あぁるぴぃ千葉県支部だより66号


■活動報告■

★お花見の報告

市原市 広瀬 富美子
 昨日まで冷たい雨が降り、また冬に逆戻りをしたような気候に、今日のお花見もどうな るのかと心配していました。参加者の皆さまの行いが大変よいので、朝の寒さも、お昼頃 から暖かい日差しとなり、桜のつぼみを開花させてくれ、絶好のお花見日和となりました。
 参加者数は、ボランティアさんを含め27名(女性18名、男性9名)でした。
 午前中の支部だより発送作業にも、たくさんの方が参加してくださり、11時頃までに 終了し、支部だよりを郵便局に出しにいってくれた方たちも、お花見に間に合いました。
 参加してくださった皆さまから、たくさんの差し入れがあり、お弁当を買わなければ良 かったと思うほどでした。JRPS千葉県支部には、お料理上手な女性がたくさん居られ ることを、改めて認識させられました。どのお料理もとっても美味しかったです。来年も 待っています。
 そのほか、美味しいイチゴ、おつまみ、ビール、お酒など差し入れていただきました皆 さま、本当にありがとうございました。
 また、シートの準備、紙コップ、紙皿など準備してくださった皆さま、ありがとうござ いました。
 ゴミの持ち帰りをしてくださった鶴田さん、いつもありがとうございます。


★支部だより発送作業&楽しかったお花見

市原市 坂本 正治
 今日は、朝の8時10分に同じ五井にご在住の広瀬様とJR五井駅で待ち合わせ、蘇我 駅で降りてハーモニープラザに行き、初めて支部だよりの発送をお手伝いさせていただき ました。
 私は封筒にスタンプを押す役目だったのですが、初めはスタンプの押し方のバランスが 悪く、やっと慣れたと思ったら封筒の表と裏に押すのを間違え、発送作業を手伝うどころ か、かえって足を引っ張ることとなりました。でも周りの方たちの暖かい言葉に励まされ、 その後は雑談を楽しみました。
 花見の会場の公園には、石垣様と共に行ったのですが、石垣様の携帯電話から聴こえた その日の石垣様の歩いた歩数が、午前中だと言うのにすでに一万歩を超えていたのに驚き ました。いかに私が普段歩いていないかと痛感した瞬間でした。
 会員の皆さんがシートを敷いて楽しい花見が始まりました。
 私の隣は普段からメールを交換している三原昌子様で、三原様手作りのおむすびと美味 しい肉料理に舌鼓を打ち、たくさんの美味しい差し入れに、腹が膨れ苦しい思いもしまし た。
 午前中は、今日は寒いのかな? と思っていましたが、普段のJRPSの皆さんの行い が良い為か、花見を始めたときには暖かくなり、本当にのどかな時間を過ごせました。
 近くの球場では少年野球をやっていて、ウグイス嬢の綺麗な声も聴けましたが、やはり JRPSの名司会の鈴木美樹様の声の方が綺麗と思い、ばかな願いとは思いましたが、鈴 木様の美声で、「4番・ピッチャー・坂本君!」と言っていただき、一人で満足してしま いました。
 楽しい時間はあっと言う間に過ぎてしまい帰りの時間となりましたが、今日は本当に参 加して良かったと思いました。
 今回私に暖かいお言葉をかけていただいた方たちに、この場をかりて感謝の言葉を書か せていただきます。
 本当にありがとうございました。


★お花見に参加して

習志野市 大野 真知子
 昨日、お花見に参加させていただきました。
 朝のうちは、冷え冷えとしていたお天気が、宴の始まる頃には、なんとなんと、真っ青 な空、そして、ぽかぽかと暖かいお日様、お花見に最高のお天気になってくれたこと、感 謝です。
 皆さまの心尽くしの、花寿司、黒豆、おひたし、お漬物、いちごなどなどをいただきな がらのおしゃべり、笑い、ほんとに楽しいひと時を過ごさせていただいたお礼を申し上げ ると共に、ほんとうにごちそうさまでした。
 公園を去る頃には、桜の花もだいぶほころんだということで、何から何まで、言うこと なしの1日と思いつつ、家路に着きました。
 皆さま、お世話になりました。


