点字図書館開館50周年記念事業実施報告

報告者 山陰網膜色素変性症協会 事務局長 矢野美和子

12月1日(日)に、島根県西部視聴覚障害者情報センターの点字図書館開館50周年記念事業があり、来賓として矢野健会長が出席をしました。参加者数は157名でした。

当日の記念式典には、島根県副知事の石原恵利子様をはじめ多くの来賓の方の出席がありました。図書館が開館して50年という永い年月の中で、多くのボランティアの皆様や関係者の方々のご支援やご協力に大変支えられたこと、また、点訳図書や音訳図書の製作の方法が時代の流れに沿って変わってきたこと等のお話がありました。

記念講演では、『点字毎日』記者として「~伝えたい想い~」という演題で、毎日新聞論説委員兼「点字毎日」記者の佐木理人(さきあやと)さんがお話されました。小さい頃から自分の目の症状に向き合い、進学や就職に際してもいろいろなことに挑戦して克服してきたということです。小さいころから本が好きで、小学校の時に図書室にある大きな文字の昔話の本を読むのが楽しく、その後、読みたい本は多くの点訳ボランティアさんにお願いして点字本にしてもらわれたそうです。

今の記者としての仕事をしている中で、点字毎日の読者の方から「元気で明るくなるような記事にして欲しい」というご意見があり、自分には何ができるかと考えた時に、「まず、自分が元気でいる。よい情報を伝える。次も読みたいという気持ちになってもらう記事にする」、そんな想いで点字毎日を発行しているとお話されました。

この点字図書館50周年記念事業に参加をして、見えない・見えにくい私たちが図書から離れることなくいつでも読みたい本が読めるのは、多くの点訳・音訳ボランティアの皆様のご努力のおかげだと感謝の気持ちでいっぱいになりました。視覚障がい者に関わってくださるボランティアの皆様、本当にありがとうございます。

※ここから島根県西部視聴覚障害者情報センターより資料提供

<点字図書館開館50周年記念事業実施報告>

Ⅰ 事業の趣旨
当センター点字図書館開館50周年にあたり、これまでの歩みを振り返り、支えて来られたボランティアの方々に感謝するとともに、視覚障がいに対する地域住民の理解を深めボランティア活動への意欲を醸成する。

Ⅱ 事業の実施日
日時:令和6年12月1日(日)13:15~15:30
場所:いわみーる体育室

Ⅲ 事業内容
1.記念式典(13:15~13:55

主な内容
島根県知事表彰(4名)
島根県副知事 石原恵利子様より4名全員に伝達

感謝状贈呈
・島根県社会福祉事業団理事長感謝状(4名)
理事長 山﨑功より出席者3名に贈呈
・島根県西部視聴覚障害者情報センター所長感謝状(10名)
所長 小松京子より出席者9名に贈呈
当日欠席の2名には、別日に伝達済

挨拶
島根県副知事 石原恵利子 様

来賓祝辞
・浜田市長 久保田章市(くぼたしょういち)様(健康福祉部長 久保智(くぼさとし)様代読)
・島根県視覚障害者福祉協会会長 佐藤昌史様

被表彰者代表挨拶
音訳ボランティア 吹譯比和子(ふきわけひわこ)様

2.記念講演(14:05~15:30)
講師 佐木理人(さきあやと)氏(毎日新聞論説委員 兼 「点字毎日」記者)
演題 『点字毎日』記者として ~伝えたい想い~

Ⅱ 参加者数  157名
〔内訳〕
受賞者 16名、来賓 20名、センター利用者・ボランティア・一般参加者 111名、主催者等(島根県・島根県祉事業団・センター職員) 10名

講師紹介
1973年、大阪市に生まれる。生まれた時から目が見えにくく、中学生の時にほとんど見えなくなり、点字による読み書きと白杖による単独歩行を始める。
現筑波大附属視覚特別支援学校を卒業。
神戸市外国語大外国語学研究科 英語学専攻(修士課程)を修了。
2005年から毎日新聞社点字毎日部に勤務。
「取材相手が何を伝えてほしいか、読者が何を知りたいか」「『伝える』 『伝わる』とは何か?」を考え、全盲としての体験をもとに日本各地を取材し記事を書いている。2019年から毎日新聞の社説を担当する論説委員を兼務。2020年から毎日新聞のコラム「心の眼」を、2022年から毎日小学生新聞で「6つの点 白い杖」を連載中。

・点字毎日とは
1922(大正11)年創刊の週刊点字新聞。一昨年、創刊100年を迎えた。毎日新聞を点字にしたものではなく、専門の記者が取材し発行している。点字版のほか、活字版や音声版、データ版などがある。

※資料提供はここまで。

このページの先頭へ