あぁるぴぃ広島 16号
■会員の声■
1 「トーク&ライブ」に参加した方から
(1)堤友彦「トーク& ライブ」・年末交流会に参加して
広島市西区 SK
12月12日(日) 午後1時より広島市西区地域福祉センターで開催された、
堤さん母子による「トーク& ライブ」の会に参加しての感想を、まとめてみまし
た。
定刻、Nさんの明快な司会によって開始。前座を務められたのは、自称「島の
隠居」のKさんがギターを弾き、Tさんがサックスを吹いて、二人が息の合った合奏を
披露されました。ギターの低音に合わせて、サックスの鈍い高音による生演奏は、快
い響きが部屋中に伝わり、参加者はそのすばらしさを堪能することが出来ました。
このあと佐藤支部長の挨拶があり、先日呉市で自衛艦「ひえい」の見学時、ボラ
ンティアとしてお世話頂いた「にこにこ介助ボランティア」の皆さんの紹介があり、
他に福山市や広島市以外の各地からも、総勢 70名程の参加があることを知りまし
た。ついで本番の堤さん母子の紹介があって、会は始まりました。
友彦さんはお母さんの話で、1、3歳の時2階の窓から転落、即死状態で命は取
りとめたものの、左の脳が出てしまったとのことです。この時「右手が麻痺し全盲で
言語障害もあるので、生きるより死んだ方がま しだ」と言われたそうです。それを
思い留まり生きることに望みをかけたのは、母親の深い愛情であるとは言え、どんな
気持ちだったかを思うと、涙が出るのを押さえられませんでした。
ひきつけを起こすので手術に踏切り、病院の行き帰り、この子は、音楽が分かる
のだと母親は気がついたそうです。そこでそれがある限り絶対にあきらめないと決意
され、母子の闘いが始まりました。
ここで友彦さんはオリジナル曲「僕の人生だから」を、左手と右足を使い、シン
セサイザーを弾いてその歌を聞かせてくれました。自分の思いを歌に託して、精一杯
に声を出して歌う姿に、聞く者は感動し、魂の叫びと言ってもよい歌声に感銘を受け
ました。
このあとの話で友彦さんは、ことばを取り戻し、一歳上の姉の通う保育園に連れ
て行ったとのことです。すると子どもたちが「友君もおいでよ」と言ってくれたと言
うのです。この時母親は、大人は尻込みするが、子どもの方が踏み込んで行くと実感
したそうです。そこで通園をお願いしたところ、保育園は通うことを認めた由、私は
その時の職員は、理解のある暖かい心の持ち主かと敬服しました。
その後お母さんは「ごみ箱おばさん」と自称。何ごとも吐き捨てる場所が必要
と、変わるのは自分が変わらねばならないと思うようになったとのことです。なかな
か出来ないことをやってのけられる姿勢に、頭の下がる思いがしました。
そして生まれた「母」 の歌は、笑顔は笑顔を生んで行くのを骨子に、人として輪
を拡げ広めることを願ったものだそうです。まさにお母さんの愛が結集して生まれた
歌として、聞くことが出来たように思います。本当に心からの願いを感じるものがあ
りました。
ついで体験は出会いから始まるし、人にある心を忘れてはならないとお母さんは
話されました。そして障害に向き合う心、子どもの心、地域の人の心が行政を動かし
て、友彦さんは公立小学校に進学し、勉学に励んだとのことです。府中市と言う小都
市で、この英断に踏み切られた関係各位に、敬意を表したいと思います。立派と言う
他はありません。まだ障害者に手の差し伸べられることの少なかった当時を思うと、
勇気ある決断だったと心打たれました。
そうは言っても母親には、多くの試練があったと思うのですが、愚痴をこぼさ
ず、常に明るく前向きな姿勢には、本当に頭の下がる思いです。この母にしてこの子
ありを地で行かれる姿に脱帽です。
友彦さんは小学校の4年生で点字を20字、6年生と中学で50字を習得された
との由、その後も高校に進学するのに、年数はかかったものの、あらゆる難関にもひ
るむことなく挑戦して、次々にクリアして、高校も卒業されたとのことです。
どんなにか試練を乗り越えるのに、言いたいこともあったでしょうに、母親は一
切、人をそしることはされず、自分に与えられた仕事に、背を向けることなく、責任
を果たして行かれる生き方には、学ぶことがたくさんあり、教えられました。
友彦さんは会話が出来ず同じ経験がないので、みんなで支え合うよう願って「差
し出す手の向こうには」を熱唱してくれました。自分を支えてくれた母と友達への感
謝の気持ちが込められています。
そしてモットーにしている「夢はかなう 」 を歌にした「生きて生きて 生き
て」と「笑顔の明日を作ろうよ」を精魂込めて歌ってくれました。障害を感じさせな
い、心からの訴えを声を張り上げて歌う友彦さんに、会場から惜しみない拍手が贈ら
れて会は終了しました。
堤さん母子も満足されたことと思いますし、参加したわれわれ一同も、勇気と元
気を与えられたことに感謝したことでした。
友彦さんを自立させなければとのお母さんの思いは、歌が C D に収められ、著
作もされているのを拝見出来たし、今は音楽療法助手として活躍されているので、道
の開けたのを嬉しく思います。しかし、この先がたいへんですが、健康に留意され
て、益々の発展を祈念して、お礼の言葉に替えたいと思います。
このあと交流会でも、多くの方々が「これまでにない迫力ある歌声を聞くことが
出来た」とか「お母さんの愛の深さと、たゆまない努力には涙があふれた」とか「ど
んなこともあきらめてはいけないと学ぶことが出来た」 など、とてもここに書き切
れない程の賛辞が寄せられて、本当に良い会であったと実感することが出来ました。
関係者のご苦労に厚くお礼を申し上げて、つたない感想文を終わることにしま
す。
(2)広島のHです。
広島県支部の「堤さん母子のトークとライブそして忘年会」に私も初参加させて
いただきました。
私の感じた事を書かせて頂きます。
堤友彦君とお母さんのトークと&ライブには大変,感動しました。友彦君が1歳の
とき、2階からの転落事故で頭部を地面に強打し一命はとりとめたものの、左脳のほ
とんどを失い、右半身麻痺・視覚機能も失い、言語障害も残ると、医師から宣告され
た時の家族のショックは計り知れないものだっただろうと思うと、目頭が熱くなりま
した。その後の家族の壮絶な障害の壁への闘いを語られ、会場のあちこちで、涙をぬ
ぐう光景が見られました。
そんな合間合間に、友彦君とお母さんの歌声とシンセサイザーの演奏が、会場の
皆に「やればできる!どんな障害でも乗り越えられる」と元気を与えてくれました。
このCDが発売間近いらしいので、是非購入して家族にも聞かせようと思います。こ
れからも無理をせず、全国的に活動して頂きたいと思います。
感動のトーク&ライブの後は己斐(こい)の白木屋さんに移動して、御待ちかね
の忘年会です。初参加ということで、ここまでは一人ぽっちでしたが、皆さんが優し
く受け入れてくださり、すぐに打ち解けました。びっくりしたのは、皆さんの大声で
した。それを「なぜか」と聞くと「呼ぶときその人が近くにいるかどうか分からない
ので、大声でしゃべるようになるんだ」という事でした。それからは私への質問攻め
でした。話していると私と同じ会社の現役の人・OBの人もおられ、参加してほんと
に良かったと思います。また次の集いにも是非参加したいと思います。これからも宜
しくお願いします。
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