★第6回 ロービジョンケア千葉講演会の報告

千葉県こども病院眼科  高相 道彦
 毎年恒例の第6回ロービジョンケア千葉講演会が、下記のごとく開催されました。
日時:平成22年4月4日
会場:千葉市障害者福祉センター 多目的ホール
講演
T 「網膜色素変性の遺伝子治療」
   藤巻拓郎 (順天堂大学医学部眼科学教室)
U 「障害の受容と告知〜本人・家族の心理と医療者の役割〜」
   大里晃弘 (大原神経科病院)
 当日は、JRPS千葉支部役員の方々のご尽力で、患者様関係は多数参加を頂きました。
 また、多くのボランティアの方々にも御協力頂き、無事開催することができました。こ の場を借りて厚く御礼申し上げます。
 今回の大里先生の講演は、JRPS側からの要望によるものでした。内容に関しては、 別項にお願いしましたので、ここでは、藤巻先生の講演内容を記載させて頂きます。

講演内容
T 遺伝性疾患
 網膜色素変性を含めた遺伝性疾患の治療目的はというと、患者本人のみならず、患者の 家族も含めて、その疾患の影響を排除したり軽減したりすることにあります。
 遺伝とはそもそも何かといいますと、子供が親に似ることでありますが、それを伝える ものが遺伝子であります。遺伝性の疾患を疑う場合は、正確な診断や予後推定、発症前診 断などのため、家族歴の聴取が必要で、型式により病気の状態・性質(病態)が異なって きますので注意が必要です。ここでメンデルが発見した、優性、劣性、X連鎖性の、主に 3つの遺伝形式を、簡単に説明します。
 通常ヒトは父親から受け継いだ染色体と、母親から受け継いだ染色体がありますが、つ まり、同じ染色体を2本ずつ持っていることになります。そのうち片方に病気の遺伝子が 1つあるだけで病気になる遺伝型式が常染色体優性遺伝です。病気の人と正常の人が結婚 すると、お子さんの2人に1人は病気になる遺伝型式です。血縁の人に病気の人が多いの が特徴です。
 常染色体劣性遺伝ですが、病気の遺伝子が1つあるだけでは病気にならず、病気の遺伝 子を持っている両方の親(保因者と言います)からその病気の遺伝子を2つとも引き継ぐ と病気になる遺伝型式です。両親ともこの保因者である場合、子供のうち4人に1人が病 気になる遺伝型式です。血縁の人には病気の人がなく、兄弟に病気が出やすく、重症の場 合が多いのが特徴です。
 X連鎖劣性遺伝でありますが、男性はXとY、女性はXとXの性染色体を持っていて、 このX染色体上に病気の遺伝子がある場合、女性では保因者、男性で病気が出る遺伝型式 です。母親が保因者の場合、男の子の2人に1人が病気になり、父親が患者さんの場合は、 その男の子には病気が出ないのが特徴です。
 特に常染色体優性遺伝の場合、正常の遺伝子が1つあるのになぜ発症するのかというと、 正常遺伝子産物が半分では足りない場合、正常遺伝子産物が、異常遺伝子産物により機能 不全を起こす場合、異常遺伝子産物の活性が高い場合など、同じ優性遺伝でも病態が異な ります。
 以上のことから、遺伝型式別の病態と治療を考えますと、常染色体優性遺伝の場合、異 常タンパク質を抑制したり、不足したタンパク質を補充したりすることになります。補充 には遺伝子治療以外ですと、直接投与、細胞臓器移植がありますが、異常タンパク質を抑 制するには、片方の親からの正常遺伝子はそのままにして、もう片親からの病気の遺伝子 だけを抑えなければなりません。その方法としてアンチセンスが研究されています。蛋白 を合成するメッセンジャーRNAをセンス、これに相補的な配列をアンチセンスと呼びま す。これを用いて、病気の遺伝子の発現だけを特異的に抑制します。しかし、病気の遺伝 子以外の遺伝子も抑制することがある、という問題があります。

