あぁるぴぃ千葉県支部だより69号


■投稿■

★「四季の詩―熱き思いT(俳句または一行詩)」

ペンネーム 百舌 梢
 弥生5日 人生再び 光さす(白内障手術)
 暗い坂 こぼれ椿や 紅あかり(気持ちも暗く、樹木の坂を下る時)
 春彼岸 車椅子押し 初散歩(家族看護になれない頃)
 術後見る ヒマラヤスギの 銀ひかり(白内障の術後、自宅窓から)
 花の色 青空に浮き 涙ふく(河津桜の濃いピンクが・・・)
 帰り路 風景違う 曲がり角(病院への行きはボンヤリ、後発の術後)
 落ち葉路 足音消える 子らの声(保育園の横路で)
 落葉の 梢に届く 秋の空
 川面に 浮かびし雲や 過去の君(空の雲が流れて)
 ミモザ色 一鉢抱え 春連れる(春には、黄色い花が似合う)
 命日や 枕浮くほど 泣く今宵(大切な弟が、事故で突然に)
 老いの身も 心乱れし 紅枝垂れ(早朝、かすかな風に・・・)
 充電の いち日くれし デーサの日(家族がデーサービスに、命の洗濯)
 シクラメン 心の愚痴を 色に変え(誰にもいえないことを・・・)
 泣きながら 詫びるわが身を 母が打つ(大昔、人の物を持ち帰った私)
 幼き日 忘れ去れなし 暗き土間
 庭先で 父と話した 傘の中(仲良しの父とナイショ話、雨の日の想い出)
 Jを聴き 歌詞の中に 弟が(ラジオから流れた歌詞に・・・)
 川向こう 陽炎に見る アレはなに(誰かの姿に・・・)
 いつ終わる 疲ればかりの この命(障害に悩みながらの生活)
 嬉しき日 あったことまで 忘れ去り(少々ウツか)
 東風 もうすぐ春よと まただます(寒さにも一息、でも・・・)
 青い鳥 ブローチにして 肩に止め(そんなブローチほしい)
 花吹雪 地上に降りて つむじ風(美しい風景の春風)
 花散らし 嵐の中行く ランドセル(花の嵐の中の一年生、大きなランドセル)
 白スミレ 腰をかがめて 笑み浮かべ(大好きな花、スミレに話す)
 今読めば 遺言状か この手紙(ラブレターではなかったの)
 想い出も 一緒に燃やせ 形見分け(つらい日記)
 花瓶割る 想い出までも こなごなに(落としてしまった、心も乱れ)
 今思う 古希とはこんなに 悩むのか(老いが見えてきた家族を)
 初夏告げる 燕尾服着て 空を舞う(若いつばめ・・・)
 乳母車 押す手緩めし 鯉のぼり(こんなステキな時間ありますか)
※カッコ内は、作句の際の作者の想いなどを記した小文。


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