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3、突撃インタビュー 〜伊藤さんの巻〜

「私が前向きに色変と向き合うようになったきっかけをくれた人なんです。」とは前回インタビューに答えてくれた愛ちゃん。見学に行った点字教室で「来週からいらっしゃいよ」と声をかけてもらったおかげで1歩踏み出すことができたそうです。点字教室の学級委員長みたいという伊藤さんを紹介していただきました。
―愛ちゃんに「学級委員長みたいな人」と聞きましたが?―
あら、そうねえ。女性で4月当初から入っているのが私だけで、男性陣は無口な人が多くてね。途中から入ってきた人にあれこれお世話してたから…お節介おばさんでした。(笑)

―点字を始めるきっかけは?―
点字教室があることは以前から知ってたんですけど、始める気はしなかったのね。でも急激に見えなくなって…主婦していると日常生活上困ることがいっぱい出てきたんですよ。例えば、電子レンジのボタンや缶詰なんか分からなくなっちゃうでしょう。だから生活に密着した点字を覚えたいって思うようになったのね。2月ごろかなあ、上毛新聞に募集の記事が載ってて、家族にも後押しされて始めたんですよ。
―そこで愛ちゃんに出会ったんですね。―
点字教室に通いだしたのは失明してまもなくだったので、毎週娘に付き添いをしてもらっていたんです。お昼ごはんを食べるときに娘が隣に座った愛ちゃんとお話をして、二人が同じ歳だということ、私も愛ちゃんも色変だということが分かって仲良くなったんです。中途失明と言ってもいろんな原因があるから、色変同士ってそれほど多くはないんですよ。それ以来、お互いに便利グッズの情報を教えあったりしています。

―新前橋での講習は歩行訓練もありますよね?―
ええ、それが、歩くのだけはだめで…。怖くて1歩が出ないんですよ。杖を持つことも抵抗があって。愛ちゃんに言われて杖を買ったし、可愛いレースのカバーをしてバッグの中に入っているんだけど、1度も使ったことがないんです。今一人で歩けるのは玄関から犬小屋までかしら。ゴミ出しも行けない…こういうと「甘えすぎだ〜」ってあぶちゃんに怒られちゃうんですよ。歩くことをしないので筋力が落ちてきちゃって疲れるんですよね。だから家の中の階段を上ったり下りたり…。

―伊藤さんはとてもおしゃれだと聞きましたが?―
おしゃれ大好き!!でも色柄を合わせるのって大変でしょ。だから、靴下は黒って決めているんですよ。それに合わせて洋服も考えています。上下のコーディネートがしやすいスーツや合わせやすいパーツを選んでいます。今は自分で買いに行くことができないので、娘に見立ててもらったり、インターネットで注文したりしています。いつでもかわいらしい服・きれいな服を着ていたいですものね。

―自称「お節介おばさん」という伊藤さん、いったいどんな?―
10円と100円の硬貨の見分け方とか紙幣の区別なんか、自分はこうしているよとか、主婦にとって生活上必要なものは何か、自分が困った経験から得たものを皆に伝えてきました。缶ビールに「おさけ」って点字ついているの、知ってました?中途失明の人って情報が少ないですね。私自身ももっと早くに、ロービジョンの頃にでもJRPSに入っていればよかったなと思います。
―最後に、愛ちゃんにひとことお願いします。―
愛ちゃんは自分の娘と同じ歳という事もあって本当可愛く思っています。ご結婚もしたことですし、気持ちを明るく楽しくして、幸せになってほしいと思っています。「いつも愛ちゃんのことを想っています。」

これからも仲良くしてくださいね。次回は伊藤さんから紹介していただきます。素敵な友達の輪がどんどん広がりますように
 


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