4.情報・お知らせなど

※患者・家族のつどいの質疑 その1
    岡山県難病相談・支援センター主催の患者・家族のつどいが6月に開催され、松尾俊彦先生(岡山大学病院眼科准教授)がご講演の後、参加者の質問にお答えくださいました。また、当日参加されていた守本典子先生(岡山大学病院眼科医師)も、専門であるロービジョンケアを中心に、ご説明くださいました。
    その質疑の内容を岡山県難病相談・支援センターのご厚意で、今号と次号に分けて、掲載させていただきます。
    質問どうして突然網膜色素変性症になるのでしょうか。
    松尾先生
    ある日、突然診断されるから突然なるということだと思います。たまたま今まで困ってなかったから眼科に行かなかったかもしれません。ある程度困っていたけど、上手に工夫して仕事なり生活を送ってこられたのでしょう。ある日突然眼科に行って、網膜色素変性症と言われたのが、突然だったと思います。あくまでこの疾患というのは、生まれた時からはじまっているわけです。少しずつちょっとずつ、さっき話したように変化が、例えば長い人生の70年の間に、少しずつ起こっていくわけです。それは決して突然ではないわけです。たまたまその時に気がついたとか、たまたま眼科に行ってわかったというのが多いです。白内障もそうです。白内障もある日突然真っ白になって見えなくなるわけではないですが、1週間前から見えなくなったと眼科にこられて、よくみると白内障で、それに1週間前に気づいたんですね。人間は意外と気がつかない事が多いんです。でも、気がつかない事は幸せなことかもしれません。

    質問

    現在は定期的に通院し検診して目薬をさしています。網膜色素変性症は何が原因で起こるのでしょうか。私は右眼だけです。今までの生活の中で異物 (草刈中に小石・その他ゴミ)が右目にしか入りません。不思議に思っています。
    松尾先生
    基本的には遺伝子異常です。ただ、遺伝子といっても500個くらいの遺伝子が今見つかっていまして、その中のひとつが異常です。同じ遺伝の異常といっても、DNAの配列が変わる場所も人によって違う事が多いです。そしてこの方は、左が見えなくて右目だけが視力が残っているんだと思いますが、これも不思議なことで、こういう方は多いです。一番僕が気の毒だと思うのが、例えば、網膜色素変性症の方ではないのですが、左目が何らかの原因で失明していて、片目だけの方はけっこういらっしゃいます。それで、その方がケガをする場合は、大抵いい方です。使っているほうがそっちだからか。見えないほうの目をケガしたらなんら問題はないのですが、いいほうの目です。だからやはり片目だけの方はそういうことになりやすいです。ケガをしたりぶつけたり、草刈のときにごみが入ってきたりとか。多分良い方の目だけを使って何かをしているからだと思います。そういう意味でも普通以上に注意を、例えば保護メガネをかけてやる、非常に安くて便利ですから保護メガネをかけて草刈をするとか、これも自分を守るためです。自分はある意味不利だから、さらに不利にしないように、自分で守らないといけませんから、そういうふうにして頂きたいと思います。
    センター実は右が網膜色素変性症で、右0.1 左 0.9だそうです。
    守本先生悪い方の眼を受傷しやすいのは、物が近づいてくることに気づきにくく、一瞬目や顔をよけることによる防御反応が遅れるためではないでしょうか。いずれにしても、もともと2分の1の確率でどちらかの目に入るわけですから、よほどたくさんの怪我をし、それが偏っているなら、という話ですけれど。離れた位置で早めに気づくのは、どちらの目に向かっている物であっても、良い方の目で捉えるはずですからね。それでも間に合うかどうかぎりぎりのところでは、見えている目の方が有利でしょうね。松尾先生が話されたのは、良い方の目を怪我した場合の方が医療機関を受診しやすい(見えていない方の目はあきらめて大学病院まで来られないか、両眼を奪われる視覚障害にはなりにくいために先生の印象に残りにくい)ので、そういう不幸な患者さんをたくさん治療されている先生ならではのお答えと思います。

