ねこぽんの徒然日記

巻の六

 ねこぽん 無謀な沖縄への旅 その2 (その1は巻の三です)

 私達は最初の宿泊ホテル、『カヌチャベイ』に向かっていた。レンタカーのドライバーはマシュマロマン。助手席に、5歳の男の子。後ろの席に、ミニゴジラ(2歳)とタマリン坊。ミニゴジラはベビーカーに座り、泣きそうになっては、隣のタマリン坊に、おやつを口に運んでもらい、ご機嫌をなおしていた。

 この、ちょっと手のかかる王子様と、タマリン坊の後ろが私の席。 私は、ずっと外の景色に目をやっていた。新しく作ったサングラスのお陰で、建物の輪郭などは見えるようになったものの、白内障のせいで、友人達が歓声を上げている、真っ青で美しい海も景色も、ほとんどよくわからなかった。

 友達が私を沖縄旅行に誘ってくれたこと、友達と沖縄の地を踏めた、ただそれだけで、私は、うれしくてうれしくてしかたがなかった。友人二人が、時折、景色の特徴を教えてくれたお陰で、見えていなくても、見えているような気分になった。

 さてさて、一泊目のホテルに到着です。ホテルの敷地は広すぎるため、チェックイン専用の建物で手続きが済むと、ベルガールの女の子が、ミニカーを運転して部屋のある建物まで案内してくれる。左手に中華のレストラン、しばらく走ると、右手にフランス料理のレストランといった感じで、ここはまるでアミューズメントパークのようだ。

 部屋に到着すると、私達は大歓声を上げた。部屋のバルコニーに出ると、真っ青な海が目の前に広がっているし、バルコニーにはジャグジー風呂。ベッドが二つある部屋は、私のリビングを3部屋つなげたくらいの広さはあるし、バスルームは我が家の寝室と同じくらいの広さで、部屋には乾燥機までついているし、ドレッサーには、外国製のおつまみだの、ウイスキーのミニボトルがゴロゴロしている。とにかく凄すぎる。もう、一生こんなにリッチな部屋には泊まれないだろうと友人達と話した。

 私とタマリン坊の部屋は、ドアを開ければ、となりのマシュマロ親子の部屋とつながっていた。自由に行き来できたので、幼稚園児とミニゴジラは大喜びで、駆けずり回っては色んなところでぶつかり、大きな音がしたと思ったら、ビービー大声で泣いている。

 夕方になり、レストランでコース料理を頂いた後、私達は散歩をしながら部屋まで戻る事にした。

 木々には、星座をかたどったイルミネーションが施されて、光のシャワーがどこまでもどこまでも続いていて、天国のように美しいのだ。夜になると、光を放つ電灯しか見えなくなる私にとっては、この光の粒は、きっと健常者の誰よりもきれいに浮かび上がって見えたに違いない。まるで私だけ、神様から思いがけないプレゼントをもらったみたいだ。(涙、涙)

 翌日の朝食はバイキング。友人達が、何度も往復して、たくさん料理をとってきてくれる。私はバイキング料理では、『動くと危険な女』になるので、いつもおとなしく女王様のようにすまして座っている事にしている。マシュマロマンは大忙しだ。彼女は優しい人なので、私のお皿もチラチラ気にかけながら、二人の子供の様子もみつつ、ミニゴジラが口から食べ物をこぼしそうになっては、「もう!」と、眉を吊り上げながら口を拭いていた。タマリン坊は、私とおチビちゃんの二人の様子をみながら、やはり忙しそうに動き回っている。

 「ねこぽんちゃん、これはサラダで、上にXXがのってるよ。スープはXXスープだよ。」
こんな風に、気がついた友人どちらかが、交互に教えてくれる。彼女達には、感謝感謝だ。
さて、次の宿泊地は、沖縄の最高級ホテル。サミットで使われた有名なホテルだ。このホテルマンの人達は、きっと私達のこと、忘れないだろうなぁ。(苦笑)

 だって、私はホテルで、信じられない大失敗をするし、ミニゴジラ兄弟が、熱は出すし、皮膚炎にはなるし・・・。沖縄の地にまで行って、病院探しの旅になった。(爆笑)

 でも、このお話はまたね。ニャン(つづく) 

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