あぁるぴぃ広島 50号


■巻頭言

  私のJRPSとの10年
      幹事 荒尾 富士雄(広島市安佐北区)

 私が会員になったのはかれこれ一昔(ひとむかし)前のことになります。入会してみるとたくさんの情報が入るようになりました。RPの病気の事、遺伝や最先端の治療法について、また福祉制度や便利グッズ、等々でした。
 そんな中、ある日こんな言葉を耳にしました。「自立しているとは自分で何でも出来ることではなく、出来ない時には頼むことの出来ることを言う」と。その時、そうか、そうなんだと頭をガツンと叩かれたようでした。
 それから数年、うっかりしていたら何でもやってもらえる、やってもらおうと受け身の気持ちに傾いている私がいる。あらら、こりゃどうなんじゃろ…。
 さて、ここからはこの1・2年の私の体験です。
1. パスピーを使い始める。読み取り機はここら辺かなとあちこちかざしてみる。
ピピッと聞こえる。よっしゃOK.あまりもたもたしていると周りがほっとかない。
これまで怖くて現金にしていた。
2. 音楽会会場でボランティアさんにトイレへ手引きをお願いする。二度目は一人で行こうと決め、目印を頭に叩き込む。
3. エレベーターに乗る。ボタンを探す。3階は。開は閉めるは
4. 中華料理屋で酢豚定食を頼む。さあ、何が口に入るか。お膳の中の世界を探検だ。ちょっとワクワク。
5. ATMの前に立つ。受話器を取る。支払いを選択。9千と入力。ザザー。現金はどこに出た。キャッシュカードはどこだ。あったあった。そのうちパスピーのチャージもやってみようかな。
6. 我が家で使うシャンプーとリンスは区別がつかない。そこでシャンプーの首根っこに輪ゴムをかける。
7. 新幹線、在来線、バスと乗り継ぎ帰省する。途中のJRの対応は一人旅を可能にしてくれる。出会った人との話も楽しい。
8. WINDOWS8(エイト)にPCTALKER(ピーシー トーカー)をインストールしてみる。ドキドキ、こわごわ
 今、入会する前の私を想い出し、仲間探しをしています。手がかりは眼科の先生がお持ちです。先生は「たくさん、いらっしゃるんですが・・・。」と言われます。これまで理解ある先生のお陰で4人の方と連絡を取っています。
 人と人との出会いはまた出会いを呼び私の世界も広がっています。これまでのそしてこれからの出会いを大切にしていきたいものです。

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