2025年山陰網膜色素変性症協会 第30回定期総会及び研修会の報告

報告者 山陰網膜色素変性症協会 事務局長 矢野美和子

令和7年4月20日(日)10時30分から15時まで、米子コンベンションセンター302研修室において2025年山陰網膜色素変性症協会第30回定期総会及び研修会を開催しました。「見えづらい私たちの日常をよりよくするために、少しでも見えやすくなる補助機器や生活の工夫について知り、福祉制度について学びましょう。講演を通じて、病気の詳細や自身の見え方について知り、自分の目との付き合い方を考えると共に、難病法の改正点等を知り、生活に役立てましょう。そして、家族や支援施設の方は、見えづらい私たちがどのようなことに不便を感じたり困っているかを知り、介助方法や支援できることを学びましょう。」という目的での開催です。参加者は患者家族が12名、ヘルパーと通訳者が8名、ボランティアさんが5名、来賓と講師が5名、関係者が3名の合計33名でした。

最初に、山陰網膜色素変性症協会の矢野健会長より開会あいさつがあり、次に鳥取県福祉保健部健康医療局健康政策課がん・生活習慣病対策室の室長川本かづ代様より来賓あいさつをいただきました。

講演1は、「鳥取県の視覚障がい者支援策について」というテーマで、講師は、鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局障がい福祉課生活支援・指導担当の金山雄哉さん。講演2は、「難病対策について(難病法改正など」というテーマで、講師は、鳥取県福祉保健部健康医療局健康政策課がん・生活習慣病対策室係長の岡梓さんでした。

次は、日常生活の補助機器や用具等の説明と体験のコーナーで、講師の鳥取県ライトハウス点字図書館の赤星亨さんより用具や機器の紹介をしていただき、その後体験の時間を設けていただきました。実際に「あしらせ」の体験をされた方からは、「ブルブル震えるのが足の横とか裏で感じることができた。右や左に進むのは慣れが必要だと思った。」という感想をいただきました。

昼食、休憩の後、午後は医療講演会で、「網膜色素変性症の病気の理解と治療、上手な付き合い方について」というテーマで、鳥取大学医学部附属病院眼科の三宅瞳先生にお話ししていただきました。眼の構造、見える仕組みと眼の病気、網膜色素変性症との付き合い方、最新の治療法の情報などの内容でした。自分の症状を理解して普段の生活で気を付けること、ロービジョンケアの重要性、それを生活に取り入れることの大切さについても教えていただきました。講演の後の質問には、「白内障の手術のタイミングで網膜や視神経の機能がどれくらい残っているか調べることはできるのか。」「遺伝子検査はどこで受けれるのか。」「最近は眼科受診をしてないがそれでよいのか。」「この病気で見えにくいことがストレスになり進行するのではと聞いたが本当なのか。」「白内障の手術を考えているが、どのようなタイミングで手術したらよいのか。」などがありました。三宅先生は一つひとつに丁寧でわかりやすくお答えいただきました。

その後は、山陰網膜色素変性症協会第30回定期総会で、すべての議案を承認いただきました。

今年の定期総会と研修会は鳥取県米子市で行いました。今回、鳥取県独自の事業などのお話を参考にしながら、島根県でも事業やサービスに結び付けていただけるような発信をしたいと思います。

ここから写真が6枚あります。


  • 司会進行をしているJRPS山陰の広報担当の田中理恵子さん(右側)と事務局長の矢野美和子(左側)

  • 来賓あいさつをしておられる鳥取県福祉保健部健康医療局健康政策課がん・生活習慣病対策室の室長川本かづ代さん

  • 機器と用具の体験コーナーの説明をしておられる鳥取県ライトハウス点字図書館の赤星亨さん

  • 機器や用具を体験している参加者のみなさん

  • 医療講演をしておられる鳥取大学医学部附属病院眼科の三宅瞳先生

  • 会場後方から写した参加者の様子

(写真説明はここまで)

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