あぁるぴぃJRPSちば会報148号


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  ・・・はじめての歩行訓練・・・                  N. K
歩行訓練を申し込んで、1年ちょい待った。現在、千葉市、市川市、松戸市、船橋市は、専属の訓練士がいるが、その他の県全域は1 2人で担当しているそうだ。
私の自宅まで高速を運転して2時間ちょい。ハードなお仕事に感謝が込み上げた。
まずはヒアリングから始まった。私は、VoiceOverは補助的に使う程度で、音声パソコンは未習得だ。まだまだ出来るようにしなければと感じていた。そんな思いを訓練士さんはやんわりと、出来てるじゃないですか。日常に不便がないと思えるくらい出来ていたら良いと思いますよ。と言った。また私の完璧主義が顔を出していた。今の私で無理なく快適に、自分で自分を苦しめない。私の望みに素直に、工夫していく。この思いが気持ちを楽に前向きにした事を思い出した。
その後、単独歩行にお勧めの三角グリップで折りたたみ式のパームチップを付けた杖で歩いた。点字ブロックに沿わせて歩いたり、側溝の蓋とアスファルトの質感を杖から直に手に感じ取ったり、杖が違うだけで、こんなにも感じる情報が増えるのかと驚いた。曲がり角の目印などを確認していった。勝手に1人で練習した時の疲労感はなく、心地よい充足感と安心感が感じられた。
これで道路の端を安全に歩く事が出来る。道路の傾斜、路面の情報から、進行方向や自分の体の向きなど、目が見えていた頃には、全く気にしなかった感覚が、頼もしいものとなった。
こうして知識を経験を伝えてくださるお仕事をされている人がいる。支えてくれる人がいる。その事に感謝が溢れて感動した。
出来ない事は頼ろう。そこで生まれるコミュニケーションを楽しもう。私の新たな可能性への扉が開かれた。


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