U 網膜色素変性の遺伝子治療
 このように、遺伝法則や、遺伝子発現や抑制のメカニズムを理解頂いた上で、網膜色素 変性の遺伝子治療につき話を進めます。
 まず、遺伝子治療とは何かといいますと、1994年の厚生省の指針では、「疾病の治 療を目的として遺伝子、または遺伝子を導入した細胞を、人の体内に投与することと」定 められています。また米国遺伝子治療学会では、「遺伝物質を用いて先天的、後天的疾患 の治療のために患者の細胞を変えること」と、定義されております。
 対象疾患は、重篤な遺伝性疾患、癌や後天性免疫不全症候群その他の生命を脅かす疾患、 または身体の機能を著しく損なう疾患であることと、などとなっております。網膜色素変 性の場合は身体の機能のうち、視機能を著しく損なう疾患ですので対象に入ります。病気 の遺伝子を根本的に治すのは、現実には困難であります。実際には異常遺伝子は残したま まで、外から遺伝子を導入し治療することになります。
 遺伝子治療の経緯でありますが、1990年に米国においてアデノシンデアミナーゼ( ADA)欠損症の4歳の女児に世界ではじめて遺伝子治療が行なわれました。93年、日 本はこれを受けてガイドラインが公布されたあと、95年には北海道大学で、アメリカと 同じ方法でADA欠損症治療が施行されました。99年にペンシルベニア大で、オルニチ ントランスカルバミレース欠損症の18歳の患者さんが、副作用のため亡くなりました。 (ゲルジンガー事件)ベクター量が多かった点と、副作用を告知していなかった点も問題 となりました。2002年にはフランスでSCID,X連鎖性重症複合免疫不全症に対す る治療でレトロウイルスベクターによる白血病が発症しております。
 世界における臨床試験数の経年推移では、90年から次第に増え、先の99年の事故の あとは毎年100件前後で推移しています。国別試験数では、米国が最も多く、全体の6 0%余りを占め、次いでヨーロッパ諸国が25%、日本は1.1%になります。適応では、 癌が約3分の2で、網膜色素変性を含む単一遺伝病は、8.1%になります。日本で行な われた17件のうち10件が癌の治療、4件が循環器、単一遺伝病はADA欠損症の2件 になります。
 ここで、網膜色素変性について確認しますと、遺伝形式が異なる複数の疾患が混在した、 遺伝的異質性のある疾患であります。症状は、夜盲や輪状暗点、求心性視野狭窄などが出 現し、視力は保たれる場合が多く、網膜電図(ERG)の減弱などの特長が挙げられ、自 覚症状発現時期は、早いタイプもありますが、多くの人が40歳頃に自覚します。有病率 はおよそ5千人に1人と考えられ、各国でほぼ同様であります。
 1990年、Dryjaらによりロドプシン遺伝子変異の報告がされてから原因遺伝子 が次々と明らかになり、型式や症候別に140種近くがリストアップされており、未知の ものを含めると190種近くの原因遺伝子が想定されています。
 中でもレーベル先天盲は、生後早期に視細胞変性が進行する、広義の網膜色素変性で、 視覚感受性期の発症で、視覚発達に影響が出る場合が多いと考えられています。有病率は 約10万人に1人で、原因遺伝子は現在14種あり、劣性のRPE65は、レーベル先天 盲全体の16%、網膜色素変性全体では2%を占めております。このRPE65が原因の 患者さんに対し、遺伝子治療が行なわれました。レーベル先天盲の場合、イヌの大型モデ ル動物が存在した点も大きかったと思います。
 RPE65は網膜色素上皮に特異的に発現している蛋白質の生成に関与しており、視覚 サイクルのキーとなる酵素です。RPE65の機能不全で、視細胞機能が低下します。よ ってこの場合は正常なRPE65を網膜色素上皮に導入し、蛋白を補充する治療になりま す。
 一昨年4月レーベル先天盲の遺伝子治療ついて、ロンドン大学およびアメリカペンシル ベニア大学の2つのグループから結果が発表されました。いずれも、手術により網膜の下 へ正常遺伝子を注入する方法です。ロンドン大学で行われた3名とも投与による視力低下 は認めず、変性が弱かった例では視機能の改善が見られました。ペンシルベニア大学で行 われた3名とも視野の改善を認め、2名では視力も改善しております。
 更に3番目のフロリダ大学、Dr.Jacobson らの報告もご紹介します。ここでも3人の患 者さんに同様に行なわれ、先のグループから半年後に発表されました。手術前後のテスト では3症例とも暗い所での感度が改善しております。手術後1年経っても有害事象はなか ったとのことです。
 半年ほど前ですが、この同じフロリダ大学の研究チームから、色覚異常に対する、遺伝 子治療についての報告がありました。色覚異常は網膜色素変性ではありませんが、網膜へ の遺伝子治療という点で共通しておりましたのでご紹介したいと思います。第一色覚異常 のサルモデルに対し行われ、正常と同様に赤い色を認識できるようになったとのことです。 色覚異常の遺伝型式はX連鎖劣性ですので、この場合も遺伝子を補充する形の治療になり ます。一般的に、ヒトの視力発達は、9歳前後の感受性期を過ぎると、いくら治療しても 改善しません。しかし彼らの報告では、生まれてから一度も赤い色を見たことのない大人 のサルで、導入後から赤い色覚を獲得できたのは、弱視患者さんを治療しております私か らすると、大変な驚きであります。
 さて、このような欧米、主にアメリカにおける遺伝子治療の現状をご紹介しましたが、 日本での現状はどうでしょうか。九州大学石橋教授と池田先生のグループでは、欧米と異 なる方法を用いて、モデル動物に遺伝子治療を行い、その効果が証明されており、その後、 急性期試験と長期安全性試験を施行し、効果の持続性および安全性が確認されました。こ の結果、平成18年に学内倫理委員会に申請され、一昨年10月に承認されました。現在、 厚生労働省に申請中とのことでありますが、審議は約2年と予想され、患者さんへの投与 は来年以降になるとのことです。九州大学の試みはわが国で初めての、眼科における、遺 伝子治療であります。また、欧米のものとは異なり、遺伝型式や病型にかかわらず、しか も視細胞の変性が進んだ症例にも効果が期待されており、今後の展開が大変注目されます。
 以上、欧米と日本での、網膜色素変性の遺伝子治療について、紹介させていただきまし たが、臨床適応上の技術的問題点を挙げますと、導入遺伝子は機能的に不完全で、組み込 める遺伝子の大きさに制限があり、発癌や炎症の危険性、再投与の必要性や、優性遺伝型 式には困難、などがあります。遺伝子治療は、まだまだ医療として十分に確立されており ませんが、より安全で効果的な、遺伝子治療法の開発が期待されています。

