あぁるぴぃ千葉県支部だより91号


■ 活動報告
★本部発送作業に参加して
千葉市 細川 嘉之

 5月24日は、久しぶりに本部発送作業に参加いたしました。千葉県支部からは、9名の参加です。
 今回は請求書を加える必要があり、毎年多く参加して欲しいとの要請がありましたが、 他の支部で支部行事が重なり、全体で25名程度と、少し少ないかなと思いました。それでも、10時前からワイワイガヤガヤとおしゃべりしながら、作業が始まりました。
 やっと終了したのが12時半頃でした。お茶とお菓子をいただきながら、恒例の自己紹介を兼ね、お題の「記念日」について、それぞれ発表し、最後に金井会長より締めのお話があり、1時過ぎに終わりました。
 午後からは、千葉県支部恒例の東京散策に出かけることになりました。
 今回もYさんの案内で、食事の後、上野にある東照宮が外装の改修工事が終わり、一般公開されているとのことなので、その見学に行くことにいたしました。それにしても、上野に東照宮があることすら、小生は知りませんでした。日光及び久能山以外にあるとは、 Y氏は良く調べたものだと感心いたしました。
 まずはJR上野駅の公園口から出て、少し公園内を散策し、上野東照宮の鳥居を過ぎ ると、周囲は楠木と思われる大木がそこここにあり、外の喧騒が少なくなったような気がいたしました。
 石畳を少し行くと、唐門と言う豪壮な金箔や漆塗りの門があり、内に入るには入場券(500円)が必要とのことでしたが、全員で側面から入場いたしました。東照宮そのものは、日光等と比べてもそんなに大きくはないが、金色に輝き、動物や静物を細かく彫刻してあり、見ごたえのある建造物でした。目がもう少し見えていればと思い、少し残念でしたが、こんな豪華な建造物があることを知っただけでも、来た価値がありました。
 その後、隣にある上野動物園でパンダを見ていこうと衆議一決し、パンダ舎に向かう。何十年ぶりかでパンダをそばで見ることができました。
 今回の東京散策は、実にYさんのお陰で、豪華なものや懐かしいものを見学でき、ありがとうございました。
 その後、それぞれ帰宅の途に着きましたが、皆さん帰宅したのは6時近くになったことでしょう。お疲れさまでした。   

★本部発送作業お手伝いに参加しました
市原市 鈴木 てい子

 去る5月24日(土)、本部発送作業お手伝いに参加しました。千葉県支部より、ボランティアさんを含め9名の参加でした。東京・神奈川・埼玉から、25名の協力がありましたと本部発表がありました。
 今回は、年会費の払い込み票が同封される作業があるので、いつもより人手が必要になるだろうということで、中に、本部K氏のお孫さまで、小学3年生の可愛い女の子が加わっていました。周りの大人が、煽られるくらいのお手伝いができたそうです。
 12時半に作業が終了して、いつものようにマイクが回ってきました。お茶とお菓子をいただきながら、JRPS発足20年記念にちなみ、各自の記念日、または、近況報告を話しました。
 解散後、久々の東京散策ということで、上野へ行くことになりました。
 昼食は、大森のレストラン街で、パスタとうどん組に分かれ、私はうどんを食べました。
 このお店のさつまいもやエビのかき揚げが私は大好物です。薬味のしょうがを、多めに盛り付けてもらいます。おいしくて満腹になりました。
 食事をすませパスタ組と合流して、大森駅から上野で下車。公園口から、上野東照宮に向かう。
 木陰が気持よく感じる昼下がり、思っていたより人込みでなく歩きやすかったです。社殿正面に向かって左手には、御神木がしめ縄に飾られ柵で囲まれています。参道の左右には、大きな燈篭がずらりと配置されています。黒塗りに金箔の東照宮が、徳川の時代を感じさせます。
 「国指定重要文化財」とあります。
 拝観料500円で、社殿を一回りしました。「お狸様」が祀られているお堂もあります。松竹梅や昇り龍などたくさんの彫刻が施されているそうです。
 ちなみに、頭を垂れているほうが「昇り龍」と呼ばれているのは、偉大な人ほど頭を垂れるということわざに由来すると言われているそうです。
 どこからか良い香りがしています。近づいていくと香りを放つ木がありました。小さい花をたくさん咲かせているそうです。
 帰りの参道左手に、上野寛永寺の「五重の塔」が見えると教えてもらいました。
 山門を出ると、動物園の入口が近いということで、「パンダ」を見ることになりました。
 手帳提示で、入園料は無料。
 入口から特別待遇で係員に誘導され、すぐ近くで見ることができました。「シンシン」が動いていました。思っていたより大きかったです。
 外出するのによい季節、楽しい上野散策ができました。
 山崎さん、ボランティアさん、引率ありがとうございました。

