鳥取県における視覚障がい者向け遠隔サポートシステムの導入について
鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局 障がい福祉課 社会参加推進室 金山雄哉(かなやまゆうや)
鳥取県では、市町村の日常生活用具の対象とならないICT(情報通信技術)機器の購入に対する助成、情報アクセシビリティ環境の整備、各支援施設等における支援体制の強化など、障がい者の情報アクセシビリティの向上のための施策を実施しています。
今年度、その施策の一環として、視覚障がい者向け遠隔サポートシステムを県内に導入しました。視覚障がい者向け遠隔サポートシステムとは、遠隔地にいるオペレーターが、スマホのカメラ機能により映し出された映像をもとに、視覚障がい者である利用者の必要とする視覚情報を音声で伝えるシステムです。
現在、iPhone用のアプリとして提供されている「アイコサポート」のフリーエリア機能を使用したシステムですが、このアイコサポートのフリーエリアを県全域で設定する取組は全国初の試みです。
今回導入した遠隔サポートシステムでは、鳥取県在住の視覚障がいに係る障害者手帳を所持している方が鳥取県内で利用する場合、通常であれば、月5,000円以上かかる利用料が無料になるほか、利用時間も通常は月2時間までが限度のところを、月4時間まで利用できるようになります。利用に当たっては、鳥取県に利用申込を行っていただく必要がありますが、県内の東部、中部、西部にある視覚障がい者支援センターでも利用申込に関するお手伝いをしています。
今般、デジタル技術が発達し、様々なサービスも提供されてきています。どのようなものが見えない・見えにくい人にとって必要なのか、効果的なのか、県としても考えていく必要があります。また、いくら有用なサービスであっても、実際に利用できなければ意味がありません。ICT機器の使用に慣れていただく取組として、鳥取県ではICTサポートセンターを設置しICT機器の使用に関するサポートを行っています。また、各視覚障がい者支援センターやロービジョン相談窓口での個別支援、イベントなどでICT機器・サービスの利用に関するサポートも行っています。
今後も、鳥取県では、障がい者の情報アクセシビリティの向上のため、全国的なモデルとなるような先進的な取組を行っていきたいと考えていますので、ぜひ、皆様のご意見・ご協力をお願いします。