第一回 パソコンとの出会い
福岡市東区 明治 博
これから数回に分けて視覚障がい者にとって頼もしい味方になってくれるパソコンについて書かせていただきますが、一回目の今日は自己紹介を兼ねて私とパソコンの出会いを書かせていただきます。
私の現在の視力は光を感じる程度なんですが何歳ごろこうなったかははっきり覚えていません。
1989年の北海道国体に参加した頃は一人でランニングをしていましたのでまだそこそこ見えていたんだと思います。
その後もたまにですがパチンコに興じたりしていましたからこのような光だけの世界に入ったのはもう少し後でしょう。
威張って言える事ではないのですが点字の学習を疎かにしていましたので私は墨字も点字も読めません。
何か文章を書く必要が有る場合、例えば、鍼灸学会の原稿を書く場合などは妻に代筆をしてもらっていました。
ですが口述筆記だと著しく効率が悪かったんです。
特に鍼灸や医学に関しての漢字は難しく「こういう漢字」と説明したり辞書を引いたりしていると前後の繋がりがおかしくなる事も少なくありませんでした。
「自分で何とか出来ないか?」
「今から点字を覚えようか?」
そんな事を考え始めた頃に、友人に誘われてパソコンのボランティアサークル「虹」に誘われました。
「パソコン?晴眼者でもむずかしいって言いよんしゃっちゃけん、目の見えん視覚障がい者にはよけい難しかろうもん」
それに、
「パソコンは高かろうもん」
と思い、最初は二の足を踏んでいました。
正直に言えば何もしないために何か理由をこじつけていたんだと思います。
こういう人って周りにいませんか?
自分からは行動しない、そのためにあれこれ理由を並べる、私もそうでした。
でも、友人に「とにかく一度見にきてん。来たらわかるけん」、そう言われしぶしぶ見学に行きました。
見学に行って驚きました。
研修会場が活気に満ち溢れていた事もそうですが視覚障がい者が同じ仲間を指導していたんです。
「何で?何で視覚障がい者が教えようっちゃろう!」
第一印象はこれでした。
「すごかー。自分にも出来るやろか?」
いいえ。
「俺もあげんなりたか!」
そう思って、即 この「虹」に入会しました。
月に一度の研修会ですが自分の努力次第で色んな事を可能にしてくれます。
確かにかなり安くなったとは言えまだまだパソコンは高価な物です。
それに晴眼者が勉強するより多少の努力は必要だと思います。
ですがそれに見合う物をパソコンは与えてくれます。
音声パソコンは私たち視覚障害者の世界を必ず広げてくれると私は確信しています。
尚、このパソボラさーくる「虹」は原則として毎月第2日曜日にふくふくプラザで研修会開催してます。