あぁるぴぃJRPSちば会報146号


■ 投稿
★リレーエッセイ(13)
JRPSちば ペンネーム 高安 樹恵(たかやす きえ)
【総武線 各駅停車】
〈エピローグ〉
 すべてに始まりと終わりがあるように、「総武線各駅停車」での私の通勤・通学は、平成とともに始まり、平成とともに終わった。
 その間、どれだけたくさんの人が声をかけてくれただろう。どれだけたくさんの人が手引きをしてくれただろう。その人たちの一人ひとりは思い出すすべもない。ここに記した人々は、ほんの一握りでしかない。
 当初、白杖を持たずに歩行ができるくらいの視力があった。ときとともに視力は低下し、あんなに嫌だった白杖を持つようになった。その後も視力は低下し続け、ほぼ「全盲」といわれる状態になった。毎日の通勤は困難さを増していった。
 歩行訓練を受ける時間も心のゆとりもなかった。ただがむしゃらに、白杖を盾に夢中で歩いた。だから白杖の使い方も歩き方も自己流だ。外目にはよほど危なっかしく見えるのだろう。本当にたくさんの人が声をかけてくれた。いま、振り返るとそれはそれなりに楽しいひとときだった。
 令和の時代が始まって間もなく、新型コロナが蔓延し、人との距離が問い沙汰されるようになった。もし通勤がコロナ禍であったら、これほどたくさんの人々に出会えなかったかもしれない。
 コロナもようやく収まり、以前と同じような日常が戻ってきた。正確には以前と同じではない。もう私は「総武線各駅停車」に乗って通勤することはないのだから。
 30年間に出会った人々に感謝の気持ちを記し、このエッセイを終えたい。
 つたない文章を読んでくださったJRPSちばのみなさん、ありがとうございました。
☆このエッセイに登場した人々のお名前は、すべて仮名とさせていただいています。

★お役立ち情報(bR5)
【印刷物を読み上げる音声読書器のご紹介】
役員の方から
 私は30年近く、印刷物を読むときはルーペや拡大読書器を使用してきましたが、昨年あたりからどんなに拡大しても文字が見えなくなりました。しかたなく家内に読んでもらったり、スマホの文字認識して読み上げるアプリ(サリバンプラス)で対応していました。
 そうした諦めムードのなか、昨年10月、JRPSちば主催のアイフェスタinちばで体験した音声読書器「エンジェルビジョン デスクトップリーダー」の機能に一目ぼれ。操作も簡単で、名刺サイズからA3サイズまでスムーズに読み上げます。充電式なので室内での移動も容易で、デスクやテーブルに置いて、印刷物をカメラ下部の中心にセットしたら、ボタンを押すだけです。その場で購入を即決し、申請手続きのための見積書の送付を依頼しました。価格は198,000円です。
 数日後、見積書が届いたので障害者手帳をもって、役場に行き日常生活用具の給付申請をし、1割自己負担の19,800円で購入しました。
※給付条件の詳細は、各市町村により異なりますので、お住まいの担当窓口にお問合せください。
 この音声読書器を入手したことで、昨年の暮れには、いままで溜め込んでいた書類の大半を整理することができました。

《 主な仕様 》
・カメラ収納時:高さ約28cm、横幅15.5cm、奥行15cmの電気ポット型
・カメラ使用時:高さ約40cm、横幅15.5cm、奥行32.5cm
・重量:約1.9s 
・充電時間:約7時間
・連続使用時間:約15時間
《 備考 》
*バッテリー残量は、ボタンを押すと音声で通知します。
*一時停止、早送り、巻き戻しなどの機能があります。
*本体付属のマイクロSDカードに、読み上げた内容を保存できます。
*上記のSDカードをパソコンにセットすると、保存した内容をコピー&ペースト可能。
*画像や紙幣は読みません。
*外出先に持ち歩くには不向きです。
*使用方法は、以下の「YouTube ・ ニポラチャンネル」にアクセスしてご覧ください。
 https://www.youtube.com/watch?v=gtVt8m0arwI

