質問3
「最近見えづらくなり、歩行がおぼつかなくなりましたので、白い杖をついたほうがよいかと考えています。アドバイスをお願いいたします」

(茨城県・女・51才)

<回答>
(回答者:国立身体障害者リハビリテーションセンター 中西 勉 先生)

 

 見えづらい方の多くは、外出時に人や物への接触、階段を踏み外すなどの経験をしています。これらを防ぐ方法として杖の利用をお勧めします。白い杖(白杖)は全盲の人だけではなく、見えづらい人にとっても便利な道具です。白杖を持つ目的は(1)安全の確保(2)情報の入手(3)眼が不自由な人のシンボル、です。見えづらい人でも白杖を利用すると歩行中の安全性が高まったり、困った時に他の人の協力を得やすくなります。

 訓練を受ける方法としては次の3つが考えられます。(1)長期(他の訓練を含めて数ヶ月から1年くらい)の時間を割ける人は、訓練センターで訓練を受けるとよいでしょう。訓練センターはどこにあるのか市町村の福祉課で分かると思います。(2)自宅への出張訓練を受けられる自治体もあります。市町村に相談してみてください。(3)数は少ないのですが、ロービジョンクリニックでも外来や入院で歩行訓練を行なっているところがあります。近くにそのようなロービジョンクリニックがある方は相談をしてみて下さい。

 白杖の入手は日本盲人会連合用具購買所(03−3200−6422)、日本点字図書館用具事業課 (03−3209−0751)、東京ヘレンケラー協会(03−3200−1310)、ジオム社(06−6463−2104)等で可能です。また、地域にある視覚障害者団体が扱っていることもあります。白杖は1本のままの杖(直杖)と縮められる杖(折りたたみなど)に分けられます。単独歩行に必要な白杖の長さは、みぞおちのすぐ上の骨の高さに5から10cmを加えた程度の長さです。白杖を持つと安全性が高まりますので、外出時にはぜひ持つことをお勧めします。


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