あぁるぴぃ広島 56号


■巻頭言



「同じ障害を持つ方の集う場を求めている方は多いのではないでしょうか…!」
     幹事  岩崎 周市

 私が視覚障害者手帳を取得したのが平成10年(1998)9月末です。
網膜色素変性症は治療法がない。どうすることもできない難病のため、経過を見させてくださいと医師から言われた。ロービジョンの事は説明はなかった。
この先いずれは失明するかもしれないと思った。
 当時はまだ在職中でした。いきなり2級でしたが、まだ中心視力だけはあったので車にも乗っていました。
しかし年々視野も狭くなり車で事故をしたりと不自由さを感じるようになり、平成14年(2002)3月末で退職を決めました。
 さあ、これからの長い人生をどうしようかと悩みました。皆さんもそうだろうと思います。自殺をも考えた方もおられることと思います。私もその一人でした。
目の進行とともに、何もできなくなって家に閉じこもりになるのかと考えるようになりました。「私にできることは何だろう」と考えた時期もあった。
そんなときであったのが、音声パソコンでした。
既にワープロは長年使っていたし、在職中には、キャドも使っていた関係とIT講習会で一通りのことは習っていました。
当時はまだマウス操作が出来ていたので、後はキー操作を覚えれば使えると思った。時間はいくらでもある。
そこから私の新しい歩みが始まり、目の前が明るくなった。
 そこで 私が視覚障害者のパソコンに出会ったのが、平成15年(2003)の始めです。
当時は視覚障がい者の方は4人位だったかな?晴眼者の方が教えておられましたが、キーボード入力の段階でした。なかなか前には進んでいませんでした。
その当時は私も視力だけはかなりあったので、画面もマウスも見えていました。
 そこで視覚障がい者の音声パソコンも知ることが出来、指導に当たらせてもらいました。
その年の7月にノートパソコンと音声ソフトを導入して、マニュアル作りから始めました。
当時はマニュアルのテキストも見えていた関係で、そんなにキー操作には不自由を感じることなく入れました。
 平成19年(2007)より参加者も増えてきたので、広い部屋を借りて毎週1回の教室を続けていきました。数名のボランティアさんも時々覗いてくださいました。
多いときは16席の席も埋まりボランティアさんには立っていただきました。
 私たちは目の進行とともに段々と読み書きができなくなり地域との関わりも困難になってきます。その出来なくなった読み書きを可能にしてくれるツールの一つがパソコンです。
ぜひ多くの視覚障害者の方にパソコンを習ってもらいたいと思い、そんなボランティアを続けさせていただいています。
 今までにもいろんな方が参加されましたが、なかなか視覚障害者にはパソコンが普及しません。それは家族にも問題があると思います。
晴眼者でさえ難しいパソコンを、目が不自由になって使えるわけはないと思い込んでおられます。
またネット環境とかパソコンを買ったりとお金も必要です。
しかし最近ではほとんどの家庭ではネット環境もありますし、パソコンも使っている家庭も増えてきています。
目が不自由になって車にも乗れなくなりました。果たしてパソコンは贅沢品でしょうか…! 
私は視覚障害者にとってはパソコンと携帯電話は必需品と思っています。
 そこでパソコンですが、パソコンは情報障がいを克服してくれるすばらしい道具です。
とはいえパソコンは、昔に比べれば簡単になったものの、まだまだ難しい面もあり、また我々は音声で操作しなければならないというハンディーもあります。
しかし、そういう困難を克服して努力を重ねていけば、明るい未来が開けていきます。
 「パソコンを始めたいけど、どういうものか見てみたい」、「どんなパソコンを買ったら良いか判らない」、「始めてみたけど、よくわからない」等、相談も受け付けています。良かったら一度遊びに来ませんか?
 この定例会ですが、現在ではおしゃべり半分、パソコン半分と言った感じで楽しいサロン的な考えで開いています。
「障害がある人の中には1日中、家にいて『何のために生きているのだろう』と思い悩んでいる人もおられるでしょう。
同じ障害のある人が集う場を求めている人は多いはずではないでしょうか」 そのためには出る場所が必要なのです。
 そうですよね この目の病気 私も 同じような経過をたどって今を生かされています。この病 皆さん 多かれ少なかれ通る試練ですよね。
50歳半ば眼科で病名と、先には失明する 今の医学では手立てが無いと宣告された時の奈落のそこに引き落とされたようなショック「見えてる内に死にたいと思いつづけた日々。
それが 今は、こんなに活き活きと生きれる人生を歩かせてもらえるとはゆめゆめ思わない生き方をさせていただいてます「感謝です」
私より まだまだ しんどい生活をされてる人も多いことでしょう。
無くなった幸せを思うより 一杯残ってる幸せを感謝しながら 支えて下さるすべての皆さんに感謝を持って笑顔で生きて行きたいですね。
与えられたさだめの中 精一杯生きねばなりませんね、「がんばりましょう」

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