あぁるぴぃ広島 25号


■巻頭言■

  副支部長 藤井 貢
 6月17日の広島県支部総会に参加された皆さん、ご苦労様です。これに先立ち,6月9日JRPS代議員会が開催され,中長期計画と基金のNPO法人化が決定されました。詳しくは本部会報「あぁるぴい」で報告されます。JRPSは,治療法の確立とQOL(人生の質)の向上)の二本柱を基本として活動していますが,一方の柱である治療法の確立には,実際のところ僅かな資金提供が出来ているだけでした。有効な研究資金を提供するためには,やはりそれなりの努力が必要なわけで,しっかりした目標を持って資金作りを薦めることが今回の決定の趣旨です。治療法の確立というテーマを研究者に任せ,私たちはタダ待っているという姿勢から脱皮し,私たちも積極的に関与すべきではないかというのが今回の決定の趣旨です。JRPSが大きく舵を切ったという受けとめをされた方もいらっしゃるようですが,もう一方の柱であるQOLの向上というテーマを片隅に押しやるという趣旨ではないのです。こんなふうに私たちはまた一歩を踏み出そうとしているわけですが,意識して決定をしたわけではありませんが,私たちの踏み出した一歩は,実はこの時代に即したものだったのです。
 昨年末,国連において,「障害者権利条約」が採択されました。これまでの行政や団体などによる施設入所,労務提供や金品などを提供することを中心とする提供型の福祉から「当事者の権利保障」という側面から社会の在り方を組みなおす権利型の障害者支援へと大きく踏み出そうとする決議です。これまでの提供型の福祉が否定されたわけではありませんが、これからは,私たち一人ひとりが何を求め,どう生きたいのかというふうに自分自身やそれこそJRPSのような団体の在りようが問われる(それこそが,「自立」という私たちが求めてきたものですが…。)。時代がやってくるのです。
 もっとも,そんな時代は私たちが安穏としていて向こうからやってくるわけではありません。そんな意味からも今回の全国大会(本部)そして支部総会は大きな意味を持っていると考えています。ただ待つのではなく,他に依存するのではなく私たちのほうから積極的に社会に関与したいと…。

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