寄稿いただきました
  広島市立自立訓練施設 歩行訓練士  萬 あおい
JRPS広島会員の皆さま、こんにちは。広島市立自立訓練施設の萬(よろず)あおいです。
私は「歩行訓練士」という職種で仕事をしています。元々は、盲導犬の訓練士を志していましたが、歩行訓練士と言う仕事を知り、大学卒業後に養成施設へ進学しました。
歩行訓練士の仕事を始めて、今年で22年になります。広島市立自立訓練施設では、主に視覚障がいのある利用者に対して生活訓練を行う業務を担当しています。
白杖を使った歩行訓練、支援者と一緒に外出する誘導歩行、音声読み上げソフトを使ったパソコン訓練、スマホの操作練習、福祉機器の操作練習、点字訓練、家事動作訓練などを行っています。
その他の業務として、地域の学校から依頼があれば福祉授業の一環として生徒に視覚障がい者へのサポートの方法なども伝えています。
アイマスク体験は「目の見えない人の気持ちを知る」と捉えられることがあり「覚障がい者は大変」「目が見えないと恐い」という思いだけが印象に残りがちです。
短い時間で、見えない、見えにくい方がどのような事に困っているのか、その困り事に対してどのようなサポートが必要かということをしっかり考えることができるよう体験や振り返りを行うようにしています。
今まで、行政機関の職員、民生委員、教職員、医療事務の資格取得を目指す学生、看護学校の生徒、福祉施設の職員向けにも講習会を行いました。
資格の名称が「歩行訓練士」のため、白杖を使った歩行訓練しかしていないと思われているかもしれませんが、歩行訓練士の仕事の内容は多岐に渡ります。
皆さん、なんでも屋のことを「よろず屋」というのはご存知ですか?歩行訓練士の仕事はまさに「なんでも屋」です。萬が「よろず屋」をやっているというのも何か繋がりを感じますね。
もし何かお困り事があれば、歩行訓練士にご相談ください。見えにくくて困っていること、ちょっとしたことでも、できる方法を一緒に考えたり、道具を活用する方法なども検討します。
JRPS広島の会員の方からアイデアやアドバイスをいただく機会は多いので、今後も会員の皆さまと一緒に歩んでいけたらと思っています。
会員の皆さま、今後ともよろしくお願いします。



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