あぁるぴぃ広島 46号
■巻頭言
2013年新春 皆さん明けましておめでとうございます。
副支部長 藤井 貢(福山市)
巻頭にあたり、一言申し上げる機会をいただきました。
1 はじめに
昨年は、私達にとって大きなエポックを為す年となりました。
何と言っても一番大きな話題は、京大の山中 しんや教授がIPS細胞の開発など
の功績によってノーベル生理学賞を受賞されたことではないでしょうか。私もそうで
すが、皆さんも、JRPS・もうまく基金などの活動を通じて理化学研究所の高橋政代(
まさよ)先生などの活躍を早くから知っておりましたので、山中教授の受賞は、驚き
というよりは、むしろ喜びとして受け止められたのではないかと想います。なにやら
、名誉な気持ちさえしています。
国も山中教授などの功績を認められ研究費の大幅増額を決定されることからなど、
網膜再生医療などの急速な発展が期待されます。早ければ今年は、臨床試験などに着
手される見込みで、10年20年先になると言われていた治療方法の確立にも大きな
弾(はず)みがつきました。
もう一つは、いわゆる難病(特定疾患)の研究対象とされる疾病が大幅に拡大され
、医療費についても大幅な予算増が見込まれることとなり、一部の難病患者にも(障
害者)手帳が交付されることになりました。福祉制度の活用が容易になったのですこ
れまで、ただ将来に不安を抱えるだけだった私達の暮らしに光が当てられようとして
いるのです。
2 私達の暮らしは私達が…
国の障害者制度改革推進会議は、昨年9月「障害者差別禁止」部会が意見書を提出
して組織改変が行われ、現在法律の制定に向け検討が進められています。その一環と
して「障害者雇用促進法」が改正され、この春から企業などに義務付けられる障害者
雇用率が2.0%に引き上げられます。
また、昨年は、制度改革の一環として障害者総合支援法が成立しました。当初期待
された制度の抜本的見直しには至らず、成立までの経過を含めいろいろな批判があり
ます。それでもまた一歩前進したことに間違いはありません。あの厳しい政局の中に
あっても、私達の努力は報われる場合があることを忘れず幅広い運動を続けることが
大切だという経験をした一年だったのではないでしょうか?
もっとも、制度は制度。医療は医療です。私達の生き方までは保障してくれるわけ
ではありません。私達には、この制度を活かしてどのように安心して充実した暮らし
を作り上げるかが課題ではないでしょうか?昨年は、そういう意味では条件作りの年
でした。今年はそれを活かすための取り組みの年としたいと願っています。
3 おわりに
私ごとになりますが、私はこの3月で、めでたく?停年を迎えます。これまで副支
部長という役職をいただきながら、他の役職にかまけてここ数年なかなか支部活動に
参加できず、皆さんに失礼ばかりしていました。
さて、私は、支部設立準備会(それまでの下準備の時期からということになります
が・・・。)からずっと支部活動にかかわってきました。沢山の思い出もいただきま
した。
この活動に参加して何よりも良かったのは、会員の皆様に出会い熱い交流を重ねて来
たことではなかったかと思います。こうして停年までなんとか頑張ってこられたのも
「仲間がいる。」という自信があったからこそではなかったかと感謝しています。改
めてこの紙面をお借りしてお礼申し上げます。
私はJRPSの運動から多くを学びました。その経験を活かし地域においても微力なが
ら障害者雇用や福祉制度の充実に向け努力をさせていただくこともできました。いく
ばくかの成果もあったものと想っています。退職したからと言って、全ての活動から
身を引くわけではありません。未だ将来のことについては漠然としか考えていません
が、多少なりとも時間に余裕が出来るはずです。宜しくお願いします。
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