★6月の「ミニミニ交流サロン」の報告
習志野市 大野 真知子

 6月12日(木)、小雨の中、女性7名、ボランティアさん1名が集まりました。  自己紹介の後、用意していただいた、冷たいお茶と、お菓子で、会の始まりです。 
 まずは、6月15日のアイフェスタと、29日に行われる医療講演会へのお誘いをしたところ、ぜひ行って見たいと言っていただきました。
 その後、最近、急性緑内障発作を起こされた方から、詳しい状況を伺いました。そこから話が拡がり、網膜色素変性患者にとっての緑内障、白内障、眼圧とのかかわりなど、今までお医者さまから得た知識を交換し合いました。どの話も他人ごとではなく、とても参考になったように思います。
 今回は、雨でもあり、いつもの食堂からの出前のお弁当をいただきながら、楽しいおしゃべりを終え、帰路に着きました。
 次回の『ミニミニ交流サロン』は、8月14日(木)、9月11日(木)、10月9日(木)を予定しておりますので、ぜひご参加ください。

★「第12回アイフェスタinちば」のご報告
千葉市 渡邉 友資枝

 梅雨の合間の好天、肌に痛いほどの陽射しが降り注いだ6月15日、「第12回アイフェスタinちば」が開催されましたので、ご報告させていただきます。
 今回の来場者は約130名、役員スタッフ17名、ボランティアは延べ62名でした。
 今回、はじめてボーイスカウト千葉県連盟のみなさんに、前日の会場設営、当日の後片付けをお手伝いいただきました。各日とも10名ほどのみなさんが、統制のとれた動きで作業され、短時間のうちに終了することができました。
 これまで、数名のボランティアと視覚障害を持つ会員で、汗だくで行っていましたので、これにはみんな大助かりでした。
 この日は、ちょうどFIFAワールドカップサッカー日本代表の初戦の日でもあり、JR千葉駅には、日本代表の青いユニフォームを着た若者たちが、次々と改札口から出てきました。そんな千葉駅の雑踏の中、千葉NALKのみなさんが、ガイドボランティアとして、来場者を千葉駅改札口からバス停まで、誘導してくださいました。バスを降りるとガールスカウトのみなさんが、親切丁寧に会場まで案内してくださいます。
 今回、福祉機器展に出展した企業、団体は23。例年のように、朗読ボランティアグループ「かがり火」、千葉ライオンズクラブのみなさんが会場内を案内してくださいました。  出展団体も来場者の数も昨年よりやや少なく、さびしく感じました。今後に課題を残した結果となりました。
 1階の福祉機器展に比べ、盛況だったのが、2階のお料理教室、iPhone・音声パソコン体験相談コーナー、もろもろ相談コーナー、交流サロンです。ひっきりなしにお客様があり、いつもお手伝いいただいている個人ボランティアの方や会員スタッフは、お昼もそこそこに対応に追われたようです。お料理教室のお料理、交流サロンのお茶請けもおいしいと評判でした。
 今回も多くのボランティアさんのご協力と好天に恵まれ、様々な笑顔と出会い、反省点を残し、アイフェスタは無事、終了しました。
 ご来場いただいたみなさま、快くボランティアをお引き受けいただいたみなさま、出展してくださった企業、団体のみなさま、そして役員スタッフのみなさん、ご協力ありがとうございました。

