あぁるぴぃ広島 19号
■活動報告■
2 講演会「中途視覚障害者の日常生活のために〜生活の工夫と心の健康〜」と年末交流会(福山市)
以下は福山市のIさんからの報告です。
先般12月18日(日)福山市民参画センターで
有馬早苗先生の講演会がありました。
当日は雪で交通機関に遅れも出ていました。
また予定していたが来られなかった方や道路の
凍結で随分と遅れてこられた方もおられましたが、
県内各地より一般参加者を含め50数名の参加
者がありました。
福山駅には平成大学のボランティアの生徒さん、福山のボランティアグループあゆみ会の方が出迎えに来られていました。ご苦労様でした。
講演の内容は中途視覚障害者の日常生活のために〜生活の工夫と心の健康の演題で、講師 有馬早苗先生(国立神戸視力障害センター指導課 主任生活支援専門職)を迎え、私達が日常困っている事について判りやすく説明がありました。
先生は三次市の出身で広島弁が懐かしいと言われ、先ずは国立神戸視力障害センターの説明をされ、その後本題に入られました。
今日は初心者の方を対象に説明をしますとの事です。
先ずお金の見分け方ですが百円玉と十円玉の
見分け方は大きさはほぼ同じです。
百円玉は桜の模様があるので模様の部分が
少し厚みがあります。また百円玉には縁に
ギザギザがあります。五十円玉と五円玉は
どちらも穴が空いていますが五十円玉の方が
厚みが厚く縁にはギザギザがあります。
五百円玉は大きいのでわかると思います。
それらを分けて入れられる財布に入れれば
尚便利です。
お札はどうでしょうか?札の幅は同じですが
長さの一番長いのが一万円札です。次が五千円
、一番短いのが千円札です。一万円札を出し
たのだがお釣が合わないとかの問題も起きてき
ますので、区別が判りにくいし間違いをなくする
為に五千円札は持たないようにしてはどうで
しょうか…?とセンターでは指導をしているそう
です。二種類だけですと見分けが付くのでは
ないでしょうか?また折り方を変えて持つのも
一つの方法です。財布の中が仕切りがあり区別
できる財布もあります。財布ごと渡して取ってく
ださいは止めて、工夫と管理は自分でしましょう!
湯飲みへお茶を注ぐ時は湯飲みの縁に手を
当てきゅうすの口を手に当てて注ぎます。
3時の方向にきゅうすの口を持っていき注ぐ。
湯飲みの上まで入ったら温もりで判ります。
それも正面で行います。ポットから注ぐ時はきゅうすを
持ち上げて注ぐとこぼすことなく注げるし、
重さでどれくらい入ったかも確認が出来る。
ものを説明してもらう時には時計の文字盤を
使って説明をしてもらうと便利です。
例えばコーヒーを6時方向に置きましたよと
言われると自分の手前に置いてあるんだよと
判ります。お砂糖のツボは9時方向に、ミルクの
ポットは3時方向ですよと言ってもらえれば
お砂糖とミルクは一直線上に横並びにあることが
わかります。自分でテーブルをさすりながら捜す
ことが出来ます。
中途視覚障害者は新しい事をするのではなく
今まで知っている事、使っていた事を活用し
ましょう。
字を書く事も同じで今迄随分と字を書いてきて
おられます。視力が低下してくると字が重なったり
ゆがんだりしますので、相手の方が読みにく
くなり躊躇してしまいます。そんな時は黒い紙を
切り抜いた文字ガイド板を使うのも1つの方法で
す。市販の物もいろいろ有りますが、自分に
合ったものを作るのも良いでしょう。1つ字を
書いたらその上を押さえ、次の字を書くように
すると字が重なりません。工夫をしましょう。
点字についてですが今は多く世の中に広まって
います。公共の施設とか家電製品にも付いて
いますが、これを勉強するには時間をかけても
「浦島太郎」がやっと読めるのが現状です。
ご本人や関係者が視覚障害者は絶対に勉強し
なくてはいけないと言うようなことは言わない
でほしい。視覚障害者三十万人と言われてい
ますが点字学習をして読める方は三万人と言
われています。十分の一です。その中で点字
毎日のような新聞の物から随時情報を得てい
らっしゃる方は100人に1人ぐらいです。
世の中 視覚障害者=点字となるとすごく
プレッシャーになります。現状では点字は全く
訓練しなくても音声パソコンしかやりたくないと
言う方がたくさんおられます。先生はそれで
十分だと思いますと言っておられました。
それはそれで構いません。ご本人の選択です。
点字をやるにはかなり「やるぞ」と言う意気込み
が必要です。
パソコンは相手があって直ぐ返答が帰ってきます
のでご本人の喜びが多いものがあります。
