あぁるぴぃJRPSちば会報154号
■ 活動報告
★第20回ダブルレインボー音楽祭のご報告
担当 西田
去る4月26日に、それまでの名称と会場を変更して「第20回ダブルレインボー音楽祭」を千葉市生涯学習センター2階のホールで開催いたしました。
私(西田)は、今回初めて実行委員会のメンバーとして出演者の方からお誘いを受けて、昨年より何度もオンライン会議でのやり取りに立ち合いをさせていただきましたが、4年前の2021年に入会した私には測りかねるほど創設期からの歴史があり、多くの方々の愛情と熱意と綿密な計画と奉仕精神によって20年間も同じ一大イベントを継続してこられたのだなと、これは素晴らしいことだと驚愕いたしました。もうすぐ60歳の還暦を迎える私が、40歳の時に産声を上げたのだと考えますと、最初の大野会長のご挨拶は、20回目の開催にふさわしい温かいものであり、思わず目頭が熱くなりました。
その後の個々の演奏も、それぞれ見えない・見えにくい中での甚大な努力が結実して、来場者の方々にも何かしらの思いを持ち帰っていただいたのではないかと確信しております。
奥様の盲導犬が虹の橋を渡ってしまい、天国のワンちゃんにも届くようにと慈しむように楽器を奏でた方、定年退職後の趣味として始めた楽器を、ステージに乗せるほどまでに年々上達されていく方、初めて舞台に上がってロービジョン川柳を読むために、何度も電話でやり取りしながら練習された方々、そのあとのクラシックピアノ独奏の2人も精一杯がんばって自分たちの持ち曲を弾ききりました。船橋ワークアイのコカリナ演奏は、まるで、森林の中で清々しい空気を吸っているかのような澄んだ透明感のある音色が印象的でした。体調がすぐれなかったのに、ご自身のカラオケの十八番の曲を楽しんで歌い上げた方々、柔らかな歌声が心に染み渡るギター弾き語り、大人数でしたが、一つにまとまってハワイの爽やかな風を感じたウクレレ、韓国でも話題になっているという松田聖子のデビュー曲をクリアな美声で披露してくださった奥様とともに、力強いダイナミックな歌声をホール中に響かせた旦那様のご夫婦ユニット、英語の歌詞も見事な発音でさすが英語の先生であられた方の自作曲「点字ブロックの歌」は、もっと一般に広がって社会に周知されたら良いなと思いましたし、歌唱を交えたコントの掛け合いも面白おかしく心から笑えて歌唱力の高さにも酔いしれました。
最後の合唱団は団結力の強さを感じ、ホール中に歌声が響き渡り手作りの音楽祭のフィナーレにふさわしいものでした。
司会の鈴木様は臨機応変にアドリブを混ぜながら来場者を飽きさせることなく、大変すばらしかったと思います。
おもてでの出演者が光り輝くようにと裏では影のように動いてくださった方々には殊更に感謝を申し上げなければなりません。
ホワイエで受付やもうまく募金・赤い羽根共同募金などの活動をしてくださった方々、動画配信のための撮影をしてくださった柏サロンのお二方、JR千葉駅からの誘導や道案内をガイドヘルパー様と協力してくださった方、舞台袖で色々な機材設定に関わってくださった方、毎回のオンライン会議に必ずご出席くださり、議事録を何度もメールで送ってくださり、当日も色々なところで気配りを欠かさなかった方。このような方々のたぐいまれなる優しさと大いなる奉仕精神のどれひとつが欠けてしまっても、決して成り立たなかった音楽祭でした。
この場をお借りして関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。関わってくださった皆様の多大なご尽力と行動力と頭脳の明晰さと大いなる優しさが結実した温かな音楽祭のご成功を心よりお慶び申し上げます。本当にありがとうございました。お疲れさまでした。
これからもできるだけ長く続いていかれますよう心より願っております。
★ミニミニ交流サロンのご報告
◆「千葉サロン」4月のご報告
担当 大野
4月12日(土)は、男性4名、女性7名、ヘルパーさん7名、計18名での会となりました。
今日は3人の方が千葉サロンの参加が初めてということでしたので、皆さんの自己紹介から始めました。お一人は障害者手帳を取得していたものの、今まで福祉サービスに関する情報などをほとんど知らなかった方、お一人は現役でお仕事をされていて徐々に色変の症状を自覚され、障害者手帳を取得したばかりの方、またお一人は今まで柏サロンに参加されて、いろいろな情報のおかげで充実した毎日を送っていらっしゃる方でした。自己紹介をする中で、行政への疑問や福祉機器についての質問が出ますと、経験者からの助言や解答が返ってきます。やはり具体的な情報交換は同じ病気の当事者だからこそできることと実感しましたし、交流会の大事さを感じました。
