★「四季の詩―熱き叫びU(俳句または一行詩)」
蘭2本 花の色香に 酔う今宵(ビールでメロメロ)
牡丹咲く 寺の庭隅 蝶が舞い(ひとり散歩に、蝶がからかう)
楠や 若葉うつくし 五月晴れ
箱根路に シャガ乱れ咲く 杉並木(想い出の路を再び)
騙されて 生きてみよう この人生(つらくても、ま、いいか)
気晴らしに 服出してみる 春陽光(オシャレして出掛けよう)
手土産は くしゃみ鼻水 春の使者
かきつばた 紫紺悲しや 金閣寺(三島由紀夫の読後に)
雪を踏み 飛行機雲や 安達太良山(山行の思い出)
愚痴言わぬ 背中悲しい 車椅子(座り心地、いいはずないよね)
紅白に 分かれて香る 利休梅(散歩に行く寺の庭で)
白杖を 持つ手を今や 車椅子(車椅子の人が、かじをとる)
シュウメイ菊 永久に旅立つ 人しのぶ(送り日に、足元にゆれていた)
未練断ち コスモス揺れて 野辺送り(送り日の風景)
山野草 選んでみよか トリカブト(呑みますか、食べますか)
待ち焦がれ 落ち葉の褥(しとね) 時刻む(待ち合わせに疲れ)
待ち人や 西日背中に 人違い(そんなこと、ある?)
秋の宵 虫の音止んで 来訪者(うふふ)
おぼろ月 花びら舞って 人の影
球児らの 歯ばかり白し 甲子園(夏のTV)
うぐいすの 初音便りや 桃の花(藪の中に、1本の桃の木が)
飛びついて 鐘打つ僧侶 幼顔(弘法寺の鐘楼で)
花見酒 花びらくわえ 眠りこけ(こんな人、でも、いいの)
宴の日 年に一度の 顔を見せ(イベントオバサンって、いるでしょ)
花便り 病の床に 笑み浮かぶ
花火散り 川面に光る 屋形船(なんとも切ない想いの船の中)
舞う枯葉 忘れかけてた 七回忌(母も、もう‥‥)
立ち姿 心の中を 見抜かれし(うつ向かないでいましょ)
吹く風や めじろ騒いで 花吹雪(病院へ行く途中に)
ピンク色 花びら手に盛り 老婦人(色と手の老いの差が)
白萩や 幸がほしいと 言った人(ある若き未亡人が、ふと‥‥)
秋田杉 巧みの技か 曲げ輪っぱ(お土産にいただく)
曲げ輪っぱ 竿灯の幻 味を盛る(もろこしをのせて)
牡丹散り 花びら受けて 爪を染め(子供の頃を思い出し)
川向こう 菖蒲祭りか のぼり立つ((屋上から望む)
菖蒲湯や 気持ち安らぎ 端午の日(こんなのいつまで続ける?)
初夏の風 楠の枯葉が 舞い遊び(楠は、春遅く落葉す)
野蕗炊く 季節の味に 元気だす(家族の好物なので)
見るほどに 美しき蝶 飛びもせず(虫が変身)
蛍とぶ ふるさと便り ラジオから
芝桜 富士をバックに 人誘う
※カッコ内は、作句の際の想いなどを記した文。