★「iPhone相談コーナー」報告 
担当 早川 源造

 昨年の「iPhone体験コーナー」に続いて、今年は「iPhone相談コーナー」を担当しました。
 「相談」としたのは、我々、視覚障害者にもスマートフォンが普及してきていると考えてのことです。実際にスマートフォンを使っていて、自分に合った設定の方法、便利なアプリはないかな? といった疑問を持っているかたがいるのではないかと思ってのことです。iPhoneのほかにiPad、iPod touchを用意、視視覚障害者支援センターの御園さんと私が担当、この他、会員のOさんがPCトーカー搭載のノートパソコン、YさんがAndroid端末を用意して担当してくださいました。
 開場から終了まで、ひっきりなしに相談者が訪れ、対応に追われました。おかげで、来場者の数を記録するいとまもありませんでしたが、印象としては、総数30名以上は来ていただいたと思います。
 相談者のうち、数名は、ご自分のiPhoneを持参され、普及がすすんでいることを感じました。すでに、使いこなしているかたは、相談には来られないと思われるので、普及率は、かなりのものと思われます。まだ使っていないかたでも、関心度は高い様子で、従来の携帯電話との違いの説明にも追われました。
 スマートフォンは、便利なことは確かですが、使う目的によっては、従来型の携帯電話で充分でもあり、経済的でもあります。ご自分の使用目的によって、熟慮が必要です。
 終わりに、来場いただいた方々に、厚くお礼申し上げます。

★第11回代議員会ならびに第1回一般社団法人日本網膜色素変性症協会社員総会 報告
代議員 中込 孝一

【第11回代議員会報告】
  1.日時 平成26年6月21日(土)午後1時開会
  2.場所 品川区立総合区民会館6階大会議室
  3.司会 白崎理事
 白崎理事の司会により出席代議員の点呼が行われた。千葉県支部の江澤 正広、中込 孝一を含め、代議員総数54名のうち当日出席者47名、書面表決書(委任状)4名と発表される。
 出席本部理事は、金井会長以下16名と報告される。
 続いて、金井会長よりおおむね次のような挨拶があった。
(会長挨拶要旨)
 皆さん早朝よりご苦労さまです。また、多くの日赤奉仕団の皆さんに、駅頭や会場案内等でご協力をいただきありがとうございます。今日は、JRPS20年の歴史の中の区切りの日です。私たちは、治療法の確立とQOLの向上を目指してきて、今何をなすべきか、真剣に考えるときかと思います。これからは、財源の確保とか、本会を知らない人への対応として、会員5000名を目指したい。会をよりよくするためにどうすべきか、前向きにみんなでやってゆきましょう。建設的な意見をお願いします。
  4.議長団選出
 議長に高知県支部林氏が選出承認される。事務局の高山氏を補佐役に指名。
  5.議事録署名人選出
 議事録署名人には、秋田県支部の石塚氏、大阪支部の日本松氏が、選出承認される。
 続いて議長から定足数の確認がなされ、代議員総数54名で、出席代議員47名プラス書面表決書4名で、定足数の28名を超えており、本会は成立と宣言される。
  6.議案審議
 次に議案審議に入り、第一号議案事業報告案と第二号議案決算案を一括審議とする。
 事務局から議案説明があり、その後で、監事から適正執行との監査報告がなされた。
 第一号議案、第二号議案について質疑に入る。決算について事前質問が5件あったが、緊急動議により、出席されていない代議員の質問の回答は、この場でやらずに事務局から個別に回答することで了承された。
 会場から質疑が無く、挙手による採決に入り、一号議案、二号議案とも、賛成多数で承認可決された。
 次に第三号議案日本網膜色素変性症協会解散について審議に入る。
 事務局から議案書どおりの説明の後、質疑に入るも質疑無し。
 第三号議案の採決に入り、賛成多数で可決承認された。
 代議員会閉会に当たり、岡野理事が代表して挨拶された。
(岡野理事挨拶要旨)
 明日20周年の思い出を話しますので、本日は簡単にJRPS設立時のことを振り返ってみます。
 設立に当たって二つのことを目指しました。ひとつは、国の難病指定を受けること。もう一つは、寄付の所得控除を認めてもらうことです。その際に、お役所から、法人化を目指すように言われました。法人化は20年来の悲願でした。今年、おかげさまで20年来の夢がかないました。今後とも、治療法の確立に向けがんばりましょう。
 続いて、今期で退任される橋本理事が挨拶され、閉会宣言となる。