    質  問

    網膜色素変性症と診断され、1年が経過します。当時は落ち込み毎日塞ぎこんでおりました。一番ショックだったのは50%の確率で遺伝すると聞いたことです。私には孫が2人います。もし遺伝したらと思ったら申し訳ない気持ちで一杯です。前もって発症しないように予防出来るものなら孫にさせます。それが出来ない病気だからつらいのです。なにか予防策はないものでしょうか。また、私自身もこれからこの病気とどのように向き合い、日々の生活を過ごしていけばいいか、つどいに参加して少しでも参考になればと思い申し込みました。
    松尾先生これは優性遺伝であれば、という話です。どちらかひとつの遺伝子が異常を持っていて、その異常の方の遺伝子が子どもに伝われば優性だから出るということです。親が網膜色素変性症でなければ、優性ではないでしょうから、孫に遺伝するはずはないです。前もって予防出来るものなら・・・残念ながらこれはわからないです。でも、家系を調べますと、遺伝子が伝わっていても発症しない人は実はいます。ですから必ずしも遺伝するわけじゃない。それからぜひ皆さんとお話になって下さい。きっと良い知恵をもらえるでしょう。皆さん同じように考えて来られていますから、何か良い解決策があると思います。

    質問

    孫に症状が出るのでしょうか。
    松尾先生孫のお父さん、お母さんに症状が出ていなかったら出ません。優性であっても出ません。劣性であればなおさら出ません。

    質問

    子供、孫への遺伝を心配しています。
    松尾先生
    これも何回も言いましたが、お子さん達の眼底をみれば、網膜色素変性症であれば恐らく変化は出てくると思います。ですから、出てなかったら、ないです。それから遺伝形式がどうか。例えば、いとこ結婚があったかどうか、そういうことがなければ、劣性遺伝の可能性は減ってきます。あるいは、いとこ結婚でなくても同じ村の中で結婚したとか、そういう情報があれば劣性遺伝の可能性が出てきます。簡単にいえば、その子どもさんの、眼底に異常がないかどうか。なかなか眼科に行かないという場合は、暗いところで見えているかどうか、観察してみたら良いと思います。普通の人といっしょに暗いところに入って、同じように目が慣れていたら網膜色素変性症ではありません。夜盲はないですから。それで想像がつきます。孫たちの行動も見ていたら良いですね。孫はいくつかわかりませんが、暗いところに入って見えているようだったら心配ありません。ただあまり小さいとき、例えば5才か6才だったら夜盲は出てないかもしれません。中学校くらいになってから、ある程度網膜の変性が進行した段階で夜盲は出てきますから。様子を見ることは大切です。横から物が見えているかどうか、見ていたらわかりますから。言いにくいようでしたら、それとなく観察していたら良いと思います。大丈夫でしたら安心されると思います。

    質問

    皆さんの生活ではどのようなことが困っているのでしょうか。私の場合は階段の段差等がわからない、「つまづく」「転倒する」などがあります。
    松尾先生
    これは皆さんよく言われますが、視野が狭い影響です。僕もよく疲れていると階段を踏み外しますが、暗がりなどでもう一段あると思ったらなかったりします。皆さん視野が狭くて夜盲があればなおさらだと思いますが、用心するしかないです。用心してゆっくり、あまりぽんぽん歩かないように、自分の身を守ると言うことです。僕自身もそうなのですが、人間歳をとっていきます。それだけでも衰えます。僕が20代の頃なら階段を踏み外しても大丈夫でしたが、あと20年位したら多分足を折るのではないかと思います。人間は確実に歳をとりますから予防しないといけません。それは誰でも同じです。歳をとれば反射は落ちるし、これは皆さんが網膜色素変性症だから反射が落ちるのではなくて、歳をとるからです。これはしょうがないです。生物はそういうものです。そうなったら用心しておとなしくするしかないと自分ではいつも思っています、皆さんも用心して下さい。

