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匿名希望
海外にアッシャー・シンドロームの情報を求めて(検索して)みると、日本で知られているレクチャーとは多少の違いを感じます。(そもそもわが国に正しく伝えられていない、誤ったレクチャーも多い。)
たとえば、混合性難聴を伴ったUsher syndromeの報告も海外にはあります。それがたとえ少なくても、混合性難聴の症例がある以上、網膜色素変性症に感音性難聴を結びつけるのではなく、先天的な聴覚障害という使われ方のほうが正確なのかも知れない。
タイプ(タイプ3)によっては、あとから聴覚障害が発症するケースもあるわけですが、その場合でも先天的、潜在的に聴覚障害を伴っていると考えることもできます。
それから一番意外だと思ったのが、タイプ3の全体的なアッシャー症候群に占めるプロポーションです。わが国では組織だった統計的なデータと報告がないこともあり、具体的なご紹介は避けますが、ビックリするような低いパーセンテージでした。
そして、タイプ別も最終的に3つに結論づけられていないように感じられました。実際、4番目のタイプを(提案という形で)示唆している報告もありました。しかし、今日では(いくつかの知られている遺伝子の場所と)臨床的に少なくても3つに分類されるのが一般的となっているようです。
全体的なタイプについては、タイプ1とタイプ2がアッシャー症候群のなかでは最も一般的という使われかたが多いように思いました。また、タイプ2が最も一般的という表現もありました。
あと、検索してみて不思議に思ったのが、英語圏以外の母国語のサイトが少なかったことでしたが、検索キーワードを変えることにより、幾つか引っかかるようになりました。どうもUsher syndromeという言葉は英語以外、あまりメジャーではないようです。(単にUsherと使われたりもします。)
ところで皆さんは世界で一番詳しいUsher syndromeの文献を(サイトとして)紹介しているのはどこだと思いますか? Retina InternationalのNewsletter内にあり、そこには非常に数多い文献があります。つまり、国際網膜協会(RI)なのです。そして、著作権そのものはジョンズホプキンズ大学が所有しています。
いずれにしろ、日本でもアッシャー症候群の遺伝子解析の研究が行われており、一日も早い報告が期待されるところです。