今 生活訓練で一番ニーズがあるのといいます
か皆さんが要望されるのが、実は内のセンターで
も歩行でもなく、点字でもなく、音声パソコンの
訓練です…と言っておられました。
最近では洗濯機などにもスタートの部分に
点字が付いていますが、これはスタートでなくて
も構いません。市販のシールで盛り上がった物を
貼る事で事を成す分けです。
家族と一緒に使うわけで色が気になれば、
透明な物でロケーターロットといったシールを
使うと便利です。市販もされています。
ご本人が判っていれば点字でなくても構わない
わけです。
シャンプーとリンスの見分け方ですが、シャンプー
の方にはぶつぶつがあります。これもシャンプー
だと言う事が判ればいいので点字でなくても構わ
ないわけです。要するに自分なりの印を付ける
ことで生活が少しでも楽になると思います。
それから色物靴下を洗濯するのに、ソックス
クリップと言う物があります。そうする事で右と
左がばらばらにならないようにします。
また脱いだごとに小さなネットに入れておき
ネットごと洗濯する方法もあります。いずれも
大小さまざまのものが市販されています。こう
すべきと言うことはありませんので、お金の掛
らない方法で自分で工夫すると良いのではと思
います。ただそれが危険でない事と社会的に認
められない方法で無ければ構わないのではと思
います。
あと黒いまな板ですが、豆腐など白い物を
切る時は、フチがきわだって便利です。黒い
しゃもじ、黒い茶碗も一般用で出ています。
ごはん粒などが残っているのが良く判ります。
まな板は白くなくてはいけないという規定概念を
捨てると市販の物で十分利用できるのではない
でしょうか…。またJRPSの会員の先輩に、
あなたはどうしていますかと聞くのが良いので
はないでしょうか。
いろいろと細かな事をお話しましたが、自分を
楽にすると言うことと、もう1つ社会の仕組みに
合わせなくてはいけません。社会の仕組みに
あわすためにはどうしたら良いか工夫も必要
です。
次に部屋の中での移動についてお話
をします。部屋の中で物にぶつかってしまうと
言う方は、自分の手を使って体の防御をしてい
ただきたいと思います。先ず手を肩の高さに上げ
ます。そしてこの手を90度に曲げ手の平を外に向
けます。手の先を伸ばしておくと物に当たったと
き痛いので指先を卵形にする。そうすると顔に物
が当る前に手に物が当ります。この手に当った
場合、顔と手の間に距離がありますので直ぐに
跳ね返ったりはしません。ここで止めてもらいま
す。もっと怖い人はひじから上の所を45度上に
上げて顔の前にかぶせると楽かもしれません。
指先は卵形にして下さい。床に物が無いとわかって
いて上半身だけ危ないと言う場合は、今の
上部防御の形を使って・u桙「ただければこ
れで歩いていただけると思います。手摺があれ
ば右手なり、空いた手で手摺などを使うと安心
です。 ただ下半身も怖いぞ…と言う場合は左
手は今までの方法ですが、右手を斜めにかざし
て、尚且つおへそから手を少し離しておきます。
指先も卵を持つ状態にして このまま進んでいた
だくとあまりよく知らない空間でも痛い思いをし
なくて良いかもしれません。 また、物を落とし
たりして拾う時も必ずこの姿勢で真っ直ぐにしゃ
がんでください。落としたなぁと思って前かがみ
になってしまうと、机の角でおでこをぶつけたり
します。その場で真っ直ぐにしゃがんでいただい
てから物を探すのが良いかと思います。先ほど上
側でやりましたのを上部防御、右手でやりました
のを下部防御です。何時もするのではなく、何か
あるな…と思った時にして見るとドアなどに頭を
ぶつけなくてすむのではと思います。 先ほど指
を卵を持つ形にして下さいといいましたが、こう
する事で突き指をしたり、指だけで物を押して壊
す事の無いようにと言うことなんです。
例えば先ほどのように6時方向にお茶を置きまし
たよと言ってもらえればよいのですが、そうじゃ
なくって いきなりポ・u栫[ンとコーヒーなどを
出された時に指を真っ直ぐのまま探しに行くとコ
ップをw)倒したりします。先ほど言ったように卵
形にして頂いて小指で机の上をなぞるように探す
と、物が手の甲に当ります。手の甲が当るとどう
してよいかと言うと、手を引っ込める事が出来ま
す。何でも物を探したりする時は小指をなぞりな
がら捜すと物を倒したりする事が最小限に防げま
す。食卓には結構醤油とかいろいろ有ります。
家庭ではまだ良いのですが喫茶店では、砂糖、
