アイフレイルってなあに?

島根県眼科医会 副会長 野田佐知子

フレイルとは、健康な状態と要介護状態との間の段階を指します。「身体的フレイル」を中心に「精神・心理的フレイル」「社会的フレイル」、「オーラルフレイル」が相互に絡み合っています。視機能障害も身体的フレイルの一要素です。

加齢に伴って視機能が低下すると日常生活にも制限が伴い健康寿命が短くなります。日本人の平均寿命は男性が81.1歳、女性は87.1歳ですが、健康寿命との差は男性で9年、女性で約13年の開きがあります。幸せに生活するためにはこの差を短縮させることが大切です。そのためにフレイル対策がすすめられています。

40歳以上の成人の約42.5%が目の不自由を感じており、81.7%の成人が目に気になる症状があるというアンケート結果があります。

アイフレイルとは加齢による目の衰えです。目の中の水晶体が濁る白内障になったり、網膜に糖尿病網膜症や高度近視による網膜変性や黄斑変性症が生じたり、視神経に緑内障が発症することがあります。白内障になるとぼやけて見えたり昼間まぶしくなります。網膜に病気があると視力低下やものがゆがんで見えたりします。視神経が障害される緑内障では視野が欠けて見えたり、信号や標識をみおとしたり、階段や段差でつまづきやすくなったり、転びやすい・転びそうになります。

これらの症状を容易に見つけられる自己点検項目が検討されました。40歳を過ぎたら次の10項目のうち2つ以上当てはまればアイフレイルなので眼科受診をすすめています。

1.目がつかれやすくなった
2.夕方になると見にくくなる
3.新聞や本を長時間見ることが少なくなった
4.食事の時にテーブルを汚すことがある
5.眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった
6.まぶしく感じやすい
7.まばたきしないと見えないことがある
8.まっすぐの線が波打って見えることがある
9.段差や階段で危ないと感じたことがある
10.信号や道路標識を見落としたことがある

今年の7月から今後1年間ACジャパンの広告でアイフレイルの歌が流れており、これらのチェックリストの一部を紹介しています。一度聞くと耳から離れませんよ。

(日本眼科医会資料参考)

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