あぁるぴぃJRPSちば会報147号
■ 投稿
★ロービジョン川柳&俳句
担当 中野
年明けの大地震に始まり、毎日流れる戦争のニュースと、不穏な空気がぬぐい切れない今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
日々の失敗に苦笑しながら、川柳を詠み、めぐる季節に思いを寄せて俳句を詠む。これこそ平和の証ではないでしょうか。
どうぞ皆様も川柳と俳句で心を温めてください。
★ロービジョン川柳
ペンネーム(ざわざわ)
・親切が 見えなくなって 見えてきた
【解説】
本当にそうですよね。見えなくなるにつれて、他人の親切が鮮明にみえてく るようになりました。
ペンネーム(牡牛座の怪人)
・値上がりで ルーペつかって 値札見る
【解説】
スーパーでの買い物。以前は大体価格は知っていたので、値札を 見ずに買い物かごに放り込んでいたが、最近はインフレ傾向で、値上がりしている物が多いので、すこし恥ずかしいがルーペで値段をチェックするようになった。
・おさな子に 食べ残しを 注意され
【解説】
遊びに来た孫に皿の端に食べ残しがあるのを指摘された。
子供は目が良いんだなと思ったらうれしかった。
・最近は 夢の中でも 目が悪い
【解説】
夢の中で急いでバスに乗ろうとしているのだが行き先表の字がよく見えない。
現実に目が悪くなってきたせいか、夢の中でも目が悪くなっているようだ。
ペンネーム(tk)
・日没に 間に合わぬときの 絶望感
【解説】
日没に間に合うように外出を設定したのに、バスが渋滞に巻き込まれて、降りる頃には、すっかり暗くなっていました。
私も、走れメロスのように夕日を追いかけて走りたかったです。
ペンネーム(はっちゃん)
・コロナかな 醤油のはずが 味噌仕立て
【解説】
鍋の中の肉じゃがが味噌味になっていました。
味覚障害じゃなくて、調味料を間違えたようです。
★俳句
ペンネーム(友酒)
・ 白杖を 突く音で知る 春兆し
【春の季語】春兆し
視覚障害者は、季節の移ろいを視覚以外の感覚を研ぎ澄まして感じ取ります。白杖で地を突くと、春には音が柔らかく感じられます。
・惚けし母 ひねもす雛の 前に坐し
【春の季語】雛
晩年の母は呆けてしまい、雛飾りを出すと、少女に戻ったように、座布団に
すわり、一日眺めていました。
・別れの朝 白い涙か 春の雪
【春の季語】春の雪
恋人と別れを決めた朝、窓の外を見ると雪が降り出していました。
ペンネーム (卯の花)
・靴下の リボンひらひら 春来る
(くつしたの りぼんひらひら はるきたる)
*括弧内は読み方
【春の季語】春来る
靴下に付いたリボンも春の訪れを喜んでいるよう。
また、リボンが蝶々のように見えるような気もして、つくりました。
・選ばれて 残るは白の 雛あられ
(えらばれて のこるはしろの ひなあられ)
【春の季語】 雛あられ
雛あられを家族で食べると、たいてい白ばかりが残ってしまいます。
色が違っても、多分味は同じだと思うのですが。
特に子供は色を選んで食べたがります。
・入学や 礼儀正しい 名札の字
(にゅうがくや れいぎただしい なふだのじ)
【春の季語】 入学
入学したての子供の名札に、丁寧に書かれた名前。
親が書いたと思われる字体で、その丁寧さは、緊張ぎみに姿勢を正して書いたのではと想像させるくらい。入学、特に小学校の入学は、子どもも緊張していますが、親もだいぶ緊張する一大イベントですね。
・東京は 吾の居ぬ街 春の果
(とうきょうは われのいぬまち はるのはて)
【春の季語】春の果
春の果は、春が過ぎ去って行くことをいいます。
春を惜しむ感慨が込められた季語です。
この句は、学生時代以来に代官山まで出かけた時につくりました。
渋谷駅で乗り換えた時に、東横線のホームが地下の4階にあって、驚きまし
た。だいぶ前に工事されたようですが、私は去年初めて利用しました。
横浜に住んでいたので、渋谷・代官山は東横線一本で行けて、友達とよく買
い物に行っていたのですが、もう知らない街になってしまったのだなと思いました。
問い合わせ先 中野 senryuu@crp.jp
★みんなの広場
皆さまこんにちは。松戸在住の塚原浩和と申します。63歳です。目の見えかたは光を感じる程度でほとんど見えない状態です。私の趣味はいわゆる鉄道マニアです。
目が見えている頃はいろいろな列車に乗ったり写真を撮ったり全国各地を飛びまわっていました。少しずつ見えなくなるに従い外出する機会も減り引きこもりがちになりました。
その後ガイドヘルパーさんを利用することにより少しずつ外出する機会も増え、昨年11月には4年ぶりに東海道新幹線に乗り神戸へ行き、12月には北陸新幹線に乗り松本へ行くことができ行動範囲が広くなりました。
2月8日には、東武鉄道主催の視覚障害者のための鉄道安全体験会に参加してきました。視覚障害者にとっても鉄道マニアにとっても貴重な体験でした。
なんといっても、東武鉄道の看板列車である特急スペーシアを貸し切って乗車ができ、また体験会場では本物の踏み切りを使い踏切内に取り残されたときの脱出体験や踏切内で白杖を使って歩行体験や、非常ボタンを押す体験を行いました。
その後ランチタイムには、ボリューム満点のお弁当が出て大満足でした。
関係スタッフの皆様や東武鉄道の皆様にたいへんお世話になりました。
また来年は人気のスペーシアXを使って日光方面で体験会を行いたいとの意見もありまた参加したいと思います。会員の皆様の中にも鉄道マニアがいらっしゃると思いますのでぜひ私と鉄道の話をしましょう。
私は毎月柏サロンに出席し、鉄道をまじえた話をしていますのでぜひ参加していただけるとありがたいです。将来的には鉄道サークル的なものを立ち上げられたらいいなと思っております。鉄道の話ばかりで申し訳ありませんでしたがよろしくお願いいたします。
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