巻頭言


    『扉を開く』

  安芸郡府中町   Tさん

JRPS広島会員のみなさま、いつもお世話になります。
G7サミットやフラワーフェスティバルなど続々と大イベントが催される中、毎日蒸し暑い日々が続きますね。みなさまは元気にお過ごしでしょうか。
今回は、僭越ながら『扉を開く』をテーマに巻頭言を書かせて頂きます。
振り返るとここ数年、たくさんの「扉」が開けたように感じます。扉が開くと世界が広がり、新しいものが見えるとともにこれまでのことを顧みるきっかけになりますね。
勇気の扉
私はJRPSへ入会し約1年です。RP診断から15年以上、会の存在は知っていながら勇気が出ず入会せずにきました。身近に会員の知り合いも、病気のことを分かち合える仲間もいませんでした。
ご縁で出会った会員さんが背中を押して下さり、JRPS広島と同時にユース部会へも入会しました。
様々な方と出会い、安心して悩みが共有できる仲間を得ました。色んな方の話を聞くことで奥深いRPの世界を知り、自分を知り。見えにくさを抱えながらも明るい仲間と一緒に笑えることが、さらに次の扉をノックする勇気をくれます。
あの時私の扉をノックし背中を押してくださった会員さん、本当にありがとうございます。
目の扉
目の扉といえば瞼ですが、視覚障害者の「目」は五感全てですよね。ふと、無意識に他の感覚を頼りにする自分に気づくことがあります。
個人的には、食事の香りを楽しむようになったこと、息遣いや声で子供の機嫌を察知できるようになったことは、家族の誰にも負けない特技です。RPになって大収穫です。
言葉の扉
元々お喋り好きではあるのですが、人と話すことで満たされ、様々なことを得る自分がいます。
自分が感じたこと、言葉にしづらい気持ちや感覚、話すことに気が引けるようなコアな悩みも、とりあえず口に出してみるようにしています。
これも日々の訓練なのですが、口に出すことで思考がまとまり、より人と繋がれる気がします。自分をもっと受け入れられるようにもなってきています。
と一例を挙げましたが、この1年はたくさんの扉を開き、良い意味で変化の多い激動の日々でした。これからもみなさまとの出会いを楽しみながら、自他共に色々な扉をノックできる人間でありたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

次へ 目次