会報誌ビッグスワン第61号より<巻頭言>
自分に起きる問題はたいていの場合なんとかなる
山陰網膜色素変性症協会 会長 矢野健
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
さて、今年は、十二支の六番目巳年(蛇)です。執念深い動物というイメージのある蛇ですが、その一方で、恩を忘れずに返す動物とも言われています。中国には、隋の王が救った蛇が夢に現れて財宝を捧げていったという話が伝わっています。
蛇は、古くから豊穣神・天候神として信仰の対象とされてきました。脱皮をする蛇は「復活と再生」を連想し、不老長寿や強い生命力につながる縁起のいい動物と考えられたのです。また、蛇は餌を食べなくても生きながらえるため、「神の使い」としても崇められてきました。
皆様は、巳年の年頭に当たり、どのような目標や何か新しい行動など計画を立てられたでしょうか。私は「自分に起きる問題は、たいていの場合、なんとかなる」という考え方を記します。なんとかなるかならないかは、気の持ちようで決まるということです。
まず「なんとかしよう」という思考をストップさせます。それにより、「どうしてこうなったんだ」とくよくよしたり、なんとかせねばと慌てたり騒いだりするじたばた止まると思います。そうして心が落ち着いたら、前を向いて大きな声で言いましょう。「なんとかなるさ」…と。あとはクリアになった頭で、少しでも事態がよくなるようできる限りのことをするのみです。努力を続けていれば、やがて起死回生の機は熟すはずです。それは、「努力という因が、チャンスという縁を結ぶ」ということです。何がっても楽観的に前を向いて努力すれば、必ずチャンスをつかめます。一歩外に出れば、自然が息づいています。二季化が進んでいるとはいえ、確実に春夏秋冬が繰り返されています。冬は寒さを、夏は暑さを、秋は涼しさを、春は温もりを体で感じることができます。移ろう四季を映す草木や花々に心が癒やされます。自然には私たち人間が日常的にため込んでいるストレスを吸収し、“無毒化”してくれる作用があると思います。
この一年、いろいろな災害や事件が起こるかもしれませんが、豊穣・天候神としての蛇の恩恵を受けつつ、「なんとかなるさ」と乗り切られることをお祈りいたします。