新年のご挨拶 「小さくて大きな一歩」

島根県眼科医会 会長 髙梨泰至(たかなしたいじ)

新年 明けましておめでとうございます。

島根県では昨年、視覚障害リハビリテーションにおいて大きな前進がありました。目の不自由な方が移動や情報入手の力を養う手助けを担う、いわゆる「歩行訓練士」が島根県の事業として予算化され、220万円が計上されました。歩行訓練士の資格を取得するには大阪府の日本ライトハウスで約半年間、座学と実習で専門知識を学ぶ必要があるため、その研修費と滞在費として補助して頂きました。その結果、2名の歩行訓練士が誕生し、それぞれ、松江市のライトハウスライブラリーと浜田市の県西部視聴覚障害者情報センターで、目の不自由な方の生活の中での選択肢を広げるために活躍されることとなりました。

島根県内には2000人以上の視覚障害者がいるにもかかわらず、実際に活動できる歩行訓練士が3人しかいないため、訓練を申し込んでも1年以上待つ状態が長く続いていました。「本当に白杖を正しく使えているか分からない」「まだ残っている見え方を使って仕事を続けたい」と感じる患者様のニーズに十分応えることが出来ていませんでした。

この様な声を受けて、島根県視覚障害者福祉協会や貴会を始めとする目の見え方に関連する多くの団体が署名活動を始めたのが2021年でした。最終的には約1万6千筆の署名が集まり、県健康福祉部に「視覚障害者支援センター」の設置検討を求めました。県も「生活技術の指導を受けられる場があれば早く社会復帰や貢献ができる」として前向きに対応して頂き、まさに4年越しの大きな成果となりました。当事者を中心として社会に働きかけ、世の中の仕組みを変えることが出来たことに大変感銘を受けました。また、当事者の皆様も「やれば出来る」という手応えを感じられたのではないでしょうか?センター設置という大きな目標からみると最初の一歩ですが、その一歩ずつを積み重ねて行かれる姿を見続け、ともに歩んでいきたいと思います。

貴会の今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。

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