醤油、ソース等いろいろとあります。そうゆう時
に物を探すときに手の平を自分の方に向け 手
の甲から尚且つ テーブルの上をすらせていた
だくと物に優しく与えて物に到達する事が出来ま
す。
次に家の階段が怖いと言う方がおられま
す。階段の途中は同じ段差なのでさほどでは
ありませんが、最初と最後が怖いのですから降
り口の初めに滑り止めのテープを貼るとか、マッ
トを引くとかし、マットの先が階段の降り口とか
予め判るようにしておけば と思います。階段の
途中では止まらないようにリズムに乗って下りる。
一番下は空踏み(からふみ)するのが一番怖い
ので 空踏み(からふみ)しないように段差を
数えるとか、手摺に印を付けるとか工夫をしては
いかがですか。ストレスを除去する為には最初
と最後を判るように工夫をします。
中途半端に
ドアを開けたり、階段の降り口に物を置くとどん
なに怖いかと言うことを、この機会にわかって
頂きたいと思います。床に物を置かない。ドアは
閉めるか開くかで中途半端をしないことでご家
族のストレスが違います。
今度は屋外の事ですが、これはやはり補
助具を使って歩いていただく。盲導犬を使っ
て歩く歩き方、白杖を使って歩く歩き方、それ
からガイドを使って歩く歩き方といろいろ有りま
す。我々は白杖歩行訓練施設なので白杖歩行の
練習をしているのですが、いくら訓練をしても
自宅のそばでは使いたくありませんと言う方が
おられます。仕方がありません。まだまだ自宅
の近くでは使われないんだな…? 気持ちがそ
こまで向いていないんだなと思うんで無理強い
はしません。ただ白杖の定義が三つあることを
判って頂き、三つの事を十分理解していただくと
白杖を使っていただけるかなと思います。
一つ目は、シンボルです。視覚障害者です。
周りの方は気をつけてください。でもこれが逆に
自分が視覚障害者だというアピールになるから
嫌ですよ…と言う方もおられます。
二つ目は、白杖は車のバンバーと一緒で障害
物にいきなり体が当らないようにする役目が
あります。ですから杖の持ち方を勉強しない
といけません。
三つ目は、センサー 検知器の役割をします。
路面に何がある、路面がどういう常態かが杖の
先(石づき)から伝わってくる。これを持って
いただかないとわからない。やはり振り方を勉
強していただかないとなかなかセンサーとして
の情報が伝わってこない。
一つ目のシンボルは持てばそれで終わりです
けど 二番目、三番目の役割は構え方とか振り
方がわからないとどうしても白杖の良さを判って
いただけない。判っていただかないとあまり役
に立たない。役に立たないと持ちたくないと悪
循環になってしまいます。 広島県では広島市
の方は「光清学院」・東広島市の方はサポート
センターかもみーる(高橋さん)でしておられ
ます。全域をカバーしている分けではありませ
ん。神戸のセンターに来ていただくと便利さを
十分知っていただけます。場所が遠いので福
山まで来て自宅の訓練をしていただけるかと言
うと、1回ぐらいは来れると思いますが、何度
もとはいかないようです。関西は大阪に日本ラ
イトハウス、京都ライトハウス がありますので
是非、機会があれば白杖歩行訓練を受けていた
だければ便利さが判っていただけると思います。
白杖は身体障害者手帳があれば交付いただ
けます。補助具や日常生活用具は交付給付さ
れる場合が有りますが、それは訓練をしていた
だくと自分に必要な物がどれかとわかりますの
で、それをしてからでも遅くはありません。視
覚障害者の方に交付された補助具の70%は眠
っているというある調査があります。交付はし
たのだが使っていない。何故か…? 使い方
が判らない。使い方が判らないと便利ではな
い。買った物はあるが、この物の弱点はここだ
とか自分にとってはあまり役に立たない…と言
うことを判ってから買っても遅くは無いのでは
ないでしょうか。もらえる物は何でももらおう
と言う考えはどうなんでしょう?? 宝の持ち腐
れはもったいないです。訓練施設で訓練を受
けると物も生きてくるし本人も便利になると思
います。 次は心の健康と言うことでお話をさ
れました。中途障害者の場合は心の問題を解
決すると言う事は、すごく大きな部分を占めて
きます。我々の訓練施設に入っている方でもそ
うです。中途の方は受傷時(じゅしょうじ)に
うつの状態になる方が多いと聞いて下ります。
訓練施設に入って訓練を受けたり、カウンセリングに
行く方も沢山おられます。
例えば病院の ベッドサイドで
視覚障害者同士の情報のやり取りについては
