あぁるぴぃ広島 30号


■巻頭言■

 障害手帳及び障害年金制度について
     広島県支部 幹事 岩崎 周市(福山市)

 皆さん こんにちは 福山市の岩崎です。
 私はJRPSに入会して6年目になりました。またJRPS西日本MLのお陰で沢山の貴重な情報を頂きました。皆さんには感謝申し上げます。ありがとうございました。
今では私にとってパソコンのない生活は考えられません。一日に何度もパソコンの前です。そのパソコンも福山市では習われる方が増えてきています。
先日は福山市視覚障害者地域活動支援センターの主催で視覚障害者パソコン指導者講習会、視覚障害者パソコン初心者講習会も行われました。多くの視覚障害者の方にパソコンの便利さを伝えていきたいと思っています。
 私も視覚障害者を10年前から続けていますが、続けるうちにいろいろと矛盾を感じるようになってきました。
それは障害手帳もですが、障害年金認定基準の事です。私は認定基準に問題があると思います。
特に網膜色素変性症の場合です。私たち網膜色素変性症の症状はいろいろです。
視力の低下、視野の欠損(中心より欠けて周りが見える方、周りより視野が欠けてくる人)、夜盲症(とりめ)、白内障の様に霧がかかる人などいろいろですね。
 眼科では視力=見え方と判定されます。果たして視力だけで見えているでしょうか?
 この視力は1点注視の視力です。また白黒で測定です。
 道路の白線が良く見えるのと同じです。果たして周りの物はどうでしょう? 殆どがグレーゾーンではないでしょうか。そして、視野はどうでしょう…?
 視野の著しく狭い人は物が探せません。信号機だってその場所を探すのにも苦労をしています。
それに、白内症の状態で目の前がいつも霧の状態で真っ白く見える人はどうでしょう。
白内症の手術はして水晶体の部分はクリアになったが、直ぐにまた曇る方も多いのではないでしょうか。
これは網膜から来る濁りでどうする事もできません。
おまけに進行性の病気だけに、まるで真綿で首を絞められている状態です。
出口のないトンネルの奥へ奥へと入っている状態ではないでしょうか。この見え方は、理解してもらえませんね。
 この最近では人の顔も判らなくなって着ました。買い物もできなくなりました。道路では白線を頼りに歩きますが、白線が引いてある道ばかりはありません。
コントラストがはっきりしている所は少ないです。グレーゾーンばかりで良く見えません。
そんな見え方なので道路と溝の境が判りにくく苦労しています。なれない場所での移動は困難です。
建物の玄関やトイレの入り口も判りません。もちろんトイレの便器の位置も判らなくなってきました。
食事の際も、苦労しています。皆さんも同じように苦労はしていませんか? この様な網膜色素変性症の状態を判っていただけません。
障害年金の障害者等級区分ですが、私が思うには矛盾だらけです。視覚障害の場合は、両眼の視野の和、視野、まぶたの欠損とあります。
私たち網膜色素変性症の場合、白く濁り、目の前が真っ白く見えて、太陽の光や蛍光灯の光が眩しく見えにくいのです。
視力・視野・霧の状態・夜盲症が重複障害となっています。
私の場合、この中の一つを取ってもらうとしたら、霧の状態を取っていただきたいと思います。目の前が霧がかかっていると、全てがぼやけてすっきりしません。これが一番邪魔しています。
 人それぞれにより症状が違います。その中で、私のように中心視野が僅かでも残っていて、一点注視の視力があり、視野が5度以上ある人は、視力だけで判断されます。視力=見え方でない事を理解していただきたいのです。
 その一方、中心の視野は欠損していてドウナツ状で、周りの視野が残っている方は、視力検査では測定できず、1級の障害認定を受けておられる方がおられます。
弱視の方の場合もその様な方がたくさんおられます。その方の中には白杖なしで歩いておられる方もおられます。1級の方に手引きをしてもらっている状態もおきています。
おかしいですね。これが現状です。中心が見えない方の場合、視力検査では1級の認定になります。
目の前が霧の状態で白く濁って見える状態や夜盲症などは認定基準になっていません。その点の見直しもしていただきたく思います。
 できれば当人と面談なり行動なりをして調査する必要があるのではないでしょうか。
是非その様な実証実験をお勧めし、日常生活の不自由さを反映した、公平な認定基準をお願いしたいものです。平等と公平は違います。
 この様な運動をJRPSでしていきたいですね。。

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