研究推進委員会(Wings)通信(第10回)

■研究推進委員会から要望発信

2017年2月2日、加齢黄斑変性患者を対象としたiPS由来細胞移植の臨床研究開始が厚労相から承認されました。研究開始にあたり、東京大学医科学研究所・武藤香織先生を通じて、マスメディアを含む関係者宛てに以下のような要望書を発信しました。
★本年2月、滲出型加齢黄斑変性に対する他家iPS細胞由来RPE細胞懸濁液移植の臨床研究が理化学研究所はじめ4施設の共同により開始されたとお聞きしています。われわれ網膜色素変性症患者を対象とした臨床研究開始も近いとの期待から、このたびの臨床研究にも大きな関心をもって見守っているところです。一人ひとりの研究参加者の術後の経過がどのようなものになるか、とても気になるところです。
一方で、今回研究に参加される方々が過度な注目にさらされるのではないかと心配していることも事実です。プライバシーが守られ、落ち着いた環境の下で研究参加ができるよう願っています。
また、近い将来、同様な移植治療の臨床研究が始まることを期待している患者としては、先行研究の評価が正しく行なわれることが何よりも大切であると感じています。初期段階で、個々の被験者の断片的な体験や経過が一般に広まることにより、研究の評価に影響が及ぶのではないかと、危惧している次第です。研究の途中経過を知ることより、落ち着いた環境で一日でも早く研究が進むことを希望しています。
以上のようなわれわれの心配、危惧を今回の臨床研究参加者やマスメディアを含め、関係者の皆さまと共有できればと思います。

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