あぁるぴぃ広島 22号


■巻頭言■

 「見えなくてもテニスができる!」
  広島県支部 幹事(HP担当)永井美佐

みなさん、こんにちわ。
まだまだ残暑が厳しいですが、それでも少しずつ秋の訪れを感じるいい季節になりました。
さて、私は今年度より発足した中国地域視覚ハンディキャップテニス協会の理事をさせて もらっているのですが、広島県を中心に活発に活動して いる仲間とともに、このスポーツをもっと多くの人たちに知ってもらい、見えなくなった からできないとあきらめてしまうのではなく、見えない からこそ楽しめるものもあるんだ、ということを一人でも多くの人にお伝えできたらいい なと思っています。
見えないのにどうやってボールを打つの?空中を飛んでいるボールが打てるの?とよく聞 かれますが、視覚障害者の球技は「音」をたよりにプレ イします。
この視覚ハンディキャップテニスもスポンジボールの中にサウンドテーブルテニス用の転 がると音がなるピン球が入っているので、その音をたよ りに打ちます。
ただ、これまでの視覚障害者の球技といえば、平面を転がるボールを打ったり蹴っ たり、というものしかありませんでした。
しかし視覚ハンディキャップテニスは、普通のテニスのようにバウンドしたボールをラケ ットで打ちます。
見えなくてもそれが可能なように、コートはバドミントンと同じ広さでエンドラインとセ ンターライン後方部には、ラインテープの中に紐が入っ ており、突起させることによってコートの位置がわかるように なっています。
ラケットはショートテニス用のラケットを使用します。
B1(全盲)クラスでは3バウンド以内に返球すればよいのです。
もちろんボールが空中を飛んでいるわけですから、平面を転がるボールを操るよりは難し いですし、最初はなかなかまともにラケットに当たって くれません。
でも、ラケットの真に当たるとなんともいえない快感が得られるのです。
私も2年前にこのテニスと出会い、テニス経験はゼロに等しかったのですが、あっという 間にトリコになってしまいました。
楽しいうえに、日常の感覚訓練には最適で普段生活していても音や人の動きがよくわかる ようになりました。
そしてこのテニスの楽しいところは、視覚障害者だけでなく健常者も一緒に楽しめるとい うところです。
全盲と弱視、もしくは晴眼者とのミックスダブルスという試合もあり、日頃も見える人が 一緒になって練習に参加してくれ、障害の有無にかかわ らず楽しめるのです。
11月にはJRPSの行事で、サウンドテーブルテニスとともにこのテニスをみなさんに 体験していただこうと企画をしています。
運動はどうも苦手・・・という方でも、音の感覚訓練として体験をしに会場へ足を運んで いただけると嬉しいです。
ちょっとコマーシャルのような内容になってしまいましたが、スポーツでもなんでも夢中 になれる何かがあると、毎日が楽しいですよね。
私たちの病気は少しずつ視力を失っていき、以前できていたことができなくなることでそ のことを悔やみがちですが、見えていたころには出会え なかったであろう楽しいことがたくさんあるということも忘れないでください。
一度しかない人生、どうせなら思いっきり楽しもうじゃないですか。




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