あぁるぴぃ千葉県支部だより78号


■お知らせ■

★追悼 〜伊藤さん音楽会大盛況でした〜

支部長 江澤 正広
 伊藤さんから電話をいただいたのは4月の下旬ごろだったでしょうか。体調が優れ ないためダブルレインボー音楽会は出演できないとのことでしたね。また、みんなに 迷惑をかけるといけないからともおっしゃっていました。私は、今は療養に専念して 来年の音楽会に備えてくださいと言って電話を切りました。
 伊藤さん、今年の「第8回ダブルレインボー音楽会」は観客と出演者を合わせて1 88名の参加者があり、会場はほぼ満席でした。伊藤さんが、浜田順子さんにリクエ ストした「ショパン 夜想曲第20番」のピアノ演奏は素晴らしく、観客から大きな 拍手が沸き上がりました。演奏を終えた浜田さんは、「一番聴いてほしかったのは伊 藤さんです」とおっしゃっていました。昨年、音楽会に来て感動したという高橋眞里 子さんは、今年の音楽会に出演したいと、コカリナを習いワークアイの仲間と立派に 演奏しました。広瀬さんの旦那様は、アコーディオンに挑戦し練習の成果を発表しま した。
 伊藤さんが始められた音楽会は、ジャンルを問わないという方針で毎年多くの出演 者が増えていますね。また、会場も小さなライブハウスから、美浜文化ホールへとグ レードアップしました。まるで、虹のように大きな広がりとなりJRPS千葉県支部 の上に輝いています。
 伊藤さんが亡くなる数日前、中野早苗さんが音楽会の報告にうかがったそうです ね。伊藤さんは危篤状態の中、中野さんのお話を聞いて笑顔になられ、看護師さんを 驚かせたと奥様から電話でお聞きしました。病気と闘いながらも、音楽会のことを案 じていたのでしょうね。
 私は、伊藤さんから体を張って教えていただいた「諦めない気持ち」をいつまでも 持ち続けたいと思います。また、JRPS千葉県支部には伊藤さんという素晴らしい 会員がいたことを誇りに思います。
 来年の第9回ダブルレインボー音楽会も、伊藤さんの意思を継いで5月に行います ので、虹の上から見守ってください。そして、どうか安らかにお休みください。合掌


★弔辞

音楽担当 中野 早苗
 伊藤さんとはじめてお会いしたのは、JRPS第2回ダブルレインボー音楽会でし たね。3回目からは一緒に担当させていただき、今回で8回目の音楽会が終わったば かりですが、まさか伊藤さん欠席の非常事態を迎えるとは、誰も思っていなかったは ずです。今回だって楽しいトークと素敵なギター演奏で会場をわかせるはずでした。 「俺は、目が悪くなかったら、ギターなんか弾かないよ。まして人前でなんか弾くも のですか。健康だったらきっと高慢で鼻持ちならない男だったはずですよ。だから病 気もそんなに悪いもんじゃないんだ」とよくおっしゃっていましたね。
 同じ病気という縁でつながった人が、伊藤さんから勇気をもらい、背中を押されて ステージに立つ。思い通りにいかなくとも来年こそはと、練習を重ねる。今回も、皆 さん本当にめきめき腕を上げられ、聴きほれてしまいましたよ。
 伊藤さんのいつものセリフ「自画自賛になっちゃうけどさぁ、こんなに良い音楽会 ないよねぇ」という満足げな声が聞こえてきそうです。
 5月21日の夕方、奥様からただならぬ様子で容態の急変を知らされた時は、びっ くりして何も考えられず、病院に向かっていました。明るい個室でベッドに横たわっ ている伊藤さんは、残念ながらお話しできる力はありませんでした。私は、音楽会が 無事終わったこと、伊藤さんのお陰でここに出ることができたというある出演者の感 謝の気持ち、それから、私とデュエットするはずだった「ひまわり」の音合わせが、 まだできていないこと、だから、よくなったら練習を始めなければいけないことなど、 立て続けに話したようにおぼえています。そのとき、奥様が「あっ、目を開けた!  笑っている、笑っている!」とおっしゃいました。そして、とっていた私の手をしっ かり握り返したのです。その指先の力強さに、びっくりしてしまいました。これは、 きっと、伊藤さんの最後の私たちへの応援メッセージだったのではないでしょうか。 ご自身が長い間病気を抱え、奥様という強い味方と一緒に前向きに歩き、私たち患者 に、勇気を与えてくださった伊藤さん、本当に本当に、ありがとうございました。