福祉機器を見たいという方に、4月19日に開催される千視協の福祉機器展示会のお知らせをすることができました。
12時になり、有志(17人)で千葉公園の散策に。公園内は休日を楽しむ人の声でにぎやかでした。桜並木の下を散歩して、池のほとりのハーモニーカフェのテラスでランチとなりました。予約もなく尋ねた私たちにもかかわらず、快く対応してくださったハーモニーカフェの皆様にお礼申し上げます。 帰りぎわに、「ダブルレインボー音楽祭」のチラシをハーモニーカフェに置いていただくこともできましたし、なんとも心地よい帰路となりました。
◆「千葉サロン」5月のご報告
担当 大野
5月7日(水)、連休も明けて、気のせいか千葉駅周辺もいつものにぎやかさがなかったように思われました。参加者は、男性3名、女性4名、ボランティアさん1名、ヘルパーさん5名、計13名でした。
先月の千葉サロンに参加された方が「介護保険と視覚障害福祉サービスの使い分けがよくわからない」というお話をされていましたが、現在もお住まいの事業所との結論はまだ出ていないと、今月も参加され、報告してくださいました。そんな話から福祉サービスも自治体によって全く違うという話になりました。難病見舞金のある地域、ない地域、福祉タクシー券の制度や金額の違いなど。タクシー券の話から、皆さんが一人でタクシーに乗った時の怖かった経験や、気分を悪くした経験などを聞きました。ありがたいサービスなのですが、やはり外と隔離されたタクシーに乗る場合、視覚障害者にとって多少の緊張感がいるようですね。
今日は歩行訓練士のボランティアさんが参加してくださったので、白杖が破損した時の対処法や遮光眼鏡の購入、歩行訓練サービスの内容などについてアドバイスをいただきました。その後は白内障の話や障害者医療費助成の話など話題が豊富で、あっというまに終了時間を過ぎていました。少し名残惜しさもあり、1階の喫茶店も今日は思いがけずすいていましたので、ランチタイムを楽しみました。
次回の千葉サロンですが、6月15日(日)に開催します。昨年ちょうどこの時期に千葉公園の世界最古の花「オオガハス」が満開でした。タイミングが良ければ、オオガハスの池を散策してもよいかなと考えていますので、是非と思われる方はご参加ください。
◆「柏サロン」4月のご報告
担当 若松
裏の公園の桜も寒い日が続いたためか葉桜になりつつありますが、まだがんばってくれているようです。我が家の庭も最近視覚障害者の間で人気の画像認識アプリ「スイフトアイ」で読ませてみたら、椿の赤い花がたくさん咲いていて、いくつか地面に落ちていますと読んでくれました。
4月13日に開催された柏サロンには21名の参加がありました。内訳は当事者男性9名、女性6名、ヘルパーさん4名、家族の方2名でした。1名来られなかった方がおられたので、心配していましたが、寝坊してしまったとのメールが入っていました。
まず今月のイベントとしては、4月26日に開催されるダブルレインボー音楽祭の話と、19日に四街道で開催される福祉機器展の話をさせてもらいました。ダブルレインボー音楽祭には柏サロンに参加されている方もピアノ演奏で参加するとのことで、何人かがヘルパーさんと一緒に応援に行くということで楽しみにしているそうです。
19日のオンライン交流サロンの話や、17日に神奈川主催で行われるおしゃべり勉強会の話もさせてもらいました。
クッキー作りを趣味にしている奥さんが手作りクッキーを皆に配ってくださり、和気あいあいのスタートとなりました。
ラジオ放送開始100年と視覚障害者のテーマで千葉日報の取材を受けた方が新聞記事を持ってこられたので、皆さんに回覧していただきました。
また、私が先月オンラインで参加した3Dプロジェクトの模型に関する催しで、送られてきた3Dプリンターで作成されたヨガのポーズの人形や、千葉県の形のキーホルダーなどを回して触ってもらいました。
今月は新しい方がおられなかったので、各自の近況を話してもらいましたが、いろいろな話が出ました。
千葉大学にロービジョンケアの話を聞きに行ったが、話を患者につなぐ手立てが不十分のような印象を得たようです。
障害者福祉サービスの話も出ましたが、自治体によってさまざまで、サービス内容や給付金や見舞金等の金額もまちまちなので、そのつど研究する必要があると考えました。
受給者証をもらったが、まだ同行援護を受けられていない方がおられました。
何人かの方は野菜の植え付けを始めましたが、視力低下で悩んでおられる方もおりました。
詐欺まがいの電話や訪問が多いので、注意していましたが、最近警察官と思われる人が訪ねてきました。警察手帳を見せられましたが、まだ半信半疑だったので、友人を呼んで、家にその警察官をあげたとのことでした。何もなかったのですが、後で調べたところ、本物の警察官だったようで、笑うに笑えない話ですよね。
