★未曾有の大地震を体験して
昨日、仕事は休みだったのですが、10時から地元の公民館サークルの「古典を読む会
(源氏物語を読んでいます)」に出席し、「野分」の章の15歳の夕霧が28歳の義母の
紫の上を垣間見て、その美しさに魅了され、禁断の恋心が芽生える箇所を勉強しました。
12時からは、講師を囲んでの昼食を兼ねた茶和会で、他愛のないことをしゃべり午後
2時半に散会し、私は、午後6時から職場の送別会があるので、少し早いが、会場の八千
代緑ヶ丘まで行くつもりで、新京成の二和向台の駅へ行き、ホームで電車を待っていたと
きに、地震にあいました。
最初の揺れではたいしたことはないと思っていましたら、徐々に揺れが大きくなり、し
かも強い揺れがかなり長く続き、これは震源がよほど近いと思いました。
鉄骨の片屋根式のホームですので、つぶれることはないと感じましたが、万一に備え、
鉄骨の柱に掴って一応身を守りました。
その揺れの最中に、電車がホームに入ってきました。架線が揺れ、ホームをつなぐ跨線
橋も大きく揺れているのにです。そのうちに駅のアナウンスで、東北地方で大きな地震が
あり、千葉県も震度5強の揺れを感じたので、安全点検のため、全線で運休すると知らさ
れました。これでは、送別会も行けないし、中止になるだろうと判断し、大きな余震のさ
なかに帰宅しました。
歩いている最中でも、震度3クラスの揺れがあり、建物の近くは看板やガラスが落ちて
くるといけないので、車道の真ん中付近を歩きました。
自宅に戻り、家の建っていることと外見上の被害が認められなかったので一安心しまし
た。鍵を開けて部屋に入ると、1階は何でもありませんでしたが、2階の私の部屋にある
仏壇が床に倒れていました。2階の息子の部屋では、本などが散乱し足の踏み場もありま
せんでした。
妻が、朝早く新橋演舞場まで観劇(三月大歌舞伎、菊五郎が御所五郎蔵を演じていると
きに地震があり、大揺れの中、菊五郎は何とか立って演じていたと妻から聞きました)に
行ってましたので、安否確認のため、携帯に何度か電話したのですが、連絡が取れず不安
でした。他の家族にはメールで状況を聞き無事を確認しました。
メールを使えない妻にも、家族が無事である旨をメールしました。
すると、回線混雑の影響を受けない公衆電話から自宅の電話に、妻から電話がありまし
た。公衆電話も人が殺到して、やっと順番が来たといって、手短に電車が動かないので、
食事した東京會舘の地下で夜を過ごすという。会館では、帰宅難民のために会場を開放す
るとのこと。
その後妻は、地下鉄三田線が運転再開したので、同伴者の友人宅に泊めてもらい、翌日
の9時に朝帰りということになりました。
我が家の身障猫(前足の片方が手首から切断)のミーちゃんは、地震のためか、家を出
たり入ったり落ち着きませんでした。一人で留守を預かり怖かったのでしょう。また、送
別会は中止となりました。被害調査などで、現役の職員は泊りがけで対応に追われたそう
です。私はラッキーでした。
被災された皆さんに心からお見舞い申し上げます。
★東日本大震災に遭遇して
地震の時私は、丁度ヘルパーさんが訪問していて、食事の支度をしてくれていました。
あまりにも烈しい揺れのために、とりあえず外に出ましたが、外に出ても揺れが烈しく、
二人でしゃがんで揺れが収まるのを待ちました。
一人暮らしの私を心配して、電話をしてくれたJRPSの方もいました。他にも私を心
配して電話をかけてくれたり、昨日の夜と今日の朝には、隣の奥さんが我が家を訪問し、
パンの差し入れもしてくれました。本当に人の暖かさを味わいました。
よく言われますが、地震の時には誰かが大きな声で、「落ち着け!大丈夫!大丈夫!」
と言うようにとのことを聞きましたが、本当にその通りですね。これ以上の被害が出ない
ことをお祈りしています。
★「四季の詩―熱き叫びV(俳句並びに一行詩)」
五月雨に 街路樹萌えし 音楽祭
渡し舟 櫓の音淋し 矢切まで
老船頭 一節ながし 句碑の丘
桂木の ハートゆらゆら 陽光射し
桂の葉 恋文託し 蔭重ね
余花の道 吾子の手を引き 若き母
花石榴 鹿の子絞りの 房のぞき
トンボの目 ちょっと借りたい 秋暮色
雷鳥の 声遠くより 霧深し
頬紅の 刷毛と見まごう ねむの花
蚊やり豚 眠りし吾子の 片えくぼ
2000キロ アサギマダラ(蝶) 飛来した
蝶の旅 2000キロもの 波頭越え
年重ね 笑う回数 減っていく
散り桜 肩を抱かれた 日は遥か
うちわ手に 子より先眠る 昼下がり
逆縁の 人忍ぶ日々 袖濡らす
涙壷 枯れる間もなし 初夏の雨
青紅葉 銀杏と並んで はしゃいでる
斜光射し 侘び助ひっそり 鎌倉路
山つつじ 野天風呂の 縁飾る
草紅葉 霜の宝石 身にまとい
熊笹の 氷の粒に 朝日さす
木漏れ日や 鴨群れ泳ぎ 梓川
残雪の 流れに沿って 水芭蕉
浮き草の 影地とうに 初夏の尾瀬
濃緑樹 浮世離れの 時刻む
満開の バラにカメラを 笑みはじけ
緑風を まといし優雅 太極拳
バラの香や 噴水の霧 虹の色
木々の間を 白きパラソル 麗婦人
花たちが 待っていたよと 咲きこぼれ