なかなか難しいですし、他人の様子を観察し
て学習する事はなかなか難しいですね。病院で
は治療以外での集団で話をしあったり機能回復
訓練をしたりは、肢体不自由の方の場合は結
構有りますが、視覚障害者の場合は大変少な
いです。例えばあの人はうまく白杖を使ってい
るからあの人の話を一度聞いてみようと言うふ
うには中々なってこないと言うのが現実だろう
と思います。自分以外の視覚障害者に会ったこ
とが無いという方も都市部ではなくて田舎です
と結構おられます。家庭に引き込まれて10年で
すとか20年ですとか、かなり長いこと引きこも
っている方もおられます。
先生が北海道で担当された男性の方は網膜色
素変性症の方で20年、家でお母さんがお世 話
されていて、本人は何もしていなかったのです
が、お母さんがなくなられたので生活訓練をし
にこられたそうです。30代の方が50代になって
おられ20年間ほとんど動いておられなかったの
で、骨粗しょう症(こつそしょうしょう)になら
れて歩こうと思った時には もう膝が動かせな
い状態になっておられました。もう少し決
心を早くして頂いていたらと思ったのですが、
本当に本人が一番大変だ! 歩こうと思った時
に膝が使えなかったとか、そういうとてもつら
い思いをされました。
また別のケースでは兄弟3人とも網膜色素変性症
で小学校の時から色変のことは判っていたが父
親がどうしても普通小学校、中学校に行かせた
いと言うことで行かれましたが、やはり学力が身
に付かないのでやっと視力センターに来ていただ
きあんまの免許など取れて社会に出て行かれた
ケースもありますと言われました。このお父さん
は愛情が深くて本人に良かれと思ってされたこと
が実際は本人のためになっていない。本人を追
い込むという悲しい実例もあります。
そんな時
何方が援助するのが効果的かと言うと、
やはり同じ障害を持つ方からの具体的な生き
方などが一番効果的なのです。そういう意味
でJRPSの会と言うのは同じ病気の方が集ま
って大変活発な活動をしているのでとても素晴
らしいと思います。家族でない他人であっても
障害と言う部分では心から判り合える、アドバ
イスがもらえるという存在です。 家族がわか
ってくれないという話を良く聞きます。家族は
判らないのが当り前だと思います。家族と言う
のは一枚の別のフィルターがかかって、
期待とかがありますので、こういうJRPS
の様な少し家族から離れた人間環境の中
で話を聞くというのが心の健康にとっては
一番良いのではないでしょうか?
ある20代の男の子に話を聞いたのですが、
お父さんがおっしゃるのに自殺だけはしてく
れるな!お父さんは息子を思って自殺なんか
するんじゃないぞと言うふうに言われたつもり
が、本人に取ったら本当に深く傷ついてしま
って、親父は対面だけしか考えてないのかと
言うなかなか家族がお互いに思いをきちんと
伝え合うというのは健常者の家族でも難しい
ですけども、そこにまた障害という1つが入り
込むともっと複雑になってくるんだな…?施設
でも訓練所でも またこういう会合で、どん
な所にいくとどんな訓練をしてもらえるか、ど
んな雰囲気なのかとかの情報を収集すれば期
待を裏切らないように頑張れます。
長い時期は自分1人ではないということをこう
いう場で確認をしあうと言う事はとても大事な
事だと思います。生活をメインと言うことで細々
と述べましたが、後は税金で雇われている専門
家をどんどんこき使ってください。あと保健所
の保健師さんは地域保健の専門家ですし、障
害福祉課の方は障害福祉のプロです。
ただプロと言うのはその事について何処に
問い合わせればいいかと言うことをご存知
と言う意味であって、質問にその場で何で
も答えなければ駄目だよと言うふうには思
わないで頂きたい。よく福祉の窓口で喧嘩
してきたよという方がおられますが、喧嘩
をしても後に得は残らないです。うまく担
当者を利用して情報を得る方が喧嘩するエ
ネルギーより少ないエネルギーで生活が便
利になるのかなと思います。その気持ちと
体は車の両輪だと思います。よく障害の受
容が進んでいないと訓練に行っても駄目だ
よと言う専門家の人がいますけれど、先ず
は訓練をしてみる事で気持ちがほぐれてく
ると言う事があります。相乗効果でよい方
向に転がっていくと言うような実例もこの
仕事をさせていただいて沢山見せていただ
きましたといわれておりました。
見えないとか見えにくいという事は動か
せない事実ですが、何も出来ないと言うふ
