2013年の1月にJRPSの新年会に初めて参加させて頂きました。
その時の皆さんの前向きな発言や、日々の行動を知りびっくりしたのを覚えています。1人でバスやJRに乗るなんて信じられないと思いました。この頃の私はやろうと思えば出来る程度の視野を持っていたにも関わらず夫に甘え、車での移動ばかりでした。
17歳で網膜色素変性症と診断され、30歳前後で失明しますと宣告を受けました。両親も私も打ちのめされました。しかし日々の生活は全く問題なく暗くなれば見えない事は小さい頃から慣れていたし視野は普通にあるので就職をしました。
そこで知りあった今の夫と20歳で結婚し、22歳で娘を出産して目が悪いと分かっているおかげで充実した子育てをする事が出来ました。夫は私にストレスのないようにと、本当に大切にしてくれていました。
そんな夫が2014年5月頃、仕事のストレスから心を閉ざし病んでいきました。だんだん会話もなくなり、病院へも行こうとはしてくれませんでした。私はどうしていいかわからず、夫を頼れなくなった事で1人で出かけざるを得なくなりました。
視野を97%損失している中で、外の世界へ1人で出る事はとても怖い事でした。しかし出るしかありません、買い物へ行って人にぶつかり謝る日々。ごめんなさい、申し訳ありませんと、謝ってばかりでした。
そんな中でJRPSの定例会へ参加するたび、会の皆さんの前向きさ、明るさ、チャレンジ精神に勇気を頂き白杖を持つ決心をしました。これはとても勇気のいる事でした。中心が見えているのに白杖を持っていたら変な目で見られるのではないか....しかし、その不安は一変しました。白杖を持っている事で周りの方にぶつかった時に謝られるようになったのです!そしてとても歩きやすくなりました。周りの方がよけてくれているのです。
幸せで胸がいっぱいになりました。その時、ハッとしました、夫が病んでくれたおかげで私は外へ出られるようになっていたのです。悪いと思っている事の中にこそ本当の幸福が贈り物として隠されているのだと気付いたのです。
今では夫の病も治って来て、日々平穏に暮らせています。先の事を思い煩う事なく、前向きに生きて行こうと思っています。
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