    質問

    食事のとき目がうるんで食器の中が見えなくなる。食事が終れば見えるようになります。はっきりとは見えません。パーキンソン病と関係がありますか。現在視力 右0.04 左0.9 ハンドバックを開いた時、中が見にくい。
    松尾先生
    こういう症状は聞いたことがあります。これは他の疾患と関係がありそうな症状です。食器の中が見にくいのは、お茶碗を黒くするとか。それはきれいで生活の面でも良いことです。食事のときに見えにくいのが、網膜色素変性症で区別がつきにくいから見えにくいのか、食べたりしたときに血流が変わりますから、そういう関係なのか、ただこの方の場合、右0.04、左0.9ですからすごくいいです。78才でこれだけ見えたらすごくいいです。ハンドバックの中が見えにくいというのは、中が黒いから、白か何か他の色に変えたらいいです。自分の身を守る為に白黒のコントラストをはっきりつけたらいいと思います。
    守本先生
    食事のときに目がうるむ、と言うのは咀嚼運動で涙が出るワニの目現象ではないでしょうか。食事をしなくてもあごをガチガチ噛むようにして涙がうるまないかどうか、確かめてみられてはどうでしょうか。網膜色素変性症ともパーキンソン病とも関係ないと思います。バッグの中を見やすくするために、面倒でなければ、ペンライトのような小さな光源を入れておくといいかもしれませんね。暗いところで鍵穴を見つけるときなどにも便利です。

    質問

    現在手術に向け研究中とテレビで見ましたが、高齢者でも受けられますか。
    松尾先生
    当然受けられると思います。網膜色素変性症で見えなくなるのは歳をとってからなんです。若いうちは見えていることが多いんです。一番いいのは進行予防です。進行を止めてしまえば最良の治療なんですが、進行して視力が落ちて見えなくなった場合、人工網膜を使うとか細胞移植を行うとか、そういうことをするのは高齢になってからです。こういう手術は局所麻酔ですから、安全に出来ます。今はすごい高齢の方でもいろいろな手術を受けられていて、何ら問題はないです。例えば、心臓バイパスや胃がんの手術を80才でしているとか100才で白内障の手術をされたかたもいらっしゃいます。僕自身も90何才の方の白内障の手術をしたことがありますが、なんともないです。

    質問

    昨年失明するといわれショックを受けて全身状態が悪くなり胃ろうをつけた。栄養状態が良くなったせいか、視力が良くなった。0.3〜0.5見える。白内障の手術の適応になるだろうか。
    松尾先生
    84才で0.3〜0.5見えたら失明しません。ですからこの失明するというのはウソです。白内障はあるかもしれませんね。加齢性白内障です。網膜色素変性症があれば通常より早く白内障が出てきます。白内障がある可能性は高いです。でも失明すると言うのは違います。84才でこれだけ見えたらいうことないです。その視力を大事にして頂きたいと思います。

    質問

    現在、メチコバールがなくなったということで、カリクレイン錠だけ飲み、ヒアレイン点眼液と人工涙液マイティア点眼液をさしていますが、このままでいいのでしょうか。右は光のみ、左は0.03です。TVが一番楽しみですが、画面がもう少し見えるようになる機具があれば教えて下さい。
    松尾先生
    薬は多分これでいいと思います。テレビですが、これは部屋の明るさを調節したら見やすい明るさというものがあるかもしれません。よく網膜色素変性症の方のお話を聞いていると周りが明るいといけない、見ようとする所だけ明るくすれば見えやすい、といわれますので、例えば、そのテレビの画面の大きさがどのくらいかわかりませんが、その部屋の明るさを色々変えてみるとか、照明が上からか横からかわかりませんが、そんなことも変えてみられたら意外とよく見えるかもしれません。だから、それは自分で探してみないといけないです。自分で一生懸命やってみないと。いろんな明るさ、暗くするというのは難しいですけど、ひとつは電気を試しに消してみるとか、段階がついた電気だったら段階を変えてみるとか、それから、白色灯と黄色い光がありますね、そういう色合いによっても多分変わるでしょうし、とりあえず部屋の電気を消してみて、暗いところが見にくいからその分不利なのですが、テレビの画面が明るいから意外と見えるかもしれません。色々工夫してみられたらいいと思います。
    守本先生視力が低すぎるとあまり効果がないかもしれませんが、テレビ用の便利グッズもあります。ロービジョンクリニックで紹介は出来ます。