V 遺伝子診断
 遺伝子治療法が確立されていきますと、対応する、遺伝子診断の重要性がますます高ま ってきます。遺伝子診断と、遺伝子治療は、表裏一体の関係にあるわけです。
 レーベル先天盲の遺伝子診断を、大規模に行なっている医療機関の例として、アイオワ 大のDr.Stoneが進めているProject 3000が挙げられます。全米でお よそ3000名と考えられているレーベル先天盲の患者さんに、様々な手法で参加を呼び かけています。目的は、希望を提供する、正確な情報を提供する、残る未知の遺伝子を見 出す、などとなっています。
 このような遺伝子診断を支える技術として、次世代シークエンスが挙げられます。最近 では短時間に大量の塩基配列を解析可能な機種も登場しており、現在では、1分子のDN Aを増幅することなく、配列を解読するタイプが日本にも導入されました。将来は自分の DNA情報をメモリに入れて持ち歩く時代が来るかもしれません。
 このような高速シークエンス時代の到来により、遺伝情報の取り扱いには、更に適切な 注意を払わなければなりません。通常の臨床検査情報と異なる点として、不変性、予測性、 共有性があります。このような点から、特別に保護、規制をしようとする「遺伝子例外主 義」といわれる考え方がある一方で、最近ではそれに対する反対意見も出始めており、未 だに議論のあるところです。
 遺伝子診断の目的としては、発症した人の確定診断以外に、未発症の人の発症前診断、 将来疾患を発症する子を持つか判定する保因者診断、および胎児を調べる出生前診断など があります。確定診断は各診療科で行なわれますが、その他は遺伝カウンセリングが必要 であり、臨床遺伝学の専門家の関与が必要です。
 このように遺伝情報の取り扱いや、倫理的配慮について、ガイドラインには、「医療機 関等が、遺伝学的検査を行なう場合には、臨床遺伝学の専門的知識を持ち、本人及び家族 等の心理社会的支援を行なうことができる者により、遺伝カウンセリングを実施する必要 がある」と記載されています。日本では現在60以上の病院で遺伝子医療部門が設立され ています。
 私が勤務する順天堂大学眼科を例に取りますと、臨床遺伝専門医、遺伝カウンセラーも 加わり、外来診療、遺伝子解析、遺伝診療部門検討会が、相互に連携を取っております。 網脈絡膜変性疾患に限れば900名700家系の方々に協力していただいております。採 血をしても、時間がかかる場合が多いのですが、いまだ、日本で遺伝子治療が一般化して いない現在、もし将来に備えるとすれば、遺伝子診断が重要であると考えております。
 網膜色素変性の遺伝子治療などの先進医療が日本の社会に認知され、一般化していくた めには、研究者、医師の努力と、患者さんの協力と理解が必要不可欠であります。安全で、 有効な、治療法を提案できる日に備えて、診療体制を発展維持していきたいと思います。
 最後に、私のアメリカ留学中の指導教官である、ジョージ・イナナ教授の言葉をご紹介 して、終わりにしたいと思います。
“Every inherited retinal degenerative disease is caused by a gene disorder. Identify that gene, and you have a chance to pursue a therapy.”
(筆者訳:全ての遺伝性の網膜変性疾患は、遺伝子異常に起因します。その遺伝子を特定 することにより、治療法を追い求めることができます。)

