1、支援費制度を上手に使おう
皆さん、支援費制度を利用なさっていますか?
支援費制度の上手な使い方を一緒に考えてみませんか。
支援費制度
平成15年4月から始まった制度。行政が決定していた今までの措置制度に代わり、障害者自身が利用したいサービスを選択し、自分で選んだ事業者と契約を交わしてサービスを利用する制度。更生施設・授産施設・療護施設への入所・通所、デイサービス・短期入所・ホームヘルプサービス・グループホームなどのサービスが受けられる。
※利用するには、市町村へ利用の申請をし、支給の決定を受けることが必要。
※原則として本人および扶養義務者の所得に応じて金銭負担がある。(応能負担)
※65歳以上の方は介護保険が優先する。
ホームヘルパーの派遣
(1)食事・洗濯・掃除・買物等の家事介護(2)生活に関する相談助言
ガイドヘルパーの派遣
公的機関や病院などへ行く場合および余暇活動等社会参加のための徒歩や交通機関の利用による外出の付き添い。
支援費制度の利用例
・Aさん(60歳、女性、夫婦2人暮らし、視覚障害2級)
「自分でできるだけの掃除はするけど、細かいところをヘルパーさんにやってもらえるのでいつ人が来ても安心。支援費制度を使って本当に良かった。」と話してくれたAさん。
急に進んだ視覚障害と慣れない土地への転居で、外出がままならないこと、一生懸命掃除しても細かなほこりや汚れが見えないことを気にしていた。そこで支援費制度を使うことに…。買物と歩行訓練を兼ねてガイドヘルパー派遣と掃除をしてもらうためのホームヘルパー派遣を市に申請。4月から週に1度ずつそれぞれのヘルパーが来てくれている。自己負担は無し。
・Bさん(66歳、女性、一人暮らし、視覚障害1級)
66歳のため家事援助(掃除・買物)のホームヘルパーは介護保険を使っている。外出についてはガイドヘルパー派遣サービスを支援費制度で使っている。どちらのサービスも同じ事業者が行っているためスムーズに契約ができた。しかし、Bさん宅は市街地から遠いため外出が困難。ガイドヘルパーの運転で移動介助は受けられないことになっているので、市が独自に行っている視覚障害者の移動支援(チケット制)を使って車での送迎をしてもらっている。介護保険では病院への送り迎えは、運転手+ヘルパーの2人1組で来てくれるが「1度頼んだけど大げさなので気が引けて、それからは使ってない」とのこと。
・Cさん(43歳、女性、家族3人、視覚障害2級)
支援費制度が始まる前にはNPO法人「サポート2000」の移送サービスを1時間700円で利用していたが、支援費制度になってから1時間100円(月1,100円が上限)の応能負担で利用できるようになった。移動介護にガイドヘルパーを月18時間、家事援助のホームヘルパーを月3時間利用している。それぞれ別の事業所だが、役場で相談した結果、このようになった。
初め役場に行って相談したときは「月10時間の移動介護」と決まったけれど、県の相談員から「ぎりぎりの時間設定では突発的なことに対応できなくなるよ」と助言をもらい「月18時間の移動介護」に替えた。
家事援助については、掃除機をかけるぐらいの掃除だったので自分ですることにした。今は買物に行ってもらったり、郵便局に行ってもらったりに利用している。
「支援費制度を使ってすごく良かった。自分が一番大変だと思っていること、困っていることについて、役場に相談することが大事。そこからいい道が開けることがある」とCさんは語ってくれた。
・Dさん(59歳、男性、家族2人、視覚障害1級)
96歳になるお母さんの介護保険と自分の支援費制度を同じ事業所を使って週7時間家事援助のホームヘルパーに来てもらっている。調理・買物が中心。市街地に住んでいるため、移動介護のガイドヘルパーと一緒に徒歩で用足しに出かけたり、選挙に出かけたりしている。移動介護は1週間前に予約が必要なため、「今日はいい天気だから出かけたいな」という訳にはいかない。今の事業所が「土・日はしたくない」と言い出したため、融通の利く事業所に替えようと考えている。「事業所によってサービスがまちまち。いい事業所はどこかなど、いろんな情報を利用者同士で交換すると良いと思う。家の中に人(ヘルパー)が入るわけだから何かと気遣いが大変だけれど、契約のときにしっかりとやってもらいたい内容を話して割り切って使うことがいいのかも。」とDさん。
ここに登場していただいた方々はご自分のニーズに応じた上手な使い方をしていますね。お話をうかがって、「自分のできる限りのことはするけれど、できないところについては感謝しながら支援費制度を使う」という謙虚な姿勢を感じました。
不便だと思うこと、こうなったら良いなと思うことがあったら勇気を出して市町村役場に相談に行きましょう。まずは行動をおこすことが世界を広げる1歩になるようです。
皆さんも上手に支援費を使ってよりよい生活をめざしませんか??