 なお、目的に応じた音声読書器のモデルがあります。当会報に掲載しているアイネットワーク有限会社では、新聞・雑誌・本など音声で読み上げして使えるモデルと、音声での読み上げおよび、画面を見て使うこともできる拡大読書器のモデルを販売しています。
 また、昨年のアイフェスタinちばに出店した業者には、以下のモデルがあります。
・アイネット梶c……………読み上げ拡大読書器「よみあげ名人」
・潟Aメディア………………音声読書機「快速よむべえ一体モデル」
・潟Vステムギアビジョン…音声読書器「エンジェルビジョン デスクトップリーダー」
・泣宴Cフタイムズ…………音声読書器「エンジェルビジョン デスクトップリーダー」
※上記以外にも、見え方に対応した拡大読書器も多数展示しています。

 本年9月14日(土)に、千葉市美浜文化ホールにて「第19回アイフェスタinちば2024」を開催しますので、不便なことや困っていることなどありましたら、ぜひ、来て、見て、触って、試して、相談してみてください。見え方による便利グッズや、支援機器に出会えるチャンスです。


★こころの豆知識
船橋市 垣田
 皆さま、お元気ですか?今年は新年早々、能登半島地震や飛行機炎上など多難な年明けとなりました。いまだに余震が続いて寒いなか、不安な日々をお過ごしのことと思います。改めてお見舞い申し上げます。ということで今回は、心身ともに温まりそうな一品を紹介します。

      <サムゲタン風>   4人分
(材料)
手羽元・・・・・・・・・・・・・8本
米・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
水・・・・・・・・・・・・・・・2合分
チューブ生姜・・・・・・・・・・中さじ1
チューブにんにく・・・・・・・・中さじ1
鶏がらの素・・・・・・・・・・・中さじ1
塩・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
しいたけ・・・・・・・・・・・・中1枚

(作り方)
@手羽元に切り込みを入れる。
A炊飯器に手羽元としいたけ以外、全部入れかき混ぜる。
BAのなかに手羽元とうす切りにしたしいたけを入れ、炊飯器のスイッチを入れる。

 炊飯器に料理やクッキングモードがない人は、炊き込みモードでもいいです。白米モードでもいいのですが、少し時間がかかります。また、お鍋でも美味しく調理できます。その場合、沸騰するまで強火で、その後はごく弱火で30〜40分加熱してください。おかゆスープのようなアツアツなサムゲタン風ができあがりますよ。

 寒いと人の体は、免疫力を上げようと必要以上にカロリーを消費します。すると、また免疫力が下がり、風邪を引いたりウイルスに負けたりと悪循環を繰り返します。普段から体を冷やさないように、衣・食・住に気を付けながら生活していきましょう。
 次回もお楽しみに!

★みんなの広場
 会員の皆さま、こんにちは。船橋在住の大石俊英と申します。
 10月のオンライン交流サロンでは、千葉盲学校理療科(職業教育課程)について説明する機会を設けていただき、誠に有難うございました。
 視覚障害がゆえに、お仕事について難儀されている方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただければと思います。
 さて、初めての投稿にも関わらず、たわいもない話で恐縮です。私は、幼少期には祖父母および曽祖母と同居しておりました(ちなみに私は昭和40年生まれです)。
 テレビが1台しかなかった時代は、漫画を見ていると、大相撲や時代劇にチャンネルを変えられてしまったものです。お陰で、大相撲は国技館や相撲部屋にまで足を運ぶほどになりました。
 また、小学校のときに放映されていた時代劇のひとつに「水戸黄門」がありました。
 幾多の名俳優が演じてきた水戸光圀ですが、私にとってのはまり役は、東野英治郎ですね。数多くのシリーズのなかで圧巻は第5シリーズです。悪役の僧侶が出色で、「仮面の忍者赤影」にも出演していた天津敏(あまつ びん)でした。強面とドスの効いた声は、悪役としてまさに天下一品です。幼かったあのころは、本当に怖かったことを覚えています。この会報が発行される2月には、放送は終わっているでしょうが、BSのTBSで12月から1月にかけてデジタルリマスター版として再放送されていました。情報の8割は視覚からといわれますが、やはり映像が見えないと、記憶から想像するしかなく、懐かしさも半減してしまったことが残念でした。
 日々の生活を送るなかで、視力低下の進行から落胆と開き直りの繰り返しですが、これからも前向きにQOLの向上に努めていきたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。



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