白杖でSOSを発信
福岡市城南区 登本 弘志
「白杖を頭の高さまでまっすぐ挙げる」、これが視覚に障がいのある人のSOSサインだということをご存知でしょうか。
という私自身もつい最近、新聞社の記者に質問されるまで知りませんでした。
道路で方向を見失ったり、めざす建物が見つからなかったり、またバスがなかなか止まってくれなかったりなど、まちに出ると困ることが多々あります。
そうしたときはだれか人の気配を感じるまで待って声をかけることぐらいが私たちの対応だったと思います。
このような困った時に、あるいはバスに乗りたい時に意思をはっきり示す方法が、このSOSサインです。
このサインは実は今から35年も前に福岡県盲人協会が九州各県や全国に呼びかけて始まったもので、年配の人にはなじみのようです。
しかし最近の若い人や私たちのように中途で視覚障がいを持った人はほとんど知らないのが現状です。まして一般の人にはほとんど知られていないようです。
しかし昨年の東日本大震災のあと各自治体で作成される災害対策指針(マニュアル)などでは、このサインを紹介しているところもでてきました。
現在福岡県盲人協会や福岡市視覚障碍者福祉協会では改めてこのサインを啓発しようとしています。
私たちが積極的に社会参加していこうとするとき、私たち自身がしっかり意思表示していくことが必要ですし、まずは私たちの安全と安心のためにこのSOSサインを利用していきたいものです。