類など)
*生理機能成分(野菜、いも類、豆類、きのこ類など)
 また、過労や睡眠不足は免疫力の低下を招く原因になるので、睡眠や休養はしっかりとりましょう。
 では、次回もお楽しみに!


★みんなの広場
 皆さま、会員の相馬敏男です。私がJRPSに入ったのは、音声パソコンの講習を受けていた教室で、声をかけられたことがきっかけでした。それまでの自分は、周囲に視覚障害の知り合いはなく、目の病気についての情報を得る場所もわかりませんでした。
 始めはメールで会報を読む程度でしたが、交流サロンがあることを知り、参加しました。そこでいろいろな人と話をして、見え方が人によって違うことを知り、それが印象に残りました。サロンが楽しかったので、毎回参加しています。
 柏サロンでは、月に一度集まって、参加者の近況報告や、新しい人がいれば目の症状の報告をし合ったりしています。その後有志で食事会をしています。場所は、最初は喫茶店の一角を借りていましたが、ここがコロナで使えなくなり、サロンが休みになることもありました。サロンを楽しみにしていたので、とても残念でした。
 現在はパレット柏で開催しています。ここは市の施設なので、予約を取るのがたいへんです。予約を取ってくれるメンバーさんに感謝しています。ときには、20名近くの参加があります。
 サロンも楽しいのですが、JRPSちばではさまざまなイベントを行っています。初めて参加したのは、ミカン狩りでした。ミカン狩り自体初めてで、また自分は少し視力があるので、手引きの体験も初めてしました。ミカン畑が傾斜地なので少し不安でしたが、いい経験をしました。
 JRPSに入ったことで、仲間が増え、出かける機会が増えて、生活が充実しています。これからもこの会で、病気について学んだり、イベントに参加していきたいと思います。





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