そうこうしているうちに、予定の11時半を過ぎてしまったので、本日の柏サロンを終了し、希望者19名で近くの中華料理店にランチに行きました。
◆「柏サロン」5月のご報告
担当 小川
5月11日(日曜日)、ゴールデンウィークが終わって最初の週末に柏サロンを開催しました。参加者は当事者14名、家族1名、ヘルパーさん5名の計20名でした。
今回は最近網膜色素変性症と診断され、JRPSちばのホームページから柏サロンの存在を知って、初めて参加される方がいました。参加者には最近の目の状況も含めて、ゴールデンウィーク中のトピックスを話してもらいました。ダブルレインボー音楽祭についてですが、柏サロン参加者のなかで出演した方のみならず、実際に足を運んで音楽祭を聴きにいかれた方が何人もおられて、皆様が口々に「演奏が素晴らしかった。」というご感想を述べておられました。 今後の会の予定としまして、6月の総会に参加してほしいと、司会者から連絡がありました。
参加者からは初めて参加された方に色々なアドバイスがありました。病院のこと、障害者手帳のこと、市役所の手続きのこと等々です。ご本人からは、「会に参加して大変参考になった。」との感想をいただきました。引き続き今後の参加をお願いして、できればJRPSへの入会も考えてほしいということで、入会案内書をお渡ししました。
次の柏サロンは6月8日(日)の予定です。いろいろな情報を知りたい方、初めて参加される方は大歓迎です。ぜひ足を運んでください。
★オンライン交流サロンのご報告
担当 渡辺
4月19日に開催したサロンには11名の方の参加がありました。そのうち、2名の方が初めて参加してくださいました。
まずは、お住まいの市町村とそれぞれの見え方についての自己紹介。その後、同日に開催されていた千葉県視覚障害者福祉協会主催の福祉機器展に行かれた方から、話題提供がありました。白杖を購入された方がおられ、話は様々な白杖のことへ。
白杖と言えば、やはり歩行についての話になります。私たち視覚障害者が最も怖いと感じるのは、駅のホームや道路、特に横断歩道です。ホームから転落した経験のある方や、フォークリフトにひかれ、大けがをしたという方もいらっしゃいました。とにかく、駅ホームと横断歩道は危険がいっぱい。皆さん、同行援護や駅員のサポートをお願いしたり、スマホの歩行支援ナビアプリを利用したりと工夫をこらし、慎重に移動されているようです。
さらに話題は、交通機関を利用する際に私たちにとって必須ともいえる交通系ICカード(Suica、Pasmo)のことへ。ほとんどの方が介助者と一緒の時に便利な障害者用のカードも利用されていました。
そして、駅の話から各地域の交通事情の話、さらに、地域のおいしいものへ。話題は連想ゲームのように広がり、膨らんで、とてもにぎやかなサロンとなりました。
★みんなの広場
船橋市在住の59歳男性です。視野角10度位、中心部の視力が良いおかげで、まだ白杖は使用していません。今もテニスを続けています。前回も紹介させていただきましたが、網膜色素変性症テニスプレーヤーのあるある(その2)をご紹介します。
@ ネットやフェンスに転がったボールを拾うのが見えづらく大変だが、最近はテニス仲間がボールの場所を教えてくれるのが上手になったようで、的確な方向と歩数の指示のもと、短い時間で拾えるようになった気がする。
A 明暗のコントラストが苦手で、日没後の薄暗い方が日中時よりボールが見えやすく、日没後に急に動きが良くなり不思議がられる。
B プレー中に一度ボールを見失うと空振りすることはいつものことだが、最近三度ほど、見失ったボールが視野の中に再登場してくれて奇跡的に返球できたことがある。できるものならば、ボールが見えなくても返球できるテクニックが欲しいものだ。
C 最近電信柱にぶつかり、鼻の下と目の上を少し怪我した。なぜ、顔から先に電信柱へぶつかったのだろうと後日検証してみた。すると、早歩き時に前傾姿勢だったことに気づいた。このような癖があるということは、テニスのフットワークが正しくない可能性があると考えてみた。現在フットワーク改善を試みているが、まだ上達の兆しはない。そんなことより、電信柱にぶつからないように気をつけよう。
D 妻と組んで混合ダブルスの試合に出るが、ボレーを空振りしても、信用されていないのでカバーして拾ってもらえる。
ペアを組んでくれる妻に見捨てられない限り、混合ダブルスの試合にまだ出続けるつもりです。よく見えていなくても、勝つつもりでプレーしています。皆さま、船橋市にこんな網膜色素変性症のテニスプレーヤーが存在することについてご内密でお願いします。
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