あぁるぴぃ広島 11号
■ご挨拶■
白根 雅子先生(しらね眼科)
電話番号 082-581-3383
先般は、医療講演会、交流会の講師にお招き頂きまして、有り難うございました。
皆様が疾患を理解され、それを受け入れて前向きに生きておられる事を 肌で実感
し、私も元気をいただきました。今後も、日常臨床において、皆様のお役にたてるよ
うな仕事をして参りたいと思っております。
さて、交流会の時に、いただいた宿題がありましたので、会報の紙面をお借りして
お答えいたします。
(質問) 血液検査などによる網膜色素変性症の遺伝相談はできないものでしょうか
?
(回答) 網膜色素変性症を起こす遺伝子を解明し、この病気の発生を予測したり、
治療するための研究はいくつかの大学等で進められています。しかし、網膜色素変性
症には、非常に多数の遺伝子の関与があるので、大変複雑な病態や遺伝形式を呈して
おり、現在はまだその一部が解明されているに過ぎません。一つの疾患関 与遺伝子
の解明に相当の年月がかかるので、遺伝子相談ができるようになるまでには、まだ年
余が必要です。
眼科領域で、遺伝子学的に疾病が遺伝するか否かを予測できるものは、現段階では
網膜芽細胞腫だけだそうです。
参考までに、広島では、今年、広島大学病院に遺伝子診療部という部門ができ、遺
伝子の解明が済んでいる疾患について 家族計画や疾患発生の予測につい ての相談
業務を、資格をもった専門医が行っています。
上記の理由で、現時点では、網膜色素変性症の相談はできないとのことですが、も
し、他の疾患などで聞いてみたいという方がありましたら、遺伝相談が可 能かどう
か問い合わせをいたしますので、おっしゃってください。(保険診療外なので、直接
行かれますと実費がかかります)
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