【第1回一般社団法人日本網膜色素変性症協会社員総会報告】
 引き続き司会の白崎理事から、第1回一般社団法人日本網膜色素変性症協会社員総会の開会宣言がされ、定款により、金井理事長が議長となる。
 続いて、議事録署名人として、秋田県支部の石塚氏、大阪支部の日本松氏が選出承認される。 
 議長により、定足数の確認がされる。総数54名、出席数48名、書面表決書4名で、過半数の28名を超えているので、定足数に達し、本総会は成立すると宣言された。
 次に、第一号議案事業報告案、第二号議案決算案について一括審議となり、事務局から議案説明の後、監事から適正に執行されていたと、監査報告がされた。
 第一号議案、第二号議案について質疑に入るが、質問はなく、採決に移る。採決の結果第一号議案第二号議案とも賛成多数で可決承認された。
 続いて第三号議案定款付属規則について審議に入る。事務局からの説明の後、質疑を行う。
 今までの任意団体の会則と、社団法人になっての会則との変更点について、説明を求める質疑があり、入会日が従来は申し込み時点であったのが、今後は、会費の納金が確認された日となるとか、会費の減免も、生活保護世帯、一人親、父子母子家庭は、2年間会費免除となるとの説明がされた。
 また、不慮の事故等で代議員会に出席できなくなった場合、代理人を出せるのかという質問に対し、登録した代議員が、不慮の事故で出席できない場合は、代理とせずに書面提出により参加したらよいとの回答。更に続けて、不慮の事故を想定して、支部であらかじめ代理人を定めたらどうかとの質問に対し、事務局で持ち帰って検討するとの回答。
 続けて定款6条5の代議員の任期について説明を求める質問があり、すべての役員の任期は2年で、地位保全というのは、訴訟を起こした場合、訴訟が終結するまで、代議員の地位は継承されると回答。更に、任期は、事業年度ではなく、次期の社員総会(任期2年
 なので、翌々年度の総会まで)までと追加説明する。
 そして、任意団体から一般社団法人へ移行して、新たに会員証が来るのか、それとも継続して現在の会員証を使うのかという質問に対し、会員証は一般社団法人へ移行してもそのまま使用するとの回答。 
 質疑は終わり採決となり、第三号議案は、賛成多数で可決承認された。
 続いて第四号議案理事監事の承認について、佐々木選挙管理委員長から立候補者が発表される。追加して、簗島先生から立候補辞退の申し出があり、受理したとのこと。簗島先生の件の補足として、公益社団法人を目指すうえで支障をきたすだろうとの配慮から、辞退されたとのこと。
 第四号議案の質疑は無く、採決に移り、賛成多数で承認可決された。
 休憩の後、第五号議案事業計画案、第六号議案予算案、第七号議案役員報酬規程について、一括審議とし、事務局から次のように説明された。
(説明要旨)2014年を、今後10年へのキックオフとします。公益社団法人の取得を視野にいれ、会員数5000名を目指します。それぞれの課題を、自分自身の問題として捉えてください。
 また、予算案ですが、学術研究基金と国際フォーラムの予算を一般会計に繰り込み一本化しました。主な支出としては、パリの世界大会への派遣費用100万円などです。
 又、人件費家賃は、軽減した。会計の一本化により、収支計算書と財産目録のみとなり、貸借対照表はカットした。七号議案では、役員報酬について、250万円を限度として計上した。
 第五号議案、第六号議案については、質問なし。第七号議案について、報酬を受ける常任理事は何人いるかとの質問があり、理事長と事務局長が報酬受給の対象となるとの回答有り。
 また、従来は決めなくとも良かったが、法人法で上限を決めるという法律になっているために規定したと説明有り。これに関連して、報酬が支出費目に計上されていないがという質問に対し、今年は職員人件費に組み込んだという説明があった。
 他に、公益法人を一日も早く取得してほしいとか、来年の支部長会議には、税金控除のためにも支部はどうあるべきかを示してほしいという要望があった。
 質疑は終了し採決に移る。第五号議案、第六号議案、第七号議案とも賛成多数にて承認可決された。
 議長が最後に、公益法人となって、税制優遇を勝ち取ろうと述べ、法人化を取得すると、世の中の認識が変わります。がんばりましょうと、檄を飛ばし、無事閉会となった。
 予定より早く終わったので、この時間に兵庫県支部から、今年の世界網膜の日の開催PRがあった。
 また、この中で、理化学研究所の神戸にある、高橋 政代先生の研究部門が閉鎖されるという話が流布しているので、JRPSとして、閉鎖しないように、そして研究がストップしないように働きかけてほしいと本部に要望した。
 以上で閉幕。(文責:中込)  