うに考える事は事実ではない。自分が知っ
ている情報だけで全て判断をすると、これ
は誰が判断しているのでもなく 自分が勝
手に判断をしている事になるんだと思いま
す。ご自身の気持ちが変われば事実も変わる。
事実の受け止め方で世の中は変わってい
くということではないかと思います。良くセンタ
ーに見・uヨに来られた方が、皆さんの明るく
て楽しさには驚きましたと言われます。ではどん
なイメージだと思って見学に来られたのですかと
お尋ねすると、もっと暗くて大変で、みんな根性
という感じで訓練をしているんだと思いました。
どうも見たことも無いんですけど、何の根拠も無
いんですけど視覚障害者の生徒は大変暗くて大
変だと思っているイメージが世の中に学生さんに
はゆきわたって、とても悲しいことのように思い
ます。センターとしては小中学校の体験や教員の
方への体験講習などもしていただいたり、広く広
く知って頂きたいと思います。
センター自体は古
いのですが、中にいる入所者は本当に生きの
いい方が沢山折られますので是非一度 見に
来ていただければと思います。 最後にある
心理学者の言葉があるのですが、『災害や
大きな事故に巻き込まれた人たちが社会が自分
に何をしてくれるのかではなくて、社会が自分
に何をさせようかと言う視点に立ったときに立ち
直りのきっかけを掴む』…ちょっと難しいのです
が、こういう言葉があります。 視覚障害と言う
のは災害と同じで、無差別に皆さんのところに
やってきて、嘆いても嘆ききれない事だろうと思
いますが、視覚障・u條Q者になられたと言う事
でどう生きていくか、どう生き直して頂くかと言
うところが曲がり角になって来るんではないかと
思います。ご家族の方も同じように障害者の家
族になった事で、社会は自分に何をさせようとし
ているのかと言う視点を持って頂ければ、ありが
たいなと思います。JRPSの会もそういう視点で
益々活躍をなさって頂けると思いますけど、視
覚障害を受傷(じゅしょう)される事を契機に人
生の意味を問い直して頂いて、リハビリテーショ
ンの本来の意味である名誉回復と言うことを皆さ
んの心の中で、いつか必ず行われると言うふう
に信じてまたこの仕事をさせて頂きたいと思いま
すので、皆さんもどうぞ広島で頑張って頂けれ
ばと思います。どうもありがとう御座いました。
講演は以上です。 この後、数名の方か
ら質問がありました。そのひとつ、お金を落とし
た時の探し方について報告します。 落としたも
のの拾い方ですが、お金ですと音がします。音
がしたらある一定の方向がどちらかと判断が出
来ると思います。音を拾ってください。それから
いきなりその場所から動いたりしないで、先ず
その場所でしゃがんで頂いて、手の届く範囲を
先ほどのように右手・u桙ニ左手で探っていただ
く。そして無い場合はその方向にもう一歩進んで
右と左w)で探れる範囲がありますから、自分の
方から探ってください。絶対にここを 2 3歩
ポンポンポンと歩いたり去れないほうが良いと思
います。自分とその音の距離関係を図りながら
、ただはっきりした位置は判らないけどその方
向とゆうのを目指しながら少しずつ進んでいか
れるのが良いかなと思います。先ほど言ったよ
うにいきなり頭をそっちの方に向けたりしますと
何が有るか判らないので、しゃがんで頂いて地
面をこすっていただくと言う形が一番よいかなと
思います。 テーブルに物を落とした場合でも手
前から向こう側に探していくのが基本です。ただ
ボールのような物は向こう側から手前に手を動か
すという事がありますけれども十円玉、五百円玉
のようにもう転がらないでペタッとしてしまった
物については、手前から向こう側に探ってもらえ
ば良いと思います。あと針とかすごく小さい物を
探す時は上から押さえていただくような形で手前
から向こうに行っていただく。こんな時は手の平
の方が触覚が優れています。手の平で押しなが
ら向こう側に行って頂くと言う方法が良いかなと
思います。 講演後は個別相談会(3組)もあ
りました。その間を利用して交流会を予定して
いましたが、質問等で時間も経過していた為、
全員の声出しはしませんでした。
閉会後は福山天満屋裏の『自由軒』で年末交
流会を24名の参加者で行いました。賑やかに楽し
く食べたり飲んだりしました。皆さん満足顔でし
た。広島方面の方もおられますので時間の関係
で19時の解散となりました。
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