会報誌ビッグスワン第63号より<巻頭言>

あなたは、好きなことが見つかっていますか?

山陰網膜色素変性症協会 会長 矢野健

今夏は、35度以上の日数が22日以上もあったとかで、猛暑は毎年のことになってきました。気象庁は、「異常な高温だった」と発表しています。また、四季が不明瞭になり、これからは、四季の過ごし方も考えないといけませんね。

さて、あなたは、好きなことが見つかっていますか?

「好きなことが見つからない…」と悩む人が最初にやるべきたった一つのこと、《好きを仮決定》することで、人生の可能性は驚くほど広がります!まずは仮でも決めてみることです。それだけで、人生の景色は少しずつ変わっていきます。

成功するスキルは3要素のかけ合わせです。

「上手くいくスキル」の条件は何だと思いますか?

答えは自分の「好きなこと」と「得意なこと」、そして社会や他人から「必要とされること」の三つです。三つの要素のいずれかが一つでも欠けると、スキルマップを上手くできない可能性があります。三つの要素をかけ合わせるうえで重要なのは、取りかかる順序です。

・ステップ1 「好きなこと」を見つける
・ステップ2 見つけた好きなことを「得意なこと」に変える
・ステップ3 好きで得意なことを「必要とされること」に変える

好きなことなら時間をかけながらスキルアップしていけます。では、そもそも「好きなこと」とはいったい何でしょう?

・ワクワクすること
・無我夢中になれること
・時間を忘れて没頭できること
・情熱を持って取り組めること
・やっていると幸せを感じること
・自然と好奇心や探究心が湧くこと
・見返りがなくてもやってしまうこと
・人に止められてもやりたくなること。

どれも行動の結果から生まれる気づきであるということです。

「わたしの好きなことって何だろう?」とただ悩んでいるだけで見つかるものではありません。まずは初めてのことをたくさん体験することが大切です。体験により「好きなこと」の選択肢は無限に広がっています。「好きなことがない」「見つからない」と悩んでいる方は、周りにあるたくさんの選択肢が見えていないだけです。好きなことが見つからない=体験したことが少ない=視野が狭い状態。好きなことがたくさんある=初めての体験をたくさんした=視野が広い状態。「好きなこと」は自分自身が実際に体験してどう思ったかで決まるものです。食わず嫌いせずにいろいろなことを見て・触れて・体験して視野を広げれば、好きなことが見つかりやすくなります。好きなことを見つける行為は、いわゆる「自分探し」の一環なのです。ワクワクしたら「好き」と仮決定。初めての体験をたくさんしていくうちに視野がどんどん広がり、「これはワクワクするな」や「あれはあまり面白くなかった」という気づきが自分の中に蓄積されていきます。体験後は先述した「好きなことの定義」に当てはまるか?を判断し、当てはまったらステップ2に進んでください。この段階で「得意にできるかな?」「世の中に必要とされるかな?」「仕事にできることかな?」など未来のことは考えなくてOK。この先のステップに進むうちに「やっぱり面白くなかった」、「スキルにはできなそう」と感じたら、再びステップ1に戻って新たな好きなことを探せばいいだけです。少し考え方を変えれば、今まで悩んでいたよりもずっと簡単に「好きなこと」は見つかるはずです。

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