★医療講演 概要
副支部長 渡邉 友資枝

 6月29日、千葉市民会館で行われた医療講演会の講演の概要をまとめました。
  演題:「網膜色素変性症〜長期間の経過観察からわかること」
  講師:わだゆうこ眼科クリニック院長 和田 裕子 先生
(講演要旨)
 私は東北大学で先天網膜外来(網膜色素変性外来)を担当してきましたが、大学病院の外来のシステム上、一対一の患者と長時間向き合うことはなかなかできませんでした。
 また、同じ視機能、視野であっても、その人の持つバックグラウンドにより、受け取り方は全く違ってきます。そうした患者さんと長く付き合ってみたいと考え、7年前にクリニックを開業しました。2週に1回は順天堂大学病院で外来を担当しています。
 ●色素変性症(以下、色変という)とは
 ほとんどが遺伝子の異常によって引き起こされる病気です。主な症状は以下の3つ。
 @夜盲 A視野狭窄 B視野狭窄に伴う視力低下 
 網膜には杆体細胞(暗いところを見る時に働く細胞)と錐体細胞(網膜の中心部にあり、視力を出したり、色を見分けたりする細胞)があり、通常、杆体細胞からダメージを受け、まず夜盲の症状が出ます。家族に色変の人がいる場合を除いて、夜盲は自覚しにくいので、この段階(夜盲のみの主訴)で受診する患者さんは少ないです。
 夜盲に加え、視野狭窄が始まり、物にぶつかりやすくなったりします(杆体細胞の変性)。さらに、中心部にある錐体細胞が障害され、真中がみえにくくなり、まぶしさを感じるようになります。
 ●色変の進行について
 次の3つのタイプがあります。
  @周りから中心へと変性が進む。
   視野は狭くなるが、中心部の視力は最後までよく保たれる。
  A周りから中心へと変性が進むが、ある時から中心部も周りとともに変性が進んでいく。
  B中心部から周りへと変性が進む。
   5年後にどれくらい色変が進行するかどうかは、それまでの経過を見ないとわかりません。それまで進行がゆっくりな場合は今後もゆっくり進む場合も多くみられます。ただし、黄斑部に変性が及び始めた患者さんは、実際の変性の状態(医学上の検査値)よりも先に強く見えにくいという自覚症状が出てくることが多いです。進行の早い患者さんに対しては、個々の状況に合わせ、じっくり話をして今後の方向付けを一緒に考えていくようにしています。
   進行がゆっくりであった患者さんが急に色変が進むことがあります。原因はよくわかりませんが、ストレスが多いときに進行が早い事もあります。色変では網膜の血管が細くなってゆくので、血管を細くする作用のあるタバコやストレスはできるだけ避けた方がよいと指導しています。
   また、直射日光などもサングラスや帽子などを用いて避けたほうがよいでしょう。ビタミン類はバランスよく、少しずつ継続して摂取する方がよいので、患者さんには果物の入らない野菜ジュースを1つのメーカーを決めて、毎日飲むことをすすめています。
   また、網膜の血流をよくするために、私の医院では、スーパーライザーという機械で治療しています。これで、色変が良くなるわけではありませんが、残っている視細胞を少しでも元気にし、最善の治療法が開発されるまでに、少しでも視機能を維持できている状態にしたいという考えです。
 ●遺伝について
  遺伝形式は大まかに以下の3つに分類されます。
  @優性遺伝
   両親のどちらかがその病気であり、子に50%の確率で遺伝する。家系の縦方向に遺伝していく。2人の子のうち、1人がその病気になるということではなく、1人の子に対し、その病気になる確率が50%という意味である。2人の子が色変になることもあり、2人ともならない場合もある。
  A劣性遺伝
   血族結婚の場合に多い。同胞発症があり、家系の縦方向には遺伝しない。
  BX染色体劣性遺伝
   母親が保因者で男の子だけに発症する。
   優性遺伝は全体の約20%、劣性遺伝は約30〜40%、X染色体劣性遺伝は約2%の割合で現れると言われています。その他、自分が発端者となる場合もあります。私の経験からみると、優性遺伝は比較的ゆっくり進行し、劣性遺伝は優性遺伝に比べ、やや速く進行する患者さんが多いようです。文献的には、X染色体劣性遺伝は早い時期から見えにくくなるようです。
 ●遺伝子検査について
  遺伝子検査をしても、今のところ原因遺伝子がわかるのは、10人に1人いるかどうかというぐらいです。が、日本人の患者のホットスポットといわれる部分がわかりつつあるので、将来的にはもっと効率よく、遺伝子検索ができるようになるでしょう。既に、ある特定の遺伝子に対して遺伝子治療が始まっていますので、将来的には自分の遺伝子異常を把握しておき、遺伝子治療に備えるようになるでしょう。
 ●最近の治療法研究について
  @点眼薬 オキュセバ
   現在、第3相臨床試験が進行中です。あと約1年でデータが出そろいます。安全性と効果が確認されれば、治療薬として使えるようになります。網膜中心の感度があがる事が期待されています。
  A慶応大学でのiPS細胞を用いた研究
   患者のDNAにより、ロドプシン遺伝子が、網膜色素変性の原因遺伝子であることは、 これまでの研究でわかっていましたが、患者のiPS細胞を用いてロドプシンの遺伝子異常が、実際に色変を引き起こすとがはじめて明らかにされました。細胞死を抑制する薬剤の研究では、数種類の薬剤にその作用があることが報告されています。
  BiPS細胞による網膜再生医療
   加齢黄斑変性症に対し、臨床試験が始まります。2018年を目標に、網膜色素変性症に対しても、臨床応用を行っていきたいということがいわれています。成熟する途中の視細胞で作ったシートを、網膜色素変性のマウスに移植した結果、体内で正常な構造に成熟し、他の細胞とつながっていることが確認されたと報告されています。今後は視細胞が光を感じているかどうかなどの研究が進められると思います。
  C岩手大学の富田先生による緑藻を用いた研究
  改変した緑藻の遺伝子を、失明したラットに注入し、幅広い色を感知できる視覚の回復に成功したと報告されました。