 以上が講演内容ですが、講演後の質疑応答でレーベル遺伝性視神経症についての質問が ありました。これは、しばしば生じる誤解なのですが、同じ人名がついているだけで、レ ーベル先天盲とは全く別の病気であることを追記しておきます。
 最後になりましたが、本講演会で希望されるテーマがありましたら、事務局の方へ御連 絡をお願い致します。
文責:相道彦(千葉県こども病院 眼科)

U 「障害の受容と告知〜本人・家族の心理と医療者の役割〜」
講師:大里 晃弘(大原神経科病院勤務)
講師プロフィール:医大生の頃、網膜はく離により失明し、大学卒業後「あはき」の資格
         を取得。その後、多くの人の尽力により、医師法の盲人は医師になれ
         ないという欠格条項が撤廃され、あきらめていた医師への道が開かれ
         たので、猛勉強の末、40代半ばで医師国家試験に合格。現在、精神
         科の医師として活躍。
講演概要
 先生の講演は、主に「告知と受容」という身近な内容で、しかも講師の大里氏が全盲で あるということもあって、親近感と大変さに感動しながら拝聴しました。最初に、生い立 ちと、国家試験を受験する困難さをさらりと話され、受験勉強では、友人に参考書などを 読んでもらい点字でメモを取るなど、人並みならぬ苦労をされたそうです。
 医師として困るのは、患者の顔色などが見られなく、会話の反応による診断が難しいの で、ナースに聞いて診断しているという。また、カルテや診断書の作成が、健常者の医師 より遅いことが、患者に迷惑をかけているのではと、心配しているとのこと。そして、レ ントゲンや脳波などの画像診断については、他の医師に見てもらって判断しているという。 それ以外は、他の医師と遜色はないと医師としての現況を述べた。
 告知の問題については、例えば失明ということを知ることで事態を受容し、将来に備え ることが精神的にも可能となる。逆に告知を受けることで、喪失感を抱いたりして、甚だ しくは自殺に追い込まれるケースもある。相手の状況に応じた対処が求められる。
 受容については、自身の白杖の使用を例に話され、当初は白杖を使うことに恥ずかしい 思いが強く(RPなどの中途失明者は特に)、なかなか使えなかったが、そのうち必要に 迫られて夜だけ使うようになった。しかし、身を守るために白杖歩行を受容せざるを得な かったと語った。