    質問

    視力はどんどん落ちています。今飲んでいる薬は必要なのでしょうか。
    松尾先生
    薬については先ほどお話しましたが、皆さんが飲まれている薬というのは、30年前の基準において、これは効果があると厚生省が判断をして承認されている薬です。ですから、現在の基準においてどうかというとわかりません。もう一回やり直すのも大変です。網膜色素変性症というのはゆっくりゆっくり進行しますから、現在の基準でやり直そうと思うと例えば5年ぐらい、飲む人と飲まない人を分けて、要するに偽の薬を飲む人と、それから本当の薬を飲む人をわからないように分けて、5年間飲んでもらって、進行がどうだったかというのを評価しないと出来ないと思うんですね、現在の基準では。でも、そんなことは不可能です。ですから、現在の基準ではわかりませんが、当時の基準ではこれは効果があると判定されていますし、今、30年間使ってきて大きな副作用は全く無いです。そう言うことを理解されて飲んでみようと、やっぱり飲んでいた方が調子がいいと思われるのだったら続けられたらいいですし、飲むのが面倒と思われるのだったら止められても、そんなに大きな影響は無いと思います。

    質問

    今までアダプチノールを飲んでいたが、3月から薬がない。かわる薬がありますか。
    松尾先生
    これ、無くなりましたね。これは、僕も困っています。どう言うわけか製造中止になっています。どういう理由で製造中止になったのかよくわからないのですが、これは、基本的に暗順応を良くする薬です。飲んでいる方の話を聞くと、やっぱり飲んでいた方がいいというふうに言われる方が多いです。ただ、現状では手に入らないのは間違いないので、どういういきさつで、製造が出来なくなったかよくわからないのですが、ないものは、現状ではしょうがない。

    質問

    平成9年からアダプチノールを飲んでいまして、今年の3月でなくなり、とても不安です。そのアダプチノールで今まで視力がもっていたのかなと感じています。アダプチノールはもう入らないのでしょうか。変わるお薬はないですと言われました。
    守本先生アダプチノールは、ビタミンAと構造が似ていて、作用も似ています。一時的な暗順応の促進や一時的な視野の拡大と言われています(有効と記載した古い論文は、とても何週間、何ヶ月という短期の結果であり、症例数が少なく、比較試験もしていないので、現在の基準では効果を認められないようなものですが)。それで、同じ効果と証明されているわけではないけれども、代わりにビタミンAを出す眼科医もあるそうです(逆に、これを機に処方を止める、と言う眼科医もいます)。どうにも心配なら、野菜などでビタミンAを多めにとるとか、うなぎを毎日食べるわけにもいかないので、薬局で肝油を求めるなどされてはいかがでしょうか。ただ、飲んでいるときに見やすい、ということのある人たちがいる、というだけで、長期的な予防の効果は証明されていませんので、私は、アダプチノールを飲まなくなったら余計に進む、とは思っていません。なので、切れても心配していません。岡大病院でも、網膜色素変性の研究をよくしているような大きな病院でも、積極的には投薬しておらず、新しく診断された患者さんには出していないくらいです。継続したいという希望のある人にだけ出している、というのが現状です。また、アダプチノールは原材料の調達不足のために今は極少量しか生産出来ていませんが、製薬会社の人の話だと、「いつとは言えないが、また供給出来るようにする」とのことでした。このようなことですから、飲んでいると見え方が良く、止めると悪い、と言う人は再開されたらいいと思いますし、そうでない人は飲まなくても気楽に過ごしていればいい、と思いますよ。