★伊藤先輩の訃報を聞いて

支部だより編集長 中込 孝一
 昨日(5月24日)、伊藤勲さんがお亡くなりになったと、本日の午後、電話で知 らされました。
 体調が悪いとは伺っておりましたが、すぐに良くなられるだろうと見舞いにも行か ず、勝手に思い込んでいました。悔しいです。もう一度会って、酒でも酌み交わしな がら文学談義がしたかったです。
 伊藤さんと初めてじっくりとお話したのは、今から4年前の、私がJRPSに入っ て1年目の新年会のときでした。
 多読家の伊藤さんと話が弾み、元公務員だったということを聞き、私も同じ公務員 だったことから、私は、勝手に先輩と呼ぶことにしたのでした。今でも、はにかみな がら笑う姿が眼に浮かびます。
 先輩から私の拙い文章を褒められたのがきっかけで、支部だよりの編集に携わるこ とになりました。
 先輩が書く編集後記は、私の作為的な文章と異なり、洒脱でユーモア感覚に優れた 名文です。時に、社会批評も加わり、「天声人語」を髣髴とさせる品格がありました。
 そして視点は、常にRPの治療法の確立に注がれ、誰よりも強く早期実現を望まれ ておりました。治療法確立の実現を見ること無しに逝かれてしまい残念でなりません。
 また、音楽をこよなく愛した伊藤さんの、情感のこもったギター演奏は、ダブルレ インボー音楽会の目玉の一つとなり、多くの観客を魅了してきました。残念ながら、 今年は体調を崩され、その演奏を聞くことができませんでした。伊藤さんの心中を察 すると、いかばかりかと胸が詰まります。
 伊藤さんの突然の訃報に接し、永い間JRPSの活動を進めてこられた、伊藤先輩 に敬意と哀悼の意を表します。
 永い間ありがとうございました、お疲れ様でした。我らがJRPSの戦士よ、安ら かにお眠りください。
 今、これを書いているときも、伊藤さんが亡くなったこととは思えず、はにかみな がら「よー」と声をかけられるように思えてなりません。 


★ダブルレインボー音楽会でのもうまく基金への寄付のお礼

もうまく基金理事長 小出 佳子
 第8回ダブルレインボー音楽会にお越しいただいた皆さま、また出演者とスタッフ の皆さまより「もうまく基金」に多大なるご寄付(総計58,000円)をいただき まして、誠にありがとうございました。
 聴き手の皆さま、スタッフ一同が一体となり作り出されたあたたかい雰囲気の中で、 演奏者それぞれの個性が光り、会場内に様々な音の色彩を放ったことでしょう。
 音楽は競争ではありません。新しい演奏者の出現も願いながら、更なる音楽会の発 展を心より願いつつ、お礼の言葉とさせていただきます。
 最後になりましたが、この音楽会を何よりの楽しみとされておられた伊藤勲さんの ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 きっとこれからの音楽会も、天国からにこやかに見守ってくださることでしょう。


★寄付のお礼

支部長 江澤 正広
 ダブルレインボー音楽会当日、I様ご夫妻、Oさんほか4名の方より、音楽会等支 部活動費にお役立てくださいと、計28,600円のご寄付をいただきました。千葉 県支部の活動費としてありがたく使わせていただくことを、皆さまにご報告いたしま す。


★コーラスグループメンバー募集のお知らせ
 視覚障害者の混声合唱団です。現在8名で活動しています。一緒に楽しく歌いませ んか? 視覚障害のある方だけでなく、ガイドヘルプの方も歓迎します。
コーラス 花音(カノン)
練習日時 第2・第4金曜日 午前10時〜12時
練習場所 千葉県障害者スポーツレクリエーションセンター
     (千葉都市モノレール スポーツセンター駅から約400m)
指導者  西尾 咲恵子 先生
月会費  1,500円
練習曲  「見上げてごらん夜の星を」「翼をください」「四季の歌」他
お気軽にお問い合わせください。
(0475−58−6344 あしざわ)


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