  このように色変の治療は1つではありません。すべての治療法の開発が成功したとしても、一人一人の状態に合わせて、受ける治療は違ってきます。経過観察で十分な人、現在の状態を保護し、進行を抑制すればよい人、強くダメージを受けた細胞を他の物で甦らせる治療が必要な人がいます。どこまで患者の希望と研究の限界の差を縮められるかが、臨床医にとっても研究者にとっても今後の課題だと思っています。
 ●臨床家として
  一つの色変という病気にも、原因遺伝子の違いや遺伝形式の違い、環境因子の違いにより、様々なタイプがあります。個々の進行度をよく診て、状況にあわせ、今ベストなことは何かを患者さんと相談し、できるだけ良い状態で、これから開発されるであろう新しい治療法につなげていくことが、臨床家としての課題だと実感しています。

 その後の質疑応答では、オキュセバの臨床試験や慶応大学の研究について等、治療法の研究について
  ・白内障の手術やその後のレーザー治療について
  ・直射日光やブルーライト、X線の影響について
  ・アダプチノール等の薬について
  ・点滅する光が見える、画像が揺れる等の症状について
  ・眼精疲労の色変への影響やその予防について
  ・遺伝子検査について
  ・色変の患者へのアドバイスについて等々、様々な質問がで、先生が一つ一つ丁寧に答えてくださいました。

 最後に先生から、「今日は久しぶりの講演で、患者さんの生の声が聴けて大変勉強になりました。今後ももっと良いお話ができるよう頑張っていきますので、みなさんも希望を持って活動していってください」というお話をいただきました。
 和田先生、ありがとうございました。