 以上ですが、会場が暗くメモを取れませんでしたので、大里先生の意を正しく伝えられ たか不安が残ります。(大里先生講演の文責:JRPS千葉県支部 中込 孝一)


★本部発送作業に参加して

市原市 鈴木 てい子
 4月24日(土)本部発送作業のお手伝いに参加いたしました。千葉県支部からは、ボ ランティアさんを含め8名で、総数では、24名とのことでした。
 今回は、会場に着くまでにハプニングがありました。発車時間は同じなのに、行き先が 以前とは変更になっていたり、蘇我駅での停車時間が長くなり、外房線快速に乗り換えた りしました。
 それよりも、津田沼で合流するはずの一組が乗車してこないのです。予定時間になって も来ない事を心配して連絡をしたら、日にちを間違えて、ご自宅にいらしたそうです。ペ アーを組まれた方は、心配され気をもまれたことでしょう。また、ご本人も慌てたことと 思います。
 4月は、払込用紙を同封するので、宛先と払込用紙の名前を確認する事、払込用紙を表 紙にホッチキスでとめる事で時間がかかります。
 私は、字の確認ができないので、指先の感覚でホッチキスを使うお手伝いをしました。 いつもより参加者が少ないような気がしましたが、終了したのは、12時頃だったでしょ うか。用意されたお茶やお菓子をごちそうになりながら、本部末松理事からの労いの挨拶、 そして各自ひと言と、マイクが回りました。
 きょうも、東京北区のボランティアさんが参加されていて、拍手で感謝の気持ちを表し ました。途中、福井県で製造されたメガネフレームのサンプルの紹介があり、デザイン性 と機能性を兼ね備えた製品を手に取って触れてみました。
 12時を過ぎているので、本部を後にして昼食。きょうは回転寿司です。
 千葉県支部8名と東京支部の方1名の総勢9名で、午後から行動を共にしました。それ ぞれに好きな物を注文して、満腹になりました。「たこわさ」が、大人の味でおいしいと か。
 いよいよ東京散策です。京浜急行で「大森海岸」から「押上」で下車。建設中の「東京 スカイツリー」を見てきました。
 すぐ近くを一周することができ、良く見えるスポットがあるとか。見物されている方が 大勢いました。のけぞるような体勢で上を見上げています。見える方には、クレーンで操 縦している様子がわかるようです。私は、展示されている模型を見てきました。とにかく、 高い建物です。
 天候にも恵まれ、日没も延びているので、明るい内に帰宅できました。楽しかったです、 ありがとうございました。


