第27回 ロービジョン研修会の報告

「視覚障がい者が働き続けるために」~当事者からのメッセージ~

主催 島根ビジョンネットワーク

報告者 山陰網膜色素変性症協会 事務局長 矢野美和子

令和7年3月23日(日)10時より、松江市のいきいきプラザ403研修室において、「第27回ロービジョン研修会」が開催されました。この研修会は、「視覚障がい者の就労には厳しい現状がある。そのためには、新たな資格を取得したり、スキルを磨いたり、コミュニケーション能力を高めたりしなければならない。事例報告等を通じて、見え方に障がいが生じてから、どのようにして現在に至ったか、困難な状況になった際にどのように乗り越えてきたか、現在でも悩んでいることは何かなど、働き続けるための方法や知恵、工夫などをみなさんと一緒に考えていこう。」という目的で開催されました。参加者は29名、講師4名、スタッフ14名の合計47名でした。

最初に行われた講演1は、「視覚障がい者の就労の現状と課題」というテーマで、松江公共職業安定所職業紹介第3部門統括職業指導官の小田川誠司さんにお話ししていただきました。

次は当事者お二人の発表です。お一人目は、以前は一般企業に勤務していた方で、現在は資格を取るために盲学校に通学中で、夢に向かって頑張っておられました。お二人目は、会社経営をする中で、自分の見え方に向き合って経営を続けていきたいとお話されました。

講演2は、「視覚障がい者になって休職から復職」というテーマで、株式会社中筋組安全品質管理部主任の佐藤昌史さんの就労の体験をもとにしたお話でした。

講演3は、「職場での対応と配慮について」というテーマで、株式会社中筋組事務統括本部次長の矢田誠さんのお話でした。職場では、佐藤さんが働きやすいように環境を整えたり、周りの方とコミュニケーションが取れるような配慮をしたりしているとのことでした。

情報・意見交換では、「会社役員で雇用保険をかけていないので助成金は出せないと言われたが、現在はどうですか」「当事者さんに、最初の一歩踏み出すのには勇気が必要と思うが心がけていることはありますか?」「医療から提供できる情報もあるが、どういうことを提供してほしいですか」などの質問があり、講師の方や発表された当事者から丁寧にお答えいただきました。

この研修会を通じて当事者それぞれ見え方は違っても、就労を続けるために資格を取ったり知識を得ることは必要なことだと感じました。また、職場の環境を整えることやコミュニケーションの取り方なども大事だと気づきました。働く当事者と職場の方がお互いに寄り添うよい関係づくりができればよいなと思います。

ここから写真が3枚あります。


  • 構成団体のメンバーの中から司会進行をしている矢野健さん

  • 松江公共職業安定所職業紹介第3部門統括職業指導官の小田川誠司さんが講演しておられる様子

  • 会場後方から写した参加者の様子

(写真説明はここまで)

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