★第17回JRPS千葉県支部定期総会議事録
総会書記  渡邉 友資枝

  【日時】2014年6月29日(日) 15:10〜15:40
  【会場】千葉市民会館3階 特別会議室2
  【出席会員数】22名 (オブザーバー参加 6名)
  【司会者】中込 孝一氏

 まず、司会の中込氏より、第17回千葉県支部定期総会の開催を宣言。
 つづいて、中込氏が、議長、書記、議事録署名人を出席者に求めたが、立候補者がいない為、執行部に一任となり、以下の方が選出された。
  議長:細川 嘉之氏
  書記:渡邉 友資枝
  議事録署名人:鵜沢 恒夫氏、長澤 千恵子氏

 審議に先立ち、江澤支部長よりご挨拶をいただく。
<支部長挨拶>
 本年度は、JRPS本部が社団法人格を取得したことにより、支部会則も一部改正となります。改正についての審議もありますので、よろしくお願いします。

 司会の中込氏から議長の細川氏に代わり、審議が開始された。
 第1号議案 平成25年度活動報告
 支部長の江澤氏に代わり、中込氏が議案書の総括部分を代読した。
 第2号議案 平成25年度決算報告
 会計担当の遠藤氏より、報告した。
 会計監査の広瀬氏より、平成25年度決算は適正に処理されたとの報告があった。
(質疑) Q. 第2号議案の決算書の収入に、会員年会費が計上されていないが?
 A.(支部長)会員年会費は本部の収入となり、各支部は本部より、毎年、支援金50,000円 QOL活動費20,000円が支給される。
 その後、第1、第2号議案とも拍手により、承認された。
 第3号議案 支部会則改正及び役員の選出
 支部長にかわり、中込氏が会則改正部分と平成26年度役員案を読み上げた。
 第4号議案 平成27年度、平成28年度代議員の選出
 支部長にかわり、中込氏が議案書を代読
 第3、4号議案とも質問なく、拍手により、承認された。
 第5号議案  平成26年度活動予定
 支部長にかわり、中込氏が議案書を代読した。
 第6号議案 平成26年度予算
 会計担当の遠藤氏より、説明された。
 第5、6号議案とも質問なく拍手にて承認された。
以上、すべての議案について、承認された。
  議事録署名人 鵜沢 恒夫  
         長澤 千恵子
(※議事録署名人了承の上、印省略)
 閉会 15:40
★7月の「ミニミニ交流サロン」の報告
千葉市 渡邉 友資枝

 台風8号接近の影響で大変蒸し暑い中、千葉駅西口には、男性1名、女性4名(内、ボランティアさん1名)が集まりました。
 岡野さんのお気遣いで、すでに気持ちよく冷やされていたお部屋に入り、用意していただいたお茶をいただき、ほっとしたところで、話題は先日の医療講演会で、和田先生のお話にでてきたスーパーライザーのこととなりました。
 ボランティアの高橋さんが調べてくださったところ、スーパーライザーは、首の後ろに近赤外線をあて、血流をよくする医療機器で、眼だけでなく肩こりなどにも効果があり、比較的新しい整骨院や整形外科医院にもあるそうです。眼科で置いてあるところは少ないようですが、千葉市内では稲毛の吉田眼科というところにあるそうです。1回300円〜500円で受けられるそうなので、「やってみたい」と、ひとしきり盛り上がりました。
 その後は、粗大ごみの出し方やトラブルなどの日常のことから、白内障の手術やメガネやコンタクトレンズの話、スポーツの話、色変と診断された時のこと、「もし、色変でなかったら・・・」という話まで、バラエティに富んだ(?)話題で、あっという間に時間が過ぎていきました。
 さて、次回はどんな話題がでてくることやら・・・。
 皆さんもその話題にのってみませんか? あなたが話題の提供者になるかも?
 皆さんの参加をお待ちしています。
 次回はお盆の真ん中、8月14日の開催です。日頃はお仕事で参加できない方、お休みでご都合がつくようでしたら、是非参加してみてください。
 いつものように、9:50千葉駅西口改札で待ち合わせです。



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