★第6回ダブルレインボー音楽会報告

千葉市 中野 早苗
 音楽会当日は、朝から初夏を思わせる日差しの晴天に恵まれ、幸先のよいスタートとな りました。
 スタッフは午前九時に美浜文化ホールに集合し、コンサートの準備に取り掛かりました。 開演までの四時間、出演者は最後の練習に集中し、楽屋も緊張が高まります。
 演奏時間は五分から十分というところですが、一曲にかける練習時間は何十時間、もし かすると何百時間をこえるものもあるかもしれません。それだけにその曲に対する解釈の 深さ、思いのたけは、想像以上のものがあるはずです。それでも、本番は残酷で、待った なしでやってきます。
 “あそこはもう少しこうじゃないといけないのに″”いつもはもっとうまくいっていた はずなのに″など、悔やまれることもしばしばです。
 そんな出演者にまた来年もと勇気をくださるのがこのダブルレインボーのお客様です。 いつもあたたかい拍手と応援で受け止めてくださいます。
 その中のお一人が、「私たちも勇気、いただいているんですよ」と、おっしゃっていた だいたのが印象的でした。
 このステージと客席との信頼関係こそ音楽担当の誇りです。
 スタッフ、出演者、観客の皆さま、おかげさまで、今年も無事、ダブルレインボー音楽 会の幕をおろすことができました。本当にありがとうございました。


★レインボー音楽会に初挑戦

浦安市 HJ
 5月8日、とうとうその日がやって来ました。
 朝早く眩しい陽射しを浴びながら気もそぞろに駅へ。
 京葉線が同じなので、いつもお世話になる遠藤さんと一緒に美浜文化ホールへ向かいま した。
 リハーサルがあるので午前9時集合。あちこちから皆さん到着です。リハーサルの順番 が回ってきて、私はあの素晴らしいピアノの前に座り感激。でもピアノがあまりにも立派 すぎてうまく音が出せません。このままズーっと弾くわけにもゆかず、不安を残しながら 終わってしまいました。
 楽屋ではベテランの方たちが談笑したり、少しでもよい演奏をと練習されています。さ すが意気込みが違うなあと感心。そうこうする内に開始の1時30分です。レインボーに は欠かせない鈴木美樹さんの流れるような声で、音楽会が滑り出しました。
 私の出番は4番で、すぐです。緊張が高まり、もう舞い上がっています。そのまま舞台 へ。
 あら、弾こうと思っても手が動かず先にいきません。もうパニック。でも止めるわけに もゆかず、何とかごまかし間違えながらやっと最後まで辿りつきました。安堵というより 空しさが全身を通り抜けていきました。あー、かくして私の挑戦は無残に終わったのでし た。
 後半は会場から聞かせてもらいました。なんと楽で楽しいこと。最後のオペレッタでは、 中野さんの歌にうっとり聞きほれ、役者ぞろいの寸劇には笑い、元気がでてきました。こ れぞレインボーの良さだとつくづく思いました。
 会場では舞台から元気をもらい、舞台では会場から暖かい拍手で元気をもらい、同じ悩 みを持つ仲間が、音楽を通して一つになり楽しめるのがこのレインボーの素晴らしさだと 思いました。
 この音楽会を作り上げ、支えておられる皆さんに感謝致します。ボランティの方々、担 当の伊藤様、中野様ほんとうにありがとうございました。
 私の後に続く人どんどん出てきてくださいね。


★楽しく、そして感動したダブルレインボー音楽会

習志野市 大野 真知子
 5月8日の♪ レインボー音楽会 ♪♪、ほんとうに楽しませていただきました。
 出演者の皆さま、お疲れさまでした、そしてありがとうございました。
 司会の鈴木様と演奏される方たちとの楽しいお話、1年をかけて磨き上げられた音、そ してフィナーレの軽妙なオペレッタ。それぞれに心地良い時間を過ごさせていただきまし た。
 歌姫の、中野さまの歌声は、さすがキューピットです!(笑)
天空に響き渡る、あの日の空のような澄み切った声! 感動しました。
また来年、楽しみにしております。