    質問

    今年の3月頃に東北大学の先生が「青藻」を使った研究の発表をされていました。この様な研究が実際の治療に反映されるには、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。また、このような研究はどのくらい進んでいるのでしょうか。
    松尾先生青藻は水の中にいる青い藻です。あれもちゃんと光を感じるんです。光を感じる蛋白を持っています。光が当たると蛋白の構造が変化して、膜電位、さっきいった細胞膜の電位が変化するような蛋白質をもっているんです。青藻の蛋白質を作っている遺伝子を取ってきて、網膜色素変性症をおこして見えなくなったラットの目に導入すると、青藻の光を感じる蛋白が作られます。それがラットの神経細胞へ出てきたわけです。そうすると、本来はそのラットは、光を浴びてもなにも反応しないのが、光を感じることが出来るようになったんです。ですから、治療としては可能性があると思います。青藻の光を感じる蛋白質の遺伝子を見えなくなったラットに入れることによって、光はわかるようになる。恐らく光だけと思います。ですから同じように人間でもやればそういうふうになる可能性はあります。今まで全く真っ暗だった人が、明るい暗いくらいは、わかるようになる可能性はあります。でも、現在この研究はラットのところまでです。当然、人にやろうと思うと人への研究というのは、安全性と言うのが一番大切です。危険なものは、どんなに効果があってもだめです。治療としては成り立たないです。ですから安全性をちゃんと調べて、効果はわかっていますから、臨床研究というのは見えなくなった患者さんに、その遺伝子を入れてみて、見えるようになるかどうかっていう研究へ進んで行くと思います。でも、恐らくこれは、まだまだ。青藻の研究は別に日本だけではなくて、世界中のいろんな国でやられています。

    質問

    今年に入ってES細胞やiPS細胞による網膜再生についての報道がありましたが、実際の治療の見通しはいかがですか。また、臨床実験などに登録することは出来るのですか。
    松尾先生ES細胞やiPS細胞が臨床研究に入るのは当分先です。だいぶ先と考えた方がいいと思います。そのES細胞とかiPS細胞というのは何にでも分化する細胞です。人間の受精卵から取ってきたのがES細胞です。では受精卵をどうするのという倫理的な問題があって、そういうES細胞と同じようなものを、遺伝子を入れて作るというのがiPS細胞です。iPS細胞は受精卵を使わなくていいから、倫理的な問題が少ないと言われています。これを実際に治療に使おうと思うとES細胞やiPS細胞を育てて分化させて、網膜の光を感じる視細胞にまで持っていって、それを目の中に入れて目の中でその細胞が死なないように生かして、それから目の中の他の細胞と神経がつながるようにしないといけない。それではじめて見えるわけですから、そこまでいこうとすると、相当、時間がかかります。ですから、可能性はもちろんありますけど、今すぐ臨床研究が出来る段階ではない。でも多分、20年後にはわかりません。20年後には、実際そういう治療が行われているかもしれません。臨床研究というのは、基本的に公開です。審査を受けて、特にこのES細胞を使う研究というのは非常に規制をかけています。だからちゃんと国の審査機関もあって、実際研究を始める前には審査を受けて、許可を得て、それから公表されます。公表されたら参加者募集されますので参加することは出来ると思います。

    質問

    病気の進行について聞きたい。
    松尾先生基本的には、そんなに進行しないです。だから、1年・2年で、あっという間に悪くなるということはありません。ただ、よくお話を聞いていると、ある時期ガクッと悪くなるということはどうもあるみたいです。だから今まで0.5くらいをずっと維持してきてなんとかなっていたのが、ある時期ガクッと0.1まで落ちるという時があるようです。それからはずっとそこで安定しているんです。だからそこから先どんどん見えなくなるわけじゃなくて、進行をみているとそんな感じです。でも、基本的には、そんなにどんどん進行する疾患ではありません。
    守本先生
    他の講演会で、急に見えなくなった感じがする人への回答に、「同じスピードで進行していても、ご自身に感じられる様な場所、中心部などにくると早く感じられるのではないか」という説明をされていました。そういったことも理由の1つにはなるでしょう。他に、本当に急に進んだのかも知れないし、白内障とか黄斑部の浮腫のような合併症が起こった、というようなことがある場合もあります。

    質問

    現在既に4割は駄目になっていると主治医に言われていますので、これからどんな状態になっていくのか、そういった症例の載ったような資料とか本があればご紹介下さい。
    松尾先生4割ダメになっているといっても、一向に困りません。人間の能力は見える、聞こえる全てそうですが、例えば10あるとします。10あっても実際に使っているのは1くらいなんです。だから、あとの9割は、予備というか、蓄えみたいなもので、利用はあまりしてないです。ですから、この方が4割ダメになっているということは、まだ逆にいえば1割使っているとすると、余力が9割あったのが5になっただけですね。別にそんなにたいした状態じゃないと思います。すぐにこれで4割ダメになったから困るというと、そうではないと思います。なんでもそうですが、われわれは全てを使い切って生きているんじゃないです。余力をいっぱい持って生きています。ただ、網膜色素変性症になると、人と比べると余力が少ないです。余力が少ないから、大事にしないといけないし、上手に使わないといけないわけです。例えば、ちょっと疲れたり体調が悪かったりすると通常だったらそんなに困らない、見えなくなったりしないですが、余力が少ないと、ギリギリのところで見えているとしますよね、そうすると疲れると、当然体は細胞で出来ているわけで、細胞も疲れますから、その分見えにくくなったりします。だから、無理をすると見えにくいとか、そういうことはあると思います。ただ、余力が人より少ないから、4割ダメだからダメかというとそんなことは決してないです。生命というのは余力をたくさん持っているから大丈夫だと思います。


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※『視覚障害者を対象としたフラダンス教室』開講
    フラダンスとは…
    癒しの音楽とも言われるハワイアン音楽にのって踊るダンスです。手の動きはすべて手話になっていて、歌の歌詞を手で表現します。
    簡単な足のステップを組み合わせて踊りますので、年代を問わず誰でも気軽に踊れます。また、ゆったりとした動きの有機酸素運動なので体に負担を掛けることなく、運動不足の解消に最適です。
    公認インストラクターが、丁寧にお教えしますので、安心してご参加ください。
    ココロも体も癒してくれるフラダンスを一緒に踊りましょう!!
    日時 第2、第4(日曜日) 10時30分〜11時30分
    月謝 1レッスン 1.000円
    場所 岡山市中山下 ビジネスホテルすみ半ビル5F
       ハウオリズ マサコアケタ フラスタジオ内にて
       天満屋バスステーションの西側
       天満屋駐車場の南側になります。
       ご連絡を頂ければ、天満屋バスステーションまでお迎えに行きます。
    ※無料体験レッスンを随時行っています。 お気軽にお問い合わせください。
    ※お問い合わせは、JRPS岡山県支部まで
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5.ご寄付いただきました
     下記の方々よりご厚志を賜りました。厚くお礼申しあげます。
      (順不同)
      高橋 温子 様 他

     引き続き、JRPS岡山県支部では、皆様からのご寄付を募っております。いただいた寄付金はイベント等の運営費、会報の発行費用などにさせていただきます。なにとぞよろしくお願いいたします。

     【お振り込み先】
     下記の郵便局の口座までお願いいたします。また、通信欄に「寄付」とご記入いただきますと幸いです。
     なお、ご寄付いただきました方は、上記のように、お名前を会報等でご紹介させていただきます。もし、匿名での寄付をご希望の場合は、お手数ですが、その旨、通信欄にご記入ください。

     記号・番号 01340−2−82844
     加入者名 JRPS岡山県支部

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6.編集後記
     いよいよアイフェスタが目の前に迫ってきました。今回は前回以上の、ほんとうに多くの方々が協力してくださっています。そして、ほんとうに真剣に取り組んでくださっています。ありがたいことです。
    ただ、こうした協力があっても、私たちの生活の質は自ら動かなくては向上しません。じっと待っていても、何も変わらないのです。
     岡山で開催する2年に1度の大イベント。皆さん、ぜひおいでください。皆さんの生活の質を向上させるヒントが見つかるはずです。
    (奥村)