★ミーオ・アモーレ

千葉市 US
 第6回ダブルレインボー音楽会も多くの人たちに支えられ、無事終える事が出来ました。
 私は伴奏者として参加しています。本番まで何回か練習を重ねておりますが、本番では 出演者の心臓の鼓動・息使いが強く伝わってきます。私は少しでも気持ちよく演奏が出来 るようお手伝いをしています。
 個人的に今回はバイオリンに挑戦。幸い若い素晴しいピアノ伴奏者に恵まれ、どうにか 完奏、ホッとしました。
 オペレッタでは一昨年共演したY君たちに貰った赤いハートのサングラスが受け、サプ ライズで登場した我が旦那が笑いをとっていました。
 この音楽会の良いところは皆が一体になって楽しめるところだと思います。一人でも多 くこの音楽会で笑い、元気になってもらえますよう来年に向け、頑張ってまいります。一 緒に参加しませんか?
 ミーオ・アモーレ“私の愛”イタリア語で男性・女性を問わず、愛しい人(いとしい人) と相手を呼ぶときに使う言葉。日本語では「あなた」「ダーリン」というような意味にな ります。


★皆さまの努力に感動

成田市 仲村 忠(ガイドボランティア)
 昨年度に引き続きフルート演奏で出演された諸岡さんの付添いとして、ダブルレインボ ー音楽会で皆さま方のすばらしい歌と演奏を聞かせていただきまして、ありがとうござい ました。
 年に一度のこの音楽会に出演するには、毎日欠かさず練習しているよと聞かされ感心し ました。私もバンドでサックスを吹いていますが、我々の練習はせいぜい週一程度しかや りませんので、練習量は皆さまの足元にも及びません。
 たくさんのお客さまを迎えたこの音楽会で、素晴らしい歌・演奏が出来たのは、日頃の 練習でハンディを乗り越えた皆さま方の、並々ならぬ努力の賜物と感動しております。
 音楽会当日もリハーサル、出番までの楽屋での練習、そして本番、終わってからのほっ とした表情等、貴重な体験を側で感じさせていただきました。
 最後のオペレッタではすばらしい歌で魅了、そして軽劇では場内のお客さまを大爆笑さ せ、最高に楽しませてくれました。
 出演者、スタッフの皆さまありがとうございました。次回も楽しみにしております。


★音楽会に参加して

熊谷市 吉田 和世(コカリナグループ ホワイトケ〜ン)
 ダブルレインボー音楽会に初めて参加することになり、どんな出合いがあるのか、5月 の爽やかな風が吹く中、ワクワクしながら美浜文化ホールへと向かいました。
 会場に着くと楽器を手にした人、白杖を持った人、ガイドさんと一緒の人、それぞれが にこやかに懇談されています。
 「今日も楽しめそう!」私の心もハッピーモードに・・・。
 リハーサルも終わりいよいよ開演。演奏者の緊張感と今までの頑張りが手に取る様に伝 わり、胸が熱くなりました。
 自分の音と向き合う凜とした姿、終わった時の安堵の表情、皆さんキラキラ輝いていま した。
 今回の音楽祭に参加された皆さま、関係者の方々にお礼を申上げます。
 素晴らしいコンサートでした。感動をありがとうございました。


★幸せの虹のかけ橋

千葉市 豊田 厚子(朗読・千葉点字図書館音訳会)
 連休明けの5月8日、ダブルレインボー音楽会が行われました。
 今年は客席で楽しませていただくつもりでおりましたが、急に出ることになってしまい ました。白い糸で繋がっている伊藤さんの頼みとあれば断ることも出来ず、勉強させてい ただきました。
 この会はいつもアットホームな雰囲気で、楽屋でも皆さんドキドキ、わくわく緊張の中 にも、とても楽しんでおられます。
 舞台の上でスポットライトを浴びる本格的な音楽会に発展し、出演される方も一段と腕 を磨かれておられるようです。
 中野さんの盛り上げ方はすばらしい! 皆さんついつい乗せられ客席共々楽しくなりま した。
 また、この会は出演されない裏方さんが、それぞれの持ち場で会の進行を助けておられ ます、すばらしい!
 年に一度のお楽しみ、来年もまた、この虹のかけ橋で、新